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政治体系【せいじたいけい】

世界大百科事典 第2版

せいじたいけい【政治体系 political system】
政治現象ないし政治生活を一つのまとまりをもった行動体系としてとらえる理論モデル。相互に関連をもつ諸要素によって構成される。生物学工学領域で発展した一般システム論政治に応用して構成された知的構築物で,現実にそのまま存在するものではない。政治体系は,社会全体を一つのトータル・システムとみれば,経済や文化等と並ぶ一つのサブ(下位)システムであり,特有の構造と機能をもっているとされる。システム論を最初政治学に導入したのはアメリカの政治学者D.イーストンである。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

政治体系
せいじたいけい
political system

国家やガバメント(政府)等の政治生活の組織体を表す従来の概念は、政治的発展段階を異にする世界のすべての国の政治現象を経験的に研究するには適切ではなく、それにかわるものとして、1953年にD・イーストンによって提起された概念。それは、その後急速に普及し、現代政治学の中心的概念の一つとなった。もともと、political systemは、日本語では「政治体制」と訳され、またpolitical regimeと同義に用いられていた。ところが、イーストンによって同語はシステム論に基づく経験的・分析的概念として狭義に解釈され、日本語でもこの狭義の意味を表すことばとして「政治体系」ないし「政治システム」の訳語があてられた。

 従来の国家概念と比べて政治体系概念は、政治研究において次の二つの利点を有するものと考えられている。〔1〕発展段階を異にする政治社会に共通する最小限度の特徴を抽出して、それをもって理念型としての政治体系という政治生活の組織体のモデルを設定し、それを規準にして各国の政治現象を経験的に比較研究することが可能になった点である。〔2〕それ以前に社会学ですでに開発されていたパーソンズの社会体系論を援用して、政治体系をトータルシステムとしての社会体系の下位体系として位置づけ、それが他の文化や経済などの下位体系との相互作用や、環境との交流のなかでその独自性を維持するために、どのような活動を行っているのかを経験的に分析することができる点である。たとえば、イーストンは、政治体系を社会に対する価値の権威的配分にかかわる行為構造と規定したうえで、サイバネティックス論を導入して、政治体系の中核に、環境からの入力inputを出力outputに変換させて環境から提起される問題解決にあたる決定中心を置き、さらにそれが出力の効果を見届けて再入力を行うことができるように環境からの圧力を解消したかどうかを絶えず確認できるフィードバック装置を備えているものとして理論構成した。彼は入力として要求と支持を、出力として決定と政策をあげているが、この両者の内容に関しては政治体系論者のなかに合意はない。

 政治体系論は、一国の政治の安定度やその問題解決能力を予測する基礎として体系の変換能力を重視しており、その限りでは現代の危機管理を目ざす介入国家像の理論的反映とみられる。その点でその保守性が批判されているが、その比較政治学の分析用具としての有効性は評価してもよかろう。

[安 世舟]

『D・イーストン著、山川雄巳訳『政治体系』(1976・ぺりかん社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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