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慰謝料【いしゃりょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

慰謝料
いしゃりょう
精神的被害に対する損害賠償をいう。民法は,不法行為について精神的損害賠償請求を認め (710条) ,生命侵害の場合には,被害者の父,母,配偶者,子からの賠償請求を認める (711条) 。その賠償額は,厳密にいえば,財産的な損害ではないから算定不可能であるが,両当事者の地位,加害行為の悪性などを総合的に考慮して,裁判官が決定する。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

いしゃ‐りょう〔ヰシヤレウ〕【慰謝料/慰×藉料】
生命・身体・自由・名誉・貞操などが不法に侵害された場合の、精神的損害に対する損害賠償金。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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損害保険用語集

慰謝料
被害者あるいは死亡事故遺族に対し、精神的・肉体的苦痛を慰謝するための金額のことをいいます。

出典:自動車保険・医療保険のソニー損保

保険基礎用語集

慰謝料
事故の被害者がケガにより受けた精神的、肉体的苦痛に対する賠償をいいます。対人賠償保険では被害者の方の治療が終了した段階で、ケガの程度、治療内容などをもとに決めることになります。

出典:みんなの生命保険アドバイザー
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世界大百科事典 第2版

いしゃりょう【慰謝料 Schmerzensgeld[ドイツ]】
精神的損害に対する損害賠償金。慰藉料とも書く。精神的損害とは,所有物の破損等の財産的損害に対する概念であって,肉体的苦痛,悲嘆,恥辱等の精神的苦痛をいう。不法行為の領域においては,身体侵害,自由・名誉侵害等に限らず,不法行為全般に関して精神的損害があれば,これに対する慰謝料が広く認められている(民法710条)。しかし,所有権その他の財産権の侵害にあっては,原則として精神的損害は発生しないか,あるいは,たとえそれが発生したとしても財産上の損害さえ損害賠償金によってカバーされさえすれば十分であると考えられており,慰謝料は原則として認められない。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

慰謝料
いしゃりょう

苦痛や悲しみなど精神的損害に対する賠償をいう。ヨーロッパでは近世になってから、人を傷つけた場合などに、加害者に対して刑事責任(刑罰)を追及するほかに、民事責任(損害賠償)をも課するようになった。19世紀になって、人格ないし人格権という考えが広がるにつれて、それを侵された場合に慰謝料が認められる範囲も広がってきた。日本でも民法(710条・711条)に規定されている。

[高橋康之]

慰謝料の意義

精神的損害は本来、金銭では評価できないものであるが、民法は原則として金銭で賠償させることにしている。一方、この慰謝料について、これを損害賠償ではなく、被害者から加害者に対して加えられる私的な制裁であるとする考え方があり、他方、これは一種の復讐(ふくしゅう)であるし、人の精神的価値は金銭に評価できないものであるから、認めるべきではないという考え方もある。しかし、今日では、硬直になりがちな法律上の処理に具体的妥当性を付与するものとして、また精神的損害も金銭で賠償されることによって癒(いや)されるものであって、慰謝料もまた普通の損害賠償と同じく、損害の填補(てんぽ)を目的とするものであるとする考え方が有力である。

[高橋康之]

慰謝料の請求

民法では、身体、自由、名誉を侵された場合に慰謝料を請求できる(710条)と規定しているが、現在ではこのほかにも広く、生命、貞操、氏名、肖像、さらには平穏な市民生活や私生活を侵された場合にも慰謝料の請求を認めている。典型的な例としては、交通事故などでけがをしたり死亡した場合の慰謝料であろう。この場合、入院費用、葬式費用のほか、その人が働けなくなったための損害などは、財産的損害であって慰謝料とは別に請求できる。そのほか、判例によって認められたものとしては、不法に拘禁された場合、村八分(むらはちぶ)にされた場合、犯人でないのに誤って告訴された場合、医師が看護婦見習の意思に反し貞操を奪った場合、妻が夫に性病を移された場合などがある。夫婦の一方の有責な行為(たとえば、夫の私通や放蕩(ほうとう)など)で離婚せざるをえなくなったような場合には、もう一方は慰謝料を請求できるが、実際上は財産分与の算定の一資料とされて、そのなかに含められることが多い。内縁の不当破棄の場合にも慰謝料を請求できることは古くから判例によって認められている。また、騒音や日照妨害などが一定限度を超える場合に慰謝料請求を認める判例も多い。以上のように人格的利益を侵された場合のほか、財産的利益を侵された場合でも、精神的損害が生ずれば慰謝料を請求できる。先祖伝来のとくに愛着を感じていた土地を詐取された場合に、土地の価格以外に慰謝料が認められた例がある。

 以上は不法行為による場合であるが、このほか債務不履行の場合、たとえば運転士の過失により鉄道事故が起こり、乗客が死亡したような場合にも、慰謝料の請求が認められる。

[高橋康之]

慰謝料を請求できる者

(1)被害者がけがをした場合には、けがをした直接の被害者が慰謝料を請求できるのはもちろんである。けがをした被害者の近親者については、以前は請求できないとされていたが、現在は、娘の容貌(ようぼう)がひどく傷つけられたような場合に、娘自身とは別に、母親も慰謝料が請求できるとされている。

(2)被害者が死んだ場合に、被害者の父母、配偶者および子が慰謝料をとれることは明文化されている(民法711条)が、それ以外の者(内縁の妻、祖父母、孫、兄弟姉妹など)が慰謝料をとれるかどうかが問題とされている(もっとも、これらの者も被害者の死亡によって財産的な損害を被れば、その賠償を請求できる)。以上は被害者の死亡によって遺族自身が被る精神的損害の賠償であるが、これと関連して、被害者が死亡した場合に、被害者自身の慰謝料請求権が相続人に相続されるかどうかという問題がある。判例はかつて、被害者がすこしでも慰謝料を請求する意思を表示したとき(病床で「残念残念」と叫びながら死亡した「残念事件」として知られる)は、被害者に慰謝料請求権が発生しそれが相続人に相続されるが、そうでない場合には慰謝料請求権は相続されないとされてきた。しかし、その後、そのような意思表示をしなくても慰謝料請求権は当然、相続人に相続される(1967年最高裁判決)というように考え方が改められた。

[高橋康之]

慰謝料額の算定

慰謝料は精神的なもので、具体的には目に見えない損害に対する賠償であるから、その算定には財産的損害の場合のような明確な基準がなく、裁判官が種々の事情を考慮に入れて決めるべきものとされている。算定にあたっては、被害者や加害者の社会的地位、職業、資産、加害者の動機や過失の大小などが考慮されるが、具体的な賠償額は、結局、裁判官の裁量に任せられることになる。

[高橋康之]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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知恵蔵

慰謝料
財産分与」のページをご覧ください

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

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