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断食【だんじき】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

断食
だんじき
一定期間すべての食物または特定の食物の摂取を断つ宗教的行為。トーテミズムユダヤ教イスラム教ヒンドゥー教などにみられるような一定の食物に対する恒常的禁忌は除かれる。断食を行う動機は多様であり,一元的な解釈を与えることは困難であるが,一応次のような分類が可能である。 (1) 人生のサイクル中の危機的状況においてその危難を避けるために行われる断食。 (2) 呪術的儀礼祈願の効果を高めるために行われるもの。 (3) 精神鍛練のための修行の一形態としての断食。 (4) イニシエーションなどの宗教儀礼の準備,清めとして行われるもの。なお宗教的行為以外のものとしては,医療的行為あるいは政治的プロテストとしての断食などがある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

だん‐じき【断食】
[名](スル)修行・祈願などの目的で、一定の期間、自発的に食物を断つこと。「断食療法」

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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世界大百科事典 第2版

だんじき【断食 fast】
修行や祈願のため,一定期間すべての,あるいは特定の食物を断つことで,重要な宗教行為として世界の諸宗教に広く見られる。すなわち,宗教的な断食は,栄養補給を停止することによって生命の有機的な生理機能をしだいに低下させ,こうして修行者の生命が物質化(死)しようとする直前に霊的啓示が下ることを期待する行為であるといえる。いわば断食とは,生命体のうえに生ずる物化と霊化の二律背反局面を示す禁欲の一方法である。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

だんじき【断食】
スル
食べ物を断つこと。特に、祈願や修行、あるいは病気治療などのために、一定期間食べ物を断つこと。 → ハンガーストライキ

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

断食
だんじき
一定期間いっさいの、あるいは特定の種類の飲食物を断つことを意味し、世界の諸宗教に広くみられる宗教行為である。この意味では、「断ち物」といわれるものや、未開宗教に多くみられる一時的食物禁忌も断食のなかに含まれてしまうが、トーテミズム、ユダヤ教、イスラム教、ヒンドゥー教などにみられる恒常的な食物禁忌は除外される。
 断食が行われる時期はさまざまであり、またその動機もけっして一様ではない。諸学者によってこれまで多くの説明がなされてきたが、いずれも定説とはなっていない。いまかりにこれを分類してみると、第一に、妊娠、出産、初潮、成年式、死など人間の一生のサイクルとして現れる危機的状況に際して、当事者ないしは配偶者や家族の者が、断食をはじめとする一定の儀礼を行う場合が多い。また、戦争や干魃(かんばつ)などの共同体的危機に際しても、断食が行われることは、ユダヤ教やイスラム教にみられるとおりである。
 第二に、呪術(じゅじゅつ)的行為や祈願に際して、その効果を高めたり、自己の誠意を示すためにしばしば断食が行われる。たとえば、イスラム教では、断食中の祈願はかならず聞き入れられるといわれる。
 第三に、断食は、祭り、加入式、聖餐(せいさん)などの宗教儀礼の準備、浄(きよ)めとして、潔斎、物忌みの一部として行われる場合が多い。たとえば、ヒンドゥー教や神道(しんとう)の祭り、カトリックのミサ、洗礼などの諸典礼の前などがそうである。
 第四に、断食は贖罪(しょくざい)、懺悔(ざんげ)の行為として行われる。ユダヤ教では、バビロンの捕囚によって神殿で犠牲(いけにえ)を献(ささ)げることができなくなると、贖罪のために祈りと断食がこれにかわるようになった。なかでも贖罪節の断食がよく知られる。イスラム教では、ラマダーン月が断食月と定められているが、それ以外にも喜捨(きしゃ)とともに贖罪のために断食が勧められている。
 第五に、断食は修行の一形態として行われる。これは、食を断つことによって人間の欲望を制御し、精神の集中を助けることによって、高い宗教的境地に到達しようとして行われるものである。仏教、ジャイナ教、ヒンドゥー教、中国の道教、日本の修験道(しゅげんどう)など、とくに東洋の宗教に広くみられる。
 第六に、医学的理由による断食はすでに古くから行われていたといわれるが、そのほかに今日の世俗社会では、断食はハンガー・ストライキなどにみられ政治的倫理的要求の貫徹や抗議の手段として行われている。[中村廣治郎]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

だん‐じき【断食】
〘名〙 本来は苦行の一種。修行や祈願のために、一定の期間自発的に食物を断つこと。
※菅家文草(900頃)三・丹行五事「聞其長断食、虚号遍相称」
※高野本平家(13C前)五「卅一日が間は一向断食(ダンジキ)にてぞありける」 〔大法鼓経‐上〕

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