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新古典学派【しんこてんがくは】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

新古典学派
しんこてんがくは
neoclassical school
元来は A.マーシャルに始るケンブリッジ学派さし,場合によっては W.ジェボンズや F.エッジワースらを含む限界主義 (→限界分析 ) に立脚するイギリスの経済学者の意味で用いられたもの。しかし徐々に限界主義に立脚し,ミクロ的価格分析を中心に理論を展開した L.ワルラスらをも含む限界革命以後の経済学者全体をさすようになり,今日ではこの意味で用いられることが多い。新古典派成長論というような場合には,そのなかでも生産要素の代替性 (生産係数の可変性) を承認することをさす。また P.サミュエルソン新古典派総合という用語法や「新古典派的ケインズ解釈」というような使い方もあり,歴史的にも現在でも新古典学派という名称はさまざまな意味で使用されているので,上記のうちどれをさすのかは常に前後関係から判断しなければならない。

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デジタル大辞泉

しん‐こてんがくは【新古典学派】
1870年代以降に形成された近代経済学の立場の総称ローザンヌ学派に属するワルラス一般均衡理論を継承するヒックスの理論がその典型とされる。狭義には、マーシャルに始まるケンブリッジ学派をさす。新古典派。新古典派経済学

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世界大百科事典 第2版

しんこてんがくは【新古典学派】

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日本大百科全書(ニッポニカ)

新古典学派
しんこてんがくは
neo-classical school

元来は、経済学者A・マーシャルに始まるケンブリッジ学派をさす名称であったが、現在では多様な意味で用いられている。

 ケンブリッジ学派が新古典学派とよばれたのは、基本的には、同学派が限界革命以後、古典学派にかわってイギリスの正統的学派となったからであり、また始祖マーシャルの経済学が、限界主義に立脚し、価格の説明では需要面(限界効用)に留意しつつも、生産費分析の重視や長期動態面への関心などの点で、古典学派の伝統を豊かに継承していたからである。しかし、ケンブリッジ学派を新古典学派とよぶのは、「地代は生産費を構成しない」というD・リカード以降の古典学派主流の一基本命題をマーシャルがなかば受け入れたことに由来するという説もあり、ケンブリッジ学派の別称としての新古典学派という名称についても、その由来の説明が一定しているわけではない。また新古典学派の名称は、イギリスだけについても、ケンブリッジ学派に限ることなく、W・S・ジェボンズや、F・Y・エッジワース、P・H・ウィックスティードらの限界原理に立脚した人々を含めて用いられることもあり、ときとすると、J・S・ミルもこの学派に入れられたりすることもあった。

 しかし、新古典学派の名称は徐々に拡大されて、ケンブリッジ学派ないし限界原理にたつイギリスの経済学者だけでなく、限界革命以後の限界分析に立脚し微視的(ミクロ)価格理論を中心に経済学を展開した欧米の経済学者全体をさすようになり、いまではこの意味で用いられていることがもっとも多く、その場合には、L・ワルラス、あるいはその延長線上の『価値と資本』(1939)前半部分のJ・R・ヒックスの理論が新古典学派の典型とされる。だが、現在普通に用いられているこのもっとも広い意味での新古典学派の場合でも、それのもつさまざまな属性のうちのいずれの側面にとくに着目するかは、場合場合で異なっている。たとえば、新古典(学)派成長論という場合には、生産要素の代替性(生産係数の可変性)を承認する面がとくに注目されているし、P・A・サミュエルソンが1970年代に入るまで唱えていた新古典派総合というような場合には、経済的福祉の達成手段としての(完全雇用実現以後の)私企業体制と競争の有効性という点に焦点があてられていると思われる。

 さらに、1970年代以降、日本で盛んに論じられる新古典(学)派批判というときの新古典学派が、具体的にどれだけの範囲の経済学者のどの部分の理論を念頭に置いているのかは、かならずしも明確でない。しかし、その種の批判がなされるとき、おもに念頭に置かれているのが、限界革命以降の微視的価格理論を中心とする(日本でいわゆる)「近代経済学」が不可逆的な時間要素や不確実性を無視または軽視し、消費者主権を絶対視し、経済問題の歴史的・社会学的側面を無視ないし軽視しているという諸点であることだけは、まず間違いないといってよい。だが、いろいろ批判の声は高いにせよ、確固とした多分に体系的な理論を構成しているという意味では、この広義の新古典学派が、依然として「近代経済学」の主流的地位を占めていることも事実である。

[早坂 忠]

『菱山泉著『近代経済学の歴史』(1965・有信堂高文社)』『W・フェルナー著、松代和郎訳『近代経済分析』第三部(1965・創文社)』『安井琢磨・熊谷尚夫・福岡正夫著『近代経済学の理論構造』(1974・筑摩書房)』『利岡彰三他著『マルクス・ケインズ・新古典派』(1990・晃洋書房)』『ジョージ・ウィークス著、山本一巳・岡本郁子訳『新古典派マクロ経済学批判』(1996・御茶の水書房)』『田中敏弘著『アメリカ新古典派経済学の成立』(2006・名古屋大学出版会)』『宇沢弘文著『近代経済学の再検討』(岩波新書)』

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精選版 日本国語大辞典

しん‐こてんがくは【新古典学派】
〘名〙 近代経済学で、元来はマーシャルに始まるケンブリッジ学派を指して用いられた名称。現代では限界効用理論以降の近代経済学者で、価格機構の効率的な資源配分機構に信頼を抱く人々を総称することが多い。代表的学者はエッジワース、ワルラス、ヒックスなど。

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