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抑止【ヨクシ】

デジタル大辞泉

よく‐し【抑止】
[名](スル)おさえつけて活動などをやめさせること。「地価の高騰を抑止する」「核の抑止力」

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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世界大百科事典 第2版

よくし【抑止 deterrence】
国家間の軍事的関係において,相手方から危害攻撃を受けるおそれのあるとき,相手のそのような行為に対して報復の形で相手により大きな損害を与えうることを黙示的あるいは明示的にわからせて,その行為を思いとどまらせることを予期する戦略をいう。このような止の戦略は,ソ連原爆実験に成功(1949)してアメリカの独占が終わり,核弾頭の運搬手段であるICBMの開発を含めて米ソ間で核兵器競争が激化した1950年代に入って生まれたものであり,以後の核戦略理論は,すべてこの抑止の思想を中心として展開されている。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

よくし【抑止】
スル
抑えとどめること。また、ある行動を思いとどまらせること。 核の-力

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

抑止
よくし
deterrence
抑止とは、一般に自らの力を行使するとみせて他者を威嚇し、他者に一定の行動を抑えとどまらせることを意味する。処罰や制裁という脅しによって他者の行動に影響を与えるという点にかんがみれば、権力行使の一変種であるといえる。この抑止概念は、おもに冷戦時代の米ソ間の核戦略上でみられた現象であり、自らの核兵器を可能な限り拡大・増強することで報復攻撃能力を高め、相手側の先制攻撃を踏みとどまらせるものであった。それゆえに、米ソ両国の間では相互核抑止mutual nuclear deterrenceのシステムが存在し、相互に核の使用を抑止するという関係ができあがっていた。つまりそれは相手側の攻撃におびえるがあまり、相手以上の核を保有することになり、「恐怖の均衡」ともいえるものであった。その恐怖の均衡の呪縛(じゅばく)から解放されない以上、核兵器増強は必然であり、相手側の国民を何度も殺せるほどの過剰殺戮(さつりく)能力を保有しあう結果になった。そうした能力の保有は逆説的にいっそう米ソ間に核戦争の発生を絶対的に防止する要請を生じさせ、米ソ核戦争防止のための危機管理装置の制度化を模索させたのである。
 結果的に両国間の抑止メカニズムは核戦争が発生しなかったという意味で効果を発揮したといえるが、その場合に重要なのは、両者がともに損得といった合理的な計算を行いうる状態にあるということである。仮に自らの攻撃が自らの壊滅につながることも「是(ぜ)」とする思考であれば、抑止のメカニズムは作動しない。抑止には合理的な計算を行いうる対称的な勢力の関係が必要である。ベトナム戦争においてアメリカの威嚇や制裁を無視してベトナム解放勢力が戦い、勝利を収めたように、非対称的な関係においては抑止が作動する可能性は乏しくなってくる。その意味からすれば、アメリカのたび重なる威嚇に対する、イスラム原理主義過激派の対米攻撃の継続、そしてイラクのサダム・フセイン体制時にみられた強硬姿勢の堅持、北朝鮮の金正日(きんしょうにち/キムジョンイル)体制による核開発再開を通じての対米挑戦姿勢などは、非対称性による抑止機能の不全を示す事例といえる。したがって、アメリカが21世紀安全保障戦略の一環とするミサイル防衛構想は抑止概念が背景に存在しているといえるが、アメリカとは非対称的な敵対勢力に関する実効性は乏しいといわざるをえない。[青木一能]
『日本国際政治学会編・刊『転換期の核抑止と軍備管理』(1989) ▽佐藤誠三郎編『東西関係の戦略論的分析』(1990・日本国際問題研究所) ▽ロバート・D・グリーン著、梅林宏道・阿部純子訳『検証「核抑止論」――現代の「裸の王様」』(2000・高文研) ▽吉田文彦著『証言・核抑止の世紀――科学と政治はこう動いた』(2000・朝日新聞社) ▽金田秀昭著『弾道ミサイル防衛入門――新たな核抑止戦略とわが国のBMD』(2003・かや書房)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

よく‐し【抑止】
〘名〙 抑制してやめさせること。
※東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉初「此の怒気を抑止(〈注〉オサユル)するは則ち君子の行ひ也」 〔揚雄‐長楊賦〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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