●愛【あい】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
愛
あい
love
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デジタル大辞泉
あい【愛】
2 (性愛の対象として)特定の人をいとしいと思う心。互いに相手を慕う情。恋。「
3 ある物事を好み、大切に思う気持ち。「芸術に対する
4 個人的な感情を超越した、幸せを願う深く温かい心。「人類への
5 キリスト教で、神が人類をいつくしみ、幸福を与えること。また、他者を自分と同じようにいつくしむこと。→アガペー
6 仏教で、主として貪愛(とんあい)のこと。自我の欲望に根ざし解脱(げだつ)を妨げるもの。
[用法]愛・愛情――「親と子の愛(愛情)」「夫の妻に対する愛(愛情)」などでは、相通じて用いられる。◇「愛」は、「国家への愛」など、広く抽象的な対象にも向けられる。◇「愛情」は、主に肉親や恋人に対して用いられ、「幼なじみにあわい愛情を抱きはじめた」などという。◇類似の語に「情愛」がある。「情愛」は「愛情」と同じく肉親や恋人間の感情を表すが、「絶ちがたい母子の情愛」のように、「愛情」よりも思いやる心が具体的である。
[補説]
2013年10月に実施した「あなたの言葉を辞書に載せよう。」キャンペーンでの「愛」への投稿から選ばれた優秀作品。
◆自分に関する記憶や思いや遺伝子を、相手に刻みたいという思い。
L&Pさん
◆ケーキに書き込むメッセージを注文しているときの感情。
cable_carさん
◆ほんまにあかん人やなぁ…と思いながらも見守りたい、生きる助けになりたいと思う気持ち。
山崎響さん
◆二人なのに一人のような感じ。
希望岬さん
◆人を天国にも地獄にも突き落とす制御不能な感情。
HIROAKIさん
◆若者は肌を重ね、年配者は言葉を重ねる。
越乃屋さん
◆不自由になることが自然と我慢できる状態。
KO-すけさん
◆相手の痛みを自分の痛みのように感じられる瞬間。
KTさん
◆「独占欲」を綺麗な言葉で言い換えたもの。
ayumiさん
◆絶え間ない努力の結晶。
あじさいさん
◆未だ科学では解明されていないエネルギーの一種。行動力、思考力、及び幸福感に変換可能。
nakanoさん
◆心のコタツ。
rikakumiさん
◆人である原点。
MeSiYaさん
◆人を美しくもし、醜くもする矛盾にあふれたもの。
潮騒のメモリーズさん
◆恋では補えないもの。感情に勝る思い。距離や時間を隔てても朽ちないもの。
Natsuさん
◆目に見えずかけがえのないもの。知らず知らずのうち育ち、壊れるはかない存在のため、多くの人が見ようと努力するもの。
JINJINさん
◆無条件に受け入れられる、存在そのもの。
しーずーさん
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あい【愛】[漢字項目]
[学習漢字]4年
1 かわいがりいつくしむ。思いこがれる。いとおしいと思う気持ち。「愛妻・愛情・愛人・愛憎/恩愛・求愛・敬愛・最愛・自愛・慈愛・情愛・親愛・仁愛・相愛・寵愛(ちょうあい)・溺愛(できあい)・熱愛・博愛・偏愛・盲愛・恋愛」
2 対象を気に入って楽しむ。「愛好・愛読・愛用」
3 二つとない対象を大切にする。「愛顧・愛護」
4 大事なものを手放したくないと思う。おしむ。「愛惜/割愛」
[名のり]あき・さね・ちか・ちかし・つね・なり・なる・のり・ひで・めぐむ・やす・よし・よしみ・より
[難読]愛蘭(アイルランド)・愛宕(あたご)・愛子(あやし)・愛子(いとしご)・愛媛(えひめ)・他愛(たわい)ない・愛弟子(まなでし)
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まな【▽愛/▽真】
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デジタル大辞泉プラス
愛
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世界大百科事典 第2版
あい【愛】
【〈愛〉の意味・〈愛〉の言語】
愛の過不足なく普遍妥当な定義を求めることは,愛の様態の多岐性,愛の解釈の恣意性,愛の用語の混交性のために,困難というより,不可能であり,無意義である。 人類の愛の様態は,異なる自然環境と社会組織の制約のもとに形成された結果,顕著な特性をもつまでに分化している。それらは,習俗の根強さによって,保守的な大衆を羈絆(きはん)する一方,反生物学的・非人間的なゆがみによって,自覚的な個人に対する権威を失墜しつつある。
出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)
愛
あい
愛は文学、道徳、哲学、宗教いずれの観点からいっても、もっとも根本的な観念の一つである。とりわけ、キリスト教の文化圏ではこの観念をめぐって思想が展開していった。東洋にも、「仁」とか「慈悲」という思想がある。孔子(こうし)(孔丘(こうきゅう))の「孝悌(こうてい)は仁の根本である」ということばからもわかるように、仁は親子兄弟という血縁に根ざす親愛感に発するもので、この感情を無縁の人にまで広げていくことが仁道である。孟子(もうし)(孟軻(もうか))は「惻隠(そくいん)の心は仁の端(はじめ)なり」(『孟子』公孫丑(こうそんちゅう)・第29)と説き、人を慈しみ、哀れむ同情の心から愛への展開を論じている。墨子(ぼくし)(墨翟(ぼくてき))は「天下互いに兼愛すべし」(『墨子』兼愛篇(へん))と主張し、親族と他人を区別しない平等の愛を唱えた。仏教でいう「慈」は真実の友情で、「悲」は哀れみ、優しさを意味する。両者はほとんど同じ心情をさしており、中国や日本では、慈悲という合成語で一つの観念として表される。親鸞(しんらん)は仏の広大無辺な慈悲を太陽の光に例え、人間を超えて一木一草に至るまで仏の大慈大悲に浴するものとみなした。作家伊藤整(せい)によれば、「他者を自己とまったく同じには愛しえないがゆえに、憐(あわ)れみの気持ちをもって他者をいたわり、他者に対して本来自己がいだく冷酷さを緩和する」というのが東洋的な知恵のあり方で、この考えから、孔子の「己の欲せざるところを人に施すなかれ」という教えが出てくるのだという。他人を自分と同じに愛することの不可能が自明の前提になっていて、そこから相互に相手を哀れみ、いたわりあう愛が生まれてきたというわけである。キリスト教はこの不可能に挑戦し、「己のごとく汝(なんじ)の隣人を愛すべし」と命じる。イエス・キリストは十字架の死によって、真の愛は自己を犠牲にしなければ達成することができないことを自ら示した。そういう絶対の愛が原型として考えられていたからこそ、常人には不可能と思われる厳しい生き方が命じられたのであろう。
ギリシア語では愛は、エロスerōsとアガペーagapēとピリアphiliaという三つの語によって示される。これらは、愛にとって本質的な三つの位相をそれぞれ指示しているように思われる。エロスは情愛に根ざす情熱的な愛で、哲学者プラトンの『パイドロス』でいわれるように、しばしば狂気の姿をみせ、究極的には一者と合一し、真実在に溶け込むことを求めている。地上において肉体的生存を続けている限り、神的なものとの一体化を実現することはできないから、忘我恍惚(こうこつ)を求め続けていけば、エロスは必然的に死と結び付く。エロスの哲学者プラトンが生涯、真実在との出会いを求め続けたあげく、「生より死が望ましい」という一見奇怪な結論に達したのは、その意味では当然の成り行きであった。
キリスト教的なアガペーの愛は、こういうエロスの愛と根本的に相違する。神と人間との間には、哲学者キルケゴールが「無限の質的差異」と名づけたものが介在する。だから神と人間との融合も、実体的合一もおこりえない。ただあるのは、神と人との交わりである。神と人とは絶対の深淵(しんえん)によって隔てられていながら、どうして交わることができるのであろうか。そこにこそ、イエスの真の存在意義が認められる。イエス・キリストはいわば、神と人間との仲保者であった。神の子イエスがこの地上に人間の肉において生まれたということが、いわば神の愛の唯一の証(あかし)である。「われわれはイエス・キリストによってのみ神を知る。この仲保者がないならば、神とのあらゆる交わりは断ち切られる」(パンセ)。そういうアガペーの愛にあっては、自我の神に向かう高まりも、熱狂的解体もない。神と人との間の交わりが可能となるためには、二つの主体が向かい合って存在しなければならない。同様に、人と人とが向かい合って存在することによってのみ、隣人としての愛の交わりも可能となるのである。
ピリアの愛も、相互に独立な理性的存在者の間に成り立つ友愛である。哲学者アリストテレスによれば、人は「自分自身と同じ考えをもち、同じ事柄を望む人」や「自分自身とともに悲しみ、ともに喜ぶ人」を愛するという。つまり、親が子を愛するように、自分自身と等しい者を愛するということで、ピリアの愛は結局、利己愛に帰着する。利己愛に堕さないようにするためには、志を同じくしない者でも、あるいは愚者や悪人をも愛さなければならない。それには、ピリアの愛がアガペーにまで高まる必要があるだろう。だが、神ならぬ身で人類すべてを平等に愛することができるはずがなく、それを実践していると自称すれば、たちまち偽善に陥る。けっして偽善に陥ることのない愛は、自己愛的なエロスのみで、ピリアは、エロス的要素を失う度合いに応じて、虚偽の愛に陥りがちとなる。こうしてピリアの愛は、アガペーとエロスの両極の間を揺れ動くことになる。
[伊藤勝彦]
『プラトン著、藤沢令夫訳『パイドロス』(岩波文庫)』▽『アリストテレス著、高田三郎訳『ニコマコス倫理学』(岩波文庫)』▽『伊藤整著『近代日本人の発想の諸形式』(岩波文庫)』▽『今道友信著『愛について』(講談社現代新書)』▽『伊藤勝彦著『愛の思想史』(1980・紀伊國屋書店)』▽『伊藤勝彦著『夢・狂気・愛』(1977・新曜社)』
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精選版 日本国語大辞典
あい【愛】
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あい‐・す【愛】
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あい‐・する【愛】
(2)明治中期love lieben などの翻訳語として採用され、西洋の「愛」と結びついた結果、人に対しては、対等の関係での愛情を示すようになる。
(3)使役「せる(す)」受身「れる(る)」が付くときは、「せさせる(せさす)」「せられる(せらる)」となるが、近世以降詰まって「させる」「される」の形が現われる。樋口一葉「うもれ木‐六」の「喜ばれ度し愛されたし」、夏目漱石「それから‐一六」の「三千代さんの心機を一転して、君を元よりも倍以上に愛させる様にして」など。
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いとし・い【愛】

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いとし・む【愛】
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う・い【愛】
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うつくしけ【愛】
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かなしけ【愛】
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は
し【愛】
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めだ
し【愛】
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め・でる【愛】
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いと
し【愛】
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め・ず めづ【愛】
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