@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

抽象【ちゅうしょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

抽象
ちゅうしょう
abstraction
経験されたもののなかのある特性に注目してこれを取出し,ほかを捨てること。同じ語が捨てられる特性についていわれるとき捨象と訳される。スコラ哲学は抽象を重視具体的な個物よりその類や種を引出すこと,質料より形相を切り離すことを抽象と考えた。ここで2つの操作を区別しなくてはならない。一つは一個の対象の本質などをとらえること,もう一つは一般者をとらえることで,後者にあっては一群の存在者の共通要素を帰納的に比較考量することが必要である。また意図的な論理的操作としての抽象のほかに,非意志的な抽象があり,E.スーリオ感情抽象作用を認めた。抽象的とは具体的の対概念で,純粋に思惟的なもの,非直観的なものをいい,必ずしも抽象作用の結果とはかぎらない。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

ちゅう‐しょう〔チウシヤウ〕【抽象】
[名](スル)事物または表象からある要素・側面・性質をぬきだして把握すること。⇔具象具体。→捨象
「この統計からは単にそういうようなことを―して」〈梶井・のんきな患者〉

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

ちゅうしょう【抽象 abstraction】
所与としての実在の世界においては分離されておらず,また場合によっては分離することが不可能な諸特性をことさらに分離して,それだけを思考の対象とする知性の働きをいう。具体に対する。みずからをかこむ環境世界の中からある一群の特性を捨象して,残りの特性を選別するという働きは,広い意味でいえば,最下等なものを含めた生物一般に,生存のための不可欠の能力として見られるものであり,そのかぎりでは人間に特有なものではないが,とりわけ高度に発達した分節言語を持つ人間においては,抽象の能力は他の動物とは比較にならないほど精緻かつ複雑なものになっている。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

ちゅうしょう【抽象】
スル abstraction
事物や表象を、ある性質・共通性・本質に着目し、それを抽き出して把握すること。その際、他の不要な性質を排除する作用=捨象をも伴うので、抽象と捨象とは同一作用の二側面を形づくる。 ⇔ 具象ぐしよう具体 意味或は判断の中に現はれたる者は原経験より-せられたるその一部であつて/善の研究 幾多郎 哲学字彙(1881年)に英語 abstract の訳語の一つとして載る捨象

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

抽象
ちゅうしょう
abstract
与えられた対象全体から、特定の性質や共通の徴表を分離し、抜き出す精神作用をいう。たとえば、人間全体から顔だけを表象として分離することは対象と同次元上の切断で、本来の抽象とはいえない。赤いネクタイから「赤さ」か「形」だけを抽出すること、また、ポスト、熟したトマトなどから共通の赤さを選び、赤、青、黄から「色」を抜き出すことは抽象である。抽象は不要な契機を捨てる捨象を反面に伴っている。抽象には普遍性、一般性の度合いがあり、高度の抽象は言語作用と密接に関係して、普遍名辞や命題の形成、類型化、理論構成に前提され、日常的、学問的活動に不可欠な作用である。形容詞の「抽象的」は「具体的」の対概念として使われる。ただし、たとえば自然数の「1」は1本の鉛筆、一匹の犬などよりは抽象的だが、「自然数」や「数」全体の概念などに比べれば具体的であるように、抽象性、具体性は基準のとり方で異なる。[杖下隆英]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

ちゅう‐しょう チウシャウ【抽象】
〘名〙 (abstract の訳語) ある認識の仕方をするために、いろいろな表象や概念から特定の性質や状態だけを抜き出すこと。また、そのぬき出したものを思考の対象にする精神作用。⇔具象。〔哲学字彙(1881)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

抽象」の用語解説はコトバンクが提供しています。

抽象の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation