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搾取【サクシュ】

デジタル大辞泉

さく‐しゅ【搾取】
[名](スル)
乳などをしぼりとること。
階級社会で、生産手段の所有者が生産手段を持たない直接生産者を必要労働時間以上に働かせ、そこから発生する剰余労働の生産物を無償得すること。→剰余価値

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

さくしゅ【搾取】

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

さくしゅ【搾取】
スル
階級社会において、生産手段の所有者が生産手段をもたない直接生産者から、その労働の成果を無償で取得すること。資本主義社会では、資本家が労働者から剰余価値を取得する形で表れる。マルクス経済学の基本概念の一。 → 剰余価値
動物の乳や草木の汁などをしぼりとること。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

搾取
さくしゅ
exploitation英語
Ausbeutungドイツ語
一般的には雇い主等が労働者等を低賃金で使用し、不当な利益をり取るなどの行為をさすが、搾取を階級社会の基本的な経済関係を意味するものとして厳密に分析し、いっさいの不労所得発生の源泉と規定し、経済学上の一大概念としたのは、K・マルクスである。すなわち、階級社会においては、基本的な生産手段を所有する支配階級が、非所有の直接生産者を、その生活の維持に必要な労働以上に働かせ、そこから発生する剰余労働の生産物を、その生産に要した諸費用の増加分、つまり剰余価値(物)として領有する。搾取とは、この剰余価値(物)の創出と取得の方法をいう。
 搾取が行われるためには、第一に、基本的な生産手段の所有者と非所有者という階級関係が存在していること、第二に、直接生産者の生産諸力が、自分とその家族の生活維持に要する以上の生産物を生産できるほどに高まっていること、が前提となる。したがって、生産諸力が低く、階級関係もみられなかった原始共同体社会や、生産手段の階級的所有と階級対立が廃絶される共産主義社会では、搾取関係は存在しないとされる。
 マルクス経済学では、搾取の形態を次の三つに大別する。すなわち、(1)奴隷制社会での奴隷所有者による奴隷の全人格的支配をてことする全労働生産物の領有という粗暴な搾取形態、(2)封建制社会での封建領主による農奴に対する武力や土地占取といった経済外的強制を媒介とした年貢や賦役、諸課税の賦課などの封建的搾取、(3)そして資本制社会での資本所有者による賃金労働者の剰余労働の資本利潤としての取得という賃労働搾取、の三つである。とくに商品経済を基盤とする資本制社会は、普遍的な生産手段たる資本を集中所有する資本家階級と、自己の労働力以外になんらの生産=生活手段をもたない賃金労働者階級との階級対立関係にあり、賃金労働者は労働力市場で、たとえその労働力の価値に等しい賃金を受け取るとしても、実際の労働によって生産される価値は、賃金以上の剰余生産物すなわち剰余価値を含んでいる。資本家は、この剰余価値を、支出した資本価値の増殖分つまり資本利潤として取得し、またこの剰余価値は、企業者利得、商業利潤、利子、地代などいっさいの資本制的不労所得の源泉となる。
 ところで、賃金に等しい必要労働と剰余労働との割合を搾取率とよぶが、他の条件を一定とすると、絶対労働時間の短縮や賃金水準の上昇は搾取率を小さくする。ここに資本制社会下での労働諸法制や労働組合運動などの果たす基本的な意義がある。[吉家清次]
『富塚良三他編『資本論体系』全10巻(1984~2001・有斐閣) ▽K・マルクス著『賃労働と資本』(長谷部文雄訳・岩波文庫/村田陽一訳・大月書店・国民文庫) ▽K・マルクス著『資本論』(向坂逸郎訳・岩波文庫/岡崎次郎訳・大月書店・国民文庫)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

さく‐しゅ【搾取】
〘名〙
① 乳、草木の汁などをしぼりとること。
※植学啓原(1833)三「搾取其汁、濾過極清澄
② (exploitation の訳語) 階級社会で、生産手段の所有者が直接生産者をその生活維持に必要な労働時間以上に働かせ、その労働生産物や成果を剰余価値として取得すること。転じて、一般的に、乏しいものを無理にとること。
※聞け万国の労働者(1922)〈大場勇〉「永き搾取に悩みたる 無産の民よけっきせよ」
[語誌](1)「搾(しぼ)り取(と)る」を音読して生じた和製漢語と考えられる。①の挙例の「植学啓原」に見られるような文字通りの具体的な動作を表わす用法は、あまり一般的ではなかったらしく、明治から昭和初期にかけての主要な国語辞書(「日本大辞書」「大日本国語辞典」「大言海」など)に採録されていない。
(2)②の exploitation の訳語としては、「共産党宣言」の明治三七年(一九〇四)訳では、「駆使」「虐使」が当てられていたが、大正十年(一九二一)の堺利彦訳から「搾取」が用いられ、以後労働運動の文献やプロレタリア文学の作品などで多用されるようになり、一般化した。

出典:精選版 日本国語大辞典
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