●散切物【ざんぎりもの】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
散切物
ざんぎりもの
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
世界大百科事典 第2版
ざんぎりもの【散切物】
出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.
日本大百科全書(ニッポニカ)
散切物
ざんぎりもの
歌舞伎(かぶき)脚本用語。世話物のうち、明治初期の新しい世相、風俗を背景にした作品。維新以後の文明開化の象徴として、1871年(明治4)の散髪令で生まれた散切頭の人物が登場するので、この名がある。72年11月、中村正直(まさなお)訳の『西国立志編(さいごくりっしへん)』を佐橋富三郎が脚色した『鞋補童教学(くつなおしわらべのおしえ)』『其粉色陶器交易(そのいろどりとうきのこうえき)』をそれぞれ京都南側と北側の芝居で上演したのが初めで、東京での最初は翌年11月守田座上演の河竹黙阿弥(もくあみ)作『東京日(にちにち)新聞』。その後も黙阿弥が主として5世尾上(おのえ)菊五郎のため、『富士額男女繁山(ふじびたいつくばのしげやま)(女書生)』『霜夜鐘十字辻筮(しもよのかねじゅうじのつじうら)』『木間星箱根鹿笛(このまのほしはこねのしかぶえ)』『島鵆月白浪(しまちどりつきのしらなみ)』『水天宮利生深川(すいてんぐうめぐみのふかがわ)(筆幸)』などの名作を執筆。黙阿弥の門弟たちもいくつか書いたが、これら散切物は新風俗の外形を写すだけで、作劇法や演出は旧来の世話狂言と変わらなかったので、1900年(明治33)以降は新しく勃興(ぼっこう)した新派劇に座を奪われて廃れた。
[松井俊諭]
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
精選版 日本国語大辞典
ざんぎり‐もの【散切物】
出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
旺文社日本史事典 三訂版
散切物
ざんぎりもの
断髪した役者が演じたのでこういわれた。河竹黙阿弥の『島鵆月白浪 (しまちどりつきのしらなみ) 』『水天宮利生深川』などを5代目尾上菊五郎が演じた。皮相な世相・流行を追うのみで,内容は古い物語と変わらなかった。
出典:旺文社日本史事典 三訂版
執筆者一覧(50音順)
金澤利明 竹内秀一 藤野雅己 牧内利之 真中幹夫
Copyright Obunsha Co.,Ltd. All Rights Reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
「散切物」の用語解説はコトバンクが提供しています。
●散切物の関連情報