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抗弁【こうべん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

抗弁
こうべん
Einrede
民事訴訟において,原告がその請求を基礎づける権利の発生要件事実を主張するのに対し,被告が単にその存在を否定するにとどまらず (否認) ,積極的に権利の発生障害事由 (たとえば契約が要素の錯誤に基づいて無効である) あるいは消滅原因事由 (債権がすでに消滅時効にかかっている) を主張すること。抗弁については,それを主張する被告が主張責任,挙証責任 (→立証責任 ) を負う。被告の抗弁に対して原告は,さらに再抗弁を提出することができる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

こう‐べん〔カウ‐〕【抗弁/抗×辯】
[名](スル)
相手の主張に対して、自己の立場を堅持して反論すること。「激しく―する」
民事訴訟で、被告相手方の申し立てや主張を排斥するために、別個の事項を主張すること。
債務者が、相手方の請求権行使を拒否し、その延期を要求すること。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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世界大百科事典 第2版

こうべん【抗弁】
民事訴訟法における攻撃防御方法の一つ。民事裁判において,相手方の申立てまたは主張を排斥するためには,相手方の申立てまたは主張を単に否定することにとどまらないで積極的に相手方に対抗しうる別個な事項をもち出すことがある。この防御方法を抗弁という。抗弁には,いわゆる訴訟上の抗弁と実体法上の抗弁がある。前者は相手方の申立てが不適法であることを理由に争う防御方法である。訴訟要件が欠けていることを理由に訴えそのものの却下を求める抗弁(本案前の抗弁または妨訴抗弁)と,証拠能力がない証拠であることなどを理由として,その証拠調べの申立てを却下すべきことを求める抗弁(証拠抗弁)とがある。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

抗弁
こうべん

民事訴訟法上の防御方法の一種で、相手方の主張を単に否認するのではなく、相手方の主張の排除を求めて相手方の主張するのとは別個の事項を主張することをいう。ある事実を主張して相手方の主張を否定するときに、それが否認にあたるか抗弁に該当するかは、その事実についての証明責任が原告・被告のいずれにあるかによって決まる。被告が証明責任を負う事実を陳述するのが抗弁である。

 抗弁には、訴訟上の抗弁(訴訟要件欠缺(けんけつ)の抗弁、証拠抗弁)と実体法上の抗弁(弁済、同時履行、相殺(そうさい)の抗弁など)がある。抗弁に対しては原告側から再抗弁(たとえば、消滅時効の抗弁に対する時効中断の再抗弁)が、さらにこれに対し被告側から再々抗弁などがなされうる。抗弁は防御方法であるから、裁判所がこれについて判断しても既判力は生じないが、相殺の抗弁の判断については既判力が生じる(民事訴訟法114条2項)。

[本間義信]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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