●托卵【たくらん】
知恵蔵
托卵
(垂水雄二 科学ジャーナリスト / 2007年)
出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
デジタル大辞泉
たく‐らん【×托卵】
出典:小学館
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世界大百科事典 第2版
たくらん【托卵 brood parasitism】
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
托卵
たくらん
brood parasitism; nest parasitism
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)
托卵
たくらん
鳥類が繁殖に際し、営巣、抱卵、雛(ひな)の世話を自分で行わずに、ほかの鳥(仮親)に任せる習性をいう。托卵鳥は、日本にはホトトギス科のホトトギス、カッコウ、ツツドリ、ジュウイチの4種が繁殖している。このような習性をもつ鳥類は、世界ではホトトギス科、ムクドリモドキ科、ミツオシエ科、ハタオリドリ科、カモ科の約80種であり、現生の鳥類全体で約1%にすぎない。托卵習性がこのようにいくつもの科にまたがることは、この習性が独立に何回も生じたことを示唆しているが、托卵習性の起源と進化についてはまだ完全にはわかっていない。
ホトトギス類の卵は、仮親の卵に色や模様がよく似ている。たとえば、ホトトギスは仮親であるウグイスと似たチョコレート色の卵を産み、ジュウイチは仮親のコルリと似た青色を帯びた卵を産む。さらに、数種類の仮親に托卵するカッコウやツツドリでは、同じ種でも仮親の違いに応じて異なる色の卵を産む系統があることが知られており、ホトトギスのいない北海道では、ツツドリがウグイスの巣にチョコレート色の卵を産み込むことが1984年(昭和59)発見された。
托卵鳥は、仮親の留守を見計らい、その巣から卵を1個または数個くわえ出し、数秒の間に自分の卵を1個産み込む。その卵は普通、仮親の卵より先に孵化(ふか)し、かえった雛は背中のくぼみに仮親の卵や雛をのせて巣外へほうり出す。ミツオシエの雛は、鉤(かぎ)状の嘴(くちばし)で仮親の雛を殺してしまい、巣を独占した雛は仮親から給餌(きゅうじ)を受けて大きくなる。しかし、なかにはアメリカジカッコウのように、仮親の雛と巣内でいっしょに育つものもある。
[山岸 哲]
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典
たく‐らん【托卵】
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