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戦闘機【せんとうき】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

戦闘機
せんとうき
fighter plane
敵の航空機を攻撃して制空権を獲得することを任務とし,それに適合するように設計された軍用機。初めて登場したのは第1次世界大戦で,偵察機を改良したものであった。速力や上昇力に優れ,軽快な操縦性をもち,機関銃を武器とする単座機を主としたが,複座機もあった。ドイツのフォッカーD-7は,時速 215km以上に達していた。第2次世界大戦中に戦闘機の最高時速は 700km以上,上昇限度は1万 2000mに達した。当時の有名な戦闘機には,イギリスのスーパーマリーン・スピットファイア,ドイツのメッサーシュミット 109フォッケ=ウルフ Fw190,アメリカ合衆国のノースアメリカンP-51ムスタンググラマンF-6Fヘルキャット,ソビエト連邦のヤク YAK-9,日本の零式艦上戦闘機などがある。大戦末期にはジェット機の開発も進み,ドイツのメッサーシュミット Me262戦闘機が実戦に投入された。朝鮮戦争では,アメリカのノースアメリカンF-86セイバー,ソ連のミグ MiG-15などが登場し,ベトナム戦争では,アメリカのマクドネル・ダグラスF-4ファントムやゼネラル・ダイナミックスF-111アードバーク,中東戦争ではソ連のミグ MiG-21,フランスのミラージュ III (→ミラージュ戦闘機 ) ,アメリカのF-4などが使われた。戦闘機はさらに技術の進歩に伴って専門化し,局地戦闘機,侵攻戦闘機,全天候 (夜間) 戦闘機などの別が生じたが,現在は重 (全天候) 戦闘機と軽戦闘機,VTOL戦闘機 (→垂直離着陸機 ) ,艦上戦闘機に分かれている。またジェット化により,搭載量が増加し,ほとんどの戦闘機は戦術核兵器を含む攻撃兵器を搭載して戦闘爆撃機の任務を行なうことができる。 VTOL戦闘機では,イギリスのBAEハリアーがフォークランド戦争で活躍した。また湾岸戦争ではアメリカのステルス戦闘機ロッキードF-117Aナイトホークが,レーダにとらえられにくい特性を利用して,イラクのバグダード攻撃を行なった。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

せんとう‐き【戦闘機】
ミサイル・火砲などを備えた高速の小型軍用機。敵機への攻撃、味方の大型機の護衛、空中哨戒(しょうかい)、地上戦闘支援などの任務を遂行する。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

せんとうき【戦闘機 fighter】
敵の飛行機を撃墜することをおもな目的とする,比較的小型,高速で,運動性のよい軍用機。地上および海上の目標を攻撃する能力をあわせ持つ機種が多い。
[分類]
 戦闘機はほぼ以下のように分類される。(1)要撃戦闘機fighter interceptor 自国領域に侵入してくる敵機を迎え撃つことを目的とする戦闘機。上昇性能,速度,武装が重視される。局地戦闘機,防空戦闘機もほぼ同じものである。(2)戦闘爆撃機fighter bomber 地上および海上の目標を攻撃することを目的とする戦闘機。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

せんとうき【戦闘機】
敵機を攻撃したり、味方航空機の護衛あるいは地上戦闘の支援に用いる小型の軍用飛行機。速力と上昇力に富む。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

戦闘機
せんとうき
fightercombat plane
敵の航空機と空中で戦い、撃墜するのを目的とする軍用機。第二次世界大戦以降は対地攻撃任務を兼ねるものが多くなり、対地攻撃を主として、空戦能力は敵戦闘機に襲われたときに自らを守る程度にとどめた戦闘機もある。[藤田勝啓]

戦闘機の種類

現代の戦闘機を用途と性格によって大別すると、迎撃機、制空戦闘機、戦闘爆撃機の三つになる。迎撃機(防空戦闘機ともいい、航空自衛隊は昔の邀撃(ようげき)機という呼び方に音をあわせ要撃機とよんでいる)は、来襲する敵機(主として爆撃機)を迎え撃つための戦闘機で、速度、上昇力を重視し、レーダーと空対空ミサイルにより全天候戦闘能力を備えたものが多い。戦域の制空権確保を目ざす制空戦闘機は、敵の戦闘機と空戦を行うために軽快な運動性や優れた加速性能を追求し、ミサイルのほかに接近戦用の機関砲を装備するのが一般的である。空戦能力よりも対地攻撃に重点を置く戦闘爆撃機は、兵器搭載量が大きく、低空飛行性能や航続力に意を払った設計になっている。
 しかし、これらの間に厳密な区分があるわけではなく、純粋な迎撃機のなかには対地攻撃能力をまったくもたないものが多かったが、そのほかの戦闘機は必要に応じて制空戦闘にも対地攻撃にも、また迎撃にも使えた。たとえば、アメリカ空軍が主力戦闘機として1970年代なかばから部隊配備しているF-15イーグルは、空戦能力を徹底的に追求した制空戦闘機として知られているが、対地攻撃能力も大きく、アメリカ本土の防空用にも使われている。また、空戦と対地攻撃の能力を両立させようという戦闘機も存在し、戦術戦闘機とよばれているが、これを広い意味で用いれば、一部の防空専用機を除いて、すべての戦闘機がこの範疇(はんちゅう)に入る。現在では戦闘爆撃機と攻撃機の侵攻能力が増したので、防空戦闘機といえども軽快な空戦能力が求められるようになり、昔のように爆撃機を主目標とする迎撃機は影が薄くなっている。また、戦闘機の価格が非常に高くなり、多種の戦闘機をそろえるのがむずかしくなったこともあるので、今では防空専用機はほとんど姿を消し、今後は広い意味で戦術戦闘機だけが使われることになろう。[藤田勝啓]

戦闘機のスピード

戦闘機の歴史を振り返ると、まず気づくのがスピードの目覚ましい進歩である。戦闘機という機種は他の軍用機の多くと同様に第一次世界大戦中に誕生したが、この第一次世界大戦時の戦闘機は複葉機がほとんどで、装備エンジンは100~200馬力、最大速度は150~200キロメートル/時にすぎなかった。構造は木材あるいは鋼管を使った骨組に布を張ったものがほとんどである。これが第二次世界大戦の始まるころには、アルミ合金を主とする全金属製構造を用い、脚を引込み式にしたスマートな単葉機が主力となり、1000馬力前後のエンジンをつけて500~550キロメートル/時の高速を出すようになっていた。大戦末期には700キロメートル/時のプロペラ式戦闘機も登場したが、ドイツとイギリスが先陣をきったジェットエンジンの実用化により、速度は飛躍的に向上した。朝鮮戦争では最大速度が1000キロメートル/時に達するジェット戦闘機どうしが戦い、その後まもなく超音速戦闘機が実用になり、1960年代にはマッハ2級戦闘機が広く使われるようになったことをみれば、その進歩の速さがうなずけよう。
 しかし、戦闘機の最大速度はその後さほど伸びず、現用機はだいたいマッハ1.8~2.5にとどまっている。それ以上の高速化が技術的に不可能なわけではなく、事実1960年代初めにアメリカではマッハ3を超えるロッキードYF-12が試作され、続いて旧ソ連でもマッハ3級のミグ25を完成させた。だが、マッハ3前後の速度になると空気摩擦による機体表面の温度上昇が著しく、従来のアルミ合金では耐えられないため、高価で加工に手間のかかるチタン合金や重量のかさむスチールを用いなければならない。そして機体は大型・高価になり、また戦闘機どうしの空戦においては、最大速度が大きいだけでは勝てないので、無理をしてまでマッハ3のような高速性能を求めないのである。自動車がカーブではスピードを落とさないと曲がりきれないように、マッハ2級の戦闘機といえども、空戦で機動する際はマッハ1.5~0.8程度の速度になり、もっと低い速度を使うことも珍しくない。そこで現在の戦闘機はこうした速度域における運動性や加速性に重点を置いた設計になっており、最大速度をマッハ2.5あたりまで高めうる余地がありながらも、簡易・軽量化のためマッハ2にとどめている戦闘機さえある。旧ソ連およびロシアだけがマッハ3級のミグ25を使ったのは、冷戦時代にアメリカの爆撃機やマッハ3級偵察機に対する迎撃を考えていたためで、他の戦闘機に比べると生産数はごく少ない。[藤田勝啓]

現代の戦闘機

現代の戦闘機が第二次世界大戦時のものと大きく異なるのは、飛行性能の面だけではなく、レーダーなどの電子装置を備え、ミサイルを主兵器としていることである。レーダーは第二次世界大戦後半から爆撃機の夜間迎撃用戦闘機に積まれ始めたが、現在はコンピュータにより情報処理を行い、単に遠方から敵を発見するだけではなく、兵器の発射に最適な位置とタイミングまで指示するようになっており、戦闘機の戦闘力を決定づける大きな要素として考えられている。そのほか、爆撃照準システム、航法システム、敵味方識別システム、敵の電子装備に対する妨害システム、電子妨害に対する防御システムなど、戦闘力に関係する電子装置は多く、その充実が図られているが、装備品が増えると高価になるうえ、故障をおこす率も増加するので、全天候能力などを犠牲にし、可動率の高い機体を多数そろえようという考え方も存在する。
 空対空ミサイルは1950年代から実用化され、戦闘機の主武装となったが、接近した格闘戦に備えて機関砲も標準装備兵器として使われ続けている。一時期はミサイル万能と考えられたこともあったが、爆撃機のような鈍重な相手ならともかく、機敏に動く戦闘機に対してはまだ命中率が低く(ベトナム戦争時には10%程度)、機関砲の必要性がふたたび認識されたのである。しかし、戦闘機が携行するミサイルの射程と追尾能力が空戦の局面を決定することは間違いなく、能力と精度向上が続けられている。対地攻撃用には、やはりミサイルも用いられるが、破壊力の大きな通常爆弾とそれに誘導装置を加えた誘導爆弾、ロケット弾、広域散布爆弾、火炎爆弾、機関砲など多様な兵器が目標に応じて選択され、核爆弾の携行能力をもつ戦闘機もある。また、レーダーに探知されにくいステルス技術を応用した戦闘機なども実用化されている。[藤田勝啓]
『『世界の偉大な戦闘機』全8巻(1983・河出書房新社) ▽マイク・スピック著、藤田勝啓訳『イラストレイテッド・ガイド10 現代の航空戦(戦闘機編)』(1989・ホビージャパン) ▽ワールド・エアパワー・ジャーナル著、エアクラフト研究会訳、松崎豊一監訳『最新戦闘機図鑑』(1998・ソフトバンク) ▽三野正洋・深川孝行著『戦闘機対戦闘機』『現代兵器事典』(1998・朝日ソノラマ) ▽阿施光南著『最強戦闘機伝説!――戦闘機の誕生から最後まで』(2000・山海堂) ▽野原茂編『写真集 日本の戦闘機』『写真集 ドイツの戦闘機』(2000)、『写真集 アメリカの戦闘機』(2001・以上光人社) ▽日本兵器研究会編『世界の戦闘機・攻撃機カタログ』(2002・アリアドネ企画) ▽青木謙知著『戦闘機年鑑』各年版(イカロス出版)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

せんとう‐き【戦闘機】
〘名〙 軍用機の一種。敵機・敵艦への攻撃、味方の爆撃機、輸送機などの護衛、地上戦闘の援護および対地攻撃などの任務にあたる、比較的小型で高速の機種。
※イタリアの歌(1936)〈川端康成〉「戦闘機に同乗し」

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