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慣習【かんしゅう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

慣習
かんしゅう
一定の社会が共有する行動様式の全体をいう。習慣や文化,民俗習俗などと類似する概念であるが,習慣がやや個人的な行動様式をさす傾向が強いのに対して,慣習は集団成員が共有する意味合いが強い。したがって,たとえば三隣亡に柱を立てる,など慣習と異なる行動様式を取った場合には,村八分などの形で社会的制裁を受けることがしばしばある。しかし慣習は法的規定ではないから,これに反しても法的な制裁を受けることはない。文化,民俗・習俗も集団的である点において慣習に近い意味があるが,慣習が個々の行動様式を指示する個別的な概念であるのに対し,これらはその集団や民族のもつ行動様式を全体的に指示する概念である。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

かん‐しゅう〔クワンシフ〕【慣習】
[名](スル)
ある社会で古くから受け継がれてきている生活上のならわし。しきたり。「古い慣習を破る」
慣れること。習慣となるようにすること。
「日本人民は未だ憲法国会に―せざる人民なり」〈小林雄七郎・薩長土肥〉
習慣(しゅうかん)[用法]

出典:小学館
監修:松村明
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日本文化いろは事典

慣習
お辞儀や「おはよう」などのあいさつ言葉、またお中元、お歳暮、お土産などの贈答習慣は日本人には欠かせないものです。海外でも似たような習慣を持つ国々 はたくさんありますが、その方法はやはり各々のお国柄が表れるようです。日本の慣習には中国の儒教影響を受けるもの、仏教の影響を受けるもの、国内で独 自に発達したものなど様々ありますが、その内の多くは人間関係潤滑油のような役割を果たす重要な習慣です。また一方で、風呂のような人間関係には直接関係ないが、日本人にとって欠かせない慣習もあります。湯船にたっぷり入れたアツアツの湯に、「じゃぶり」と浸かる風呂は一日の疲れを癒す重要な日課です。日本文化いろは事典では、慣習を 「い」特徴、「ろ」起源・由来、「は」方法・行事という内容でご紹介しています。

出典:シナジーマーティング(株)

世界大百科事典 第2版

かんしゅう【慣習 custom】
一つの社会もしくは特定の集団の中で,伝統または慣行として確立された標準的な行動様式をいう。ある程度皆に公認された社会的行動であるため,また永く続けられてきた習わしであるため,成員にとっては一種の規範性を帯びることになる。社会規範と同義とされることもある。個人の習わしとしての習慣habitとは区別される。習慣は,たんにその人独自の生活上のユニークな行動パターンであるにすぎないが,慣習は,大多数の集団成員に共通して見いだされる特徴的なふるまい方であって,合理的な根拠がない場合でも正当な行為型として皆に容認・支持される。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

かんしゅう【慣習】
( 名 ) スル
ある社会で、長い間にみんなに認められるようになって、いつもそのようにする決まりとなっているならわし。世間のしきたり。 「土地の-に従う」
なれること。習慣となること。 「風俗に-する/民約論 」 → 風習(補説欄)

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

慣習
かんしゅう
custom
一定状況において個人が繰り返す特定の行動様式が習慣といわれるが、これに対して一社会に広く繰り返し行われる習慣的行動様式が慣習である。慣習は、モーレスおよび法と並べて社会規範を3種に分類する場合、行動様式に伴う価値原理とサンクション(社会的制裁)がモーレスほど確立しておらず、またもちろん法ほど組織化されていないものを総称する。慣習をこのように性格づけたのはサムナーとM・ウェーバーに共通する考え方だが、この区別においても基準は一つではなく複数あり、また実際の日常用語には雑多な使用法が多いので、慣習の内容は複雑である。たとえば、法解釈学では法を国家的規範に限って慣習を法にあらずとするが、法社会学、法人類学ではマリノフスキーのように慣習のなかに法的なものとそうでないものとを区別する。慣習とモーレスとの区別は、いっそう多様むしろ不鮮明である。だが比較的に概括する限り、慣習をモーレスおよび法から区別することは可能である。
 この意味の慣習にも実際の態様、種類は多く、したがって観察の重点をどこに置くかによって、形態と呼称にはさまざまのものがある。たとえば、外面的な行動様式の特徴ないし特殊性に着目すれば慣行といわれ、それを一般的風俗とみて、しかも衣食住の基本的様式性に着目すると習俗、それらに心理的な慣れがあることを考慮すると風習、そしてその局部的で期間の比較的短いものは流行といわれる。また内心面を重視し、ものの考え方ないし価値観の傾向性をいうと風潮になる。慣行のうちでも行動の機会が特殊的であるものはむしろ慣例とよばれる。行事はそのような慣例の一種だが、社会の共同性、公共性の意味が強いので、むしろモーレスに属することになる。伝統は伝承される価値を是認するものであるからモーレスの一種だが、伝承的価値を否認されたものは因襲といわれ慣習に属する。
 慣習は、もともと無自覚的に形成される個人習慣の社会的集積であるから、固有文化を安定的に伝えている比較的小さい社会で機能することが多く、概念的、合目的的な反省や組織化が意識して加えられることが少ない。その意味では、保守的性格を免れがたく、社会が拡大発展し進歩改革を図るには障害となることがある。そのような場合には、特殊な価値原理を意識的に護持しようとする倫理的ないし宗教的社会規範や国家目的を掲げる法規範からは、未熟でむしろ妨害的な社会規範として無視あるいは拒否される。しかし事実として、慣習と同調できない倫理、宗教、法律が実効性を欠くことは常識である。慣習は無自覚的に生成するだけに、一方では自覚的な発展や進歩を妨害するとともに、他方では人間の生が内包するエネルギーの表現形態として、社会で限界に逢着(ほうちゃく)した価値体系や制度を修正、超克する力の源泉でもある。[千葉正士]
『W・G・サムナー著、青柳清孝・園田恭一・山本英治訳『現代社会学体系3 フォークウェイズ』(1975・青木書店)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

かん‐しゅう クヮンシフ【慣習】
〘名〙
① (━する) 慣れること。習慣となるようにすること。
※正法眼蔵(1231‐53)空華「罣礙不罣礙は被眼礙に慣習すべきなり」
西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉二「工人の慣習(〈注〉シナレタ)せる手を以て」 〔杜甫‐前苦寒行〕
② ある社会一般に行なわれているならわし。ある一定の社会内部で、歴史的に成立、発達し、定着してきた常習的、伝統的な行動様式。しきたり。ならわし。風習。習慣。
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉二四「国風民情に於て慣習(クヮンシウ)の容易に変ずべからざるを憂ひ」
③ 人の癖(くせ)
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉二「恒久〈略〉に耐へて倦まざることも、これに因て慣習(〈注〉クセ)となり」

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