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斎藤史【さいとうふみ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

斎藤史
さいとうふみ
[生]1909.2.14. 東京,東京
[没]2002.4.26. 長野,長野
歌人。陸軍将官で佐佐木信綱門下の歌人だった父,瀏の影響で 10代から作歌を始め,『心の花』に作品を発表。昭和初期のモダニズム・口語歌隆盛の波にのって前川佐美雄らとともに注目された。1936年,二・二六事件で瀏が反乱幇助罪で禁固刑をくだされ,処刑された兵の中に幼友だちがいた。1940年に初の歌集魚歌』刊行。同歌集に収められた「暴力のかく美しき世に住みてひねもすうたふわが子守うた」は事件をうたった歌として有名。その後もこの事件はしばしばうたわれ,歌人としての一生の主題となった。第2次世界大戦後は長野市に在住。1962年歌誌『原型創刊。長野の風土をうたい,高齢に達してからも旺盛な作歌活動を展開,新しい老いの歌の開拓者として高い評価を得た。歌集『ひたくれなゐ』(1976)で迢空賞,歌集『渉りかゆかむ』(1985)で読売文学賞,『秋天瑠璃』(1993)で詩歌文学館賞と斎藤茂吉短歌文学賞,『斎藤史全歌集 1928―1993』(1997)で現代短歌大賞を受賞。1993年日本芸術院会員,1997年勲三等瑞宝章を受章。(→短歌

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デジタル大辞泉

さいとう‐ふみ【斎藤史】
[1909~2002]歌人。東京の生まれ。二・二六事件に連座した瀏(りゅう)の長女。モダニズムの影響を受けて独自の歌風を築く。女流歌人初の芸術院会員。歌集に「魚歌」「ひたくれなゐ」「渉りかゆかむ」など。

出典:小学館
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus

斎藤史 さいとう-ふみ
1909-2002 昭和-平成時代の歌人。
明治42年2月14日生まれ。斎藤瀏(りゅう)の長女。モダニズムを出発点に独自の歌風をきずき,昭和15年第1歌集「魚歌」を刊行。37年「原型」を創刊,主宰。52年「ひたくれなゐ」で迢空(ちょうくう)賞。61年「(わた)りかゆかむ」で読売文学賞。平成6年「秋天瑠璃(るり)」で詩歌文学館賞。9年「斎藤史全歌集」ほかで現代短歌大賞。女性歌人で初の芸術院会員。平成14年4月26日死去。93歳。東京出身。小倉高女卒。

出典:講談社
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書籍版「講談社 日本人名大辞典」をベースに、項目の追加・修正を加えたデジタルコンテンツです。この内容は2015年9月に更新作業を行った時点での情報です。時間の経過に伴い内容が異なっている場合がございます。

日本大百科全書(ニッポニカ)

斎藤史
さいとうふみ
(1909―2002)

歌人。東京生まれ。陸軍将校で歌人の瀏(りゅう)(1879―1953)の長女。父の任地の北海道・旭川、三重県・津、熊本などを転々とする。小倉高女卒業。瀏が二・二六事件に連座し、深刻な影響を受ける。第二次世界大戦後は疎開先の長野県に居住。大正末から作歌を始め、歌誌『心の花』『短歌作品』『短歌人』などに発表。1940年(昭和15)、五島美代子、坪野哲久、前川佐美雄らとの合同歌集『新風十人(しんぷうじゅうにん)』に参加する。1962年(昭和37)『原型』をおこす。モダニズムの結晶ともいうべき第一歌集『魚歌』(1940)に始まり、『朱天』(1943)、『うたのゆくへ』(1953)、『密閉部落』(1959)と変転を重ね、『ひたくれなゐ』(1976。迢空(ちょうくう)賞)で、しぶとい生認識にたつ堂々たる調べを完成させた。その後の歌集に『渉(わた)りかゆかむ』(1985。読売文学賞)、『遠景』(1988)、『秋天瑠璃(しゅうてんるり)』(1993。詩歌文学館賞、斎藤茂吉短歌文学賞)、『風翩翻(かぜへんぽん)』(2000)などがある。また、1948年に信濃毎日新聞に連載した小説『過ぎて行く歌』が半世紀を経て単行本となった(2001)。エッセイ集などに『遠景近景』(1980)、『ひたくれなゐの人生』(1995)、『ひたくれなゐに生きて』(1998)がある。1977年には『斎藤史全歌集 昭和3~51年』が刊行され、97年(平成9)刊の『斎藤史全歌集 1928~1993』増補版で、現代短歌大賞、紫式部文学賞を受賞した。1993年女性歌人として初めて芸術院会員に選ばれ、97年には、「歌会始の義」で天皇に招かれて歌を詠む召人(めしうど)を務めた。

[菱川善夫]

 死の側より照明(てら)せばことにかがやきてひたくれなゐの生ならずやも

『『うたのゆくへ』(1953・長谷川書房)』『『密閉部落』(1959・四季書房)』『『風に燃す』(1967・白玉書房)』『『ひたくれなゐ』(1976・不識書院)』『『斎藤史全歌集 昭和3~51年』『斎藤史全歌集 1928~1993』増補版(1977、97・大和書房)』『『風のやから』(1980・沖積舎)』『『遠景近景』(1980・大和書房)』『『家族――短歌読本』(1981・有斐閣)』『『渉りかゆかむ』(1985・不識書院)』『『遠景』(1988・短歌新聞社)』『『秋天瑠璃』(1993・不識書院)』『『ひたくれなゐの人生』(1995・三輪書店)』『『ひたくれなゐに生きて』(1998・河出書房新社)』『『風翩翻』(2000・不識書院)』『『過ぎて行く歌』(2001・河出書房新社)』『『斎藤史歌文集』(講談社文芸文庫)』『ジェイムズ・カーカップ、玉城周選歌・英訳『斎藤史歌集 記憶の茂み(和英対訳)』(2002・三輪書店)』『磯田光一著『斎藤史論』(『現代短歌大系4』所収・1973・三一書房)』『岩田正著『新版 現代の歌人』(1989・牧羊社)』『寺山修司著『寺山修司全歌論集』新装版(1993・沖積舎)』『道浦母都子著『乳房のうたの系譜』(1995・筑摩書房)』『桜井琢巳著『夕暮から曙へ――現代短歌論』(1996・本阿弥書店)』『大原富枝著『詩歌うたと出会う時』(1997・角川書店)』『河野裕子著『鑑賞・現代短歌3 斎藤史』(1997・本阿弥書店)』『松井覚進編『人物十一景』(1999・青木書店)』『森まゆみ著『恋は決断力――明治生れの13人の女たち』(1999・講談社)』『佐佐木幸綱著『佐佐木幸綱の世界11 同時代歌人論2』(1999・河出書房新社)』『岩田正著『現代短歌をよみとく――主題がときあかすうたびとの抒情』(2002・本阿弥書店)』『「追悼・斎藤史」(『短歌朝日』2002年7・8月創刊5周年記念号所収・朝日新聞社)』『「斎藤史追悼特集」(『短歌研究』2002年7月号所収・短歌研究社)』『寺山修司著『寺山修司コレクション5 黄金時代』(河出文庫)』『道浦母都子著『女歌の百年』(岩波新書)』

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