●担体【たんたい】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
担体
たんたい
carrier
(2) それ自身は触媒作用をもたず,触媒の支持物あるいは希釈物となる物質をいう。特に不均一系触媒反応において,触媒の有効表面積を大きくして活性を増大し,被毒作用に対する抵抗を増し,反応熱による局部加熱を防止するなどの機能をもつ。多孔性物質,ケイ藻土,軽石,アルミナなどが用いられる。
(3) 分配型クロマトグラフィーにおいて,固定相液体を保持するための多孔性物質。それ自身は活性のないことが望ましく,ガスクロマトグラフィーではセライト,ケイ藻土などが,液体クロマトグラフィーではシリカゲル,粉末セルロース,ある種のフッ素樹脂などが用いられる。
(4) 物質中で電流を運ぶ役割をになう荷電粒子。電子が主であるが,イオンなども担体となりうる。半導体では多数担体と少数担体があるが,電子または正孔が担体である。半導体の担体はホール効果によって知ることができる。 (→キャリア )
(5) 共沈法において,共沈用沈殿物として添加する物質。
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デジタル大辞泉
たん‐たい【担体】
2 化学で、ごく微量のものを取り扱う場合に、それを付加させるための多量の物質。微量の放射性同位体を分離する際に加える安定同位体、少量の触媒の活性を大きくするために用いる支持体・希釈剤など。
3 生物体で、種々の物質と結合し輸送する物質。たんぱく質であることが多い。
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栄養・生化学辞典
担体
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世界大百科事典 第2版
たんたい【担体 carrier】
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精選版 日本国語大辞典
たん‐たい【担体】
出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版
担体
タンタイ
carrier
【Ⅰ】触媒体を支持し,あるいは分散させる物質.それ自身は触媒作用をもたないものが多く,その効果は,触媒作用を示す物質を広く分散露出させて有効表面積を大きくし,活性を増加させるとともに,毒作用に対する抵抗力を大きくする.また,反応によって発生する熱の分散をはかって半融を防ぎ,表面の活性構造を安定化するはたらきも考えられる.担体としては大きい表面積をもち,熱的かつ化学的に安定なものが望ましく,けいそう土,軽石,シリカゲル,アルミナ,活性炭などが代表的である.触媒体を担体上に分散させるには,触媒物質を含む溶液に担体を浸漬し蒸発させるか,または共沈によって担体との均質な混合物とすることが行われる.担体によっては助触媒として,反応の促進作用を示すものや,白金を分散した活性炭のように,金属上で解離した水素を保持するもの(spill over)があり,さらに独立の触媒作用を示す物質を担体に利用し,二元機能触媒とすることも行われている.【Ⅱ】[同義異語]キャリヤーの【Ⅱ】,【Ⅲ】
出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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