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新生児黄疸【しんせいじおうだん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

新生児黄疸
しんせいじおうだん
neonatal jaundice
新生児に生後2~3日で現れ,7日程度持続して自然に消失する黄疸で,90%以上の新生児にみられる。赤血球が破壊されて遊離したヘモグロビンは,ビリルビンに変化して肝臓で排泄されるが,新生児期にはこの機能が低いために,ビリルビンが体内に蓄積されて黄疸が起るのである。血液型不適合による黄疸もあるが,その場合は現れ方も急激で,重症であり,生理的な新生児黄疸とは区別される。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

しんせいじ‐おうだん〔‐ワウダン〕【新生児黄×疸】
生後2、3日ごろから新生児に現れる黄疸生理的黄疸は肝臓の働きが未熟なために生じるもので、ふつう2週間以内に消える。溶血性黄疸は母子血液型不適合のために起こり、重症の場合には交換輸血を行う。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

新生児黄疸
 新生児に一過性にみられる黄疸.

出典:朝倉書店
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家庭医学館

しんせいじおうだん【新生児黄疸】
 黄疸の原因となる色素(しきそ)は、赤血球(せっけっきゅう)の血色素(けっしきそ)であるヘモグロビンが壊れて生じるビリルビンという物質です。これが血中(けっちゅう)に増えると皮膚や白目(しろめ)の部分が黄色くなります。
 ビリルビンは肝臓で処理されて胆汁(たんじゅう)中に排泄(はいせつ)されます。新生児は生理的に多血(血が濃い)であり、しかも胎児(たいじ)の赤血球の寿命は短いため、出生後急速に多量の赤血球の破壊がおこります。それを処理する肝臓の機能が未熟であることや、母親からのホルモンの影響もあり、血液中のビリルビンが高値になりやすいのです。
 治療法ですが、光線療法(こうせんりょうほう)は新生児黄疸の治療としてもっともよく行なわれるものです。新生児を裸にして波長420~460nm(ナノメートル)の光をあてます。光エネルギーが作用すると皮膚や皮下毛細血管内のビリルビンを分解したり、水に溶けやすい型に変えて胆汁(たんじゅう)中に排泄させるのです。
 交換輸血法(こうかんゆけつほう)という方法もあります。これは溶血性(ようけつせい)黄疸のような重症の黄疸に対して、血中のビリルビンと壊れやすくなった赤血球を取り除き、壊れにくい新鮮な血液を輸血する治療法です。循環血液量の2倍の量の血液を用意し、検査をしながら脱血と輸血をくり返します。体重3kgの新生児で、500~600mℓの血液を交換します。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

しんせいじおうだん【新生児黄疸】

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

しんせいじおうだん【新生児黄疸】
新生児に普通に見られる生理的黄疸。生後2、3日目から現れ、7日から10日で消える。広義には、母子の血液型不適合や新生児の敗血症・梅毒などによる病的な黄疸も含む。初生児黄疸。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

新生児黄疸
しんせいじおうだん
jaundice of the newborn
黄疸は、赤血球が壊れたときにできる黄色の色素であるビリルビンが多量に産生され、皮膚色が黄染する症状である。新生児黄疸はほぼすべての新生児に認められるものであり、生理的または特発性とよばれる黄疸は、生後3、4日目ごろに出現し、5、6日目ごろにもっとも著明となり、7~10日で消失する。その理由は、胎児の間は母体が処理してくれたビリルビンを、新生児が自分で処理する能力が確立するまでの出生後の適応期間に、一時的ながらビリルビンが上昇するためである。そのほかに病的な原因による黄疸があり、後者の場合は生後第1日目より黄疸が出現し、その程度も強く、また遷延する。
 病的黄疸の原因としてもっとも重要なものは、母子間血液型不適合による新生児溶血性黄疸である。ABO型不適合による黄疸は、母親がO型で児がA型またはB型の場合、Rh型不適合による黄疸は、母親がRh陰性で児がRh陽性の場合におこる。いずれも母親が児の赤血球に対する抗体を産生し、その抗体が胎盤を通じて児に至って児の赤血球を破壊する。Rh型不適合の場合がより重症であるが、分娩(ぶんべん)時に児の血液が母体中に混じり免疫学的に刺激する(感作(かんさ))ことが多いので、第一児におこることはまれである。また第二児以後は分娩直後に母体に免疫グロブリンを注射することによって予防される。
 いかなる理由でもビリルビンの値が異常に高くなると、核黄疸とよばれる中枢神経系の重篤な疾患に陥るので、黄疸が認められた場合、単に肉眼的観察のみならず、血液ビリルビン値の測定を行うことがたいせつである。ビリルビン測定値が生理的な範囲を超えた場合(日齢や出生体重によって異なる)、青色の光がビリルビンを分解することを利用した光線療法、さらにより高度の場合は交換輸血が行われる。
 母乳栄養児に黄疸が増強、遷延することが知られているが、ほかの病的な原因との区別がたいせつとなる以外、母乳黄疸そのものが障害をおこすことはない。[仁志田博司]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

しんせいじ‐おうだん ‥ワウダン【新生児黄疸】
〘名〙 生後二~三日たって現れる生理的黄疸。肝臓の働きが未熟なために、ほとんどすべての新生児に起こるもので、一~二週間で自然に治る。

出典:精選版 日本国語大辞典
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内科学 第10版

新生児黄疸(新生児黄疸・新生児肝炎)
定義・概念・疫学
 新生児黄疸とは新生児期(生後28日未満)にみられる黄疸を総称している.黄疸が顕著になる時期により早発黄疸,生理的黄疸,遷延性黄疸の3つに分類される.また病態により高間接(非抱合)ビリルビン血症と高直接(抱合)ビリルビン血症に分けられる.
 成人では血清総ビリルビン値は健常者では1.0 mg/dL(17 μmol/L)以下であり,2 mg/dLをこえると可視黄疸になるが,新生児では血清総ビリルビン値が6 mg/dLをこえると可視黄疸となる.健康な日本人新生児の約2/3に生後2日から4日にかけて可視黄疸がみられる.
 黄疸はビリルビンが生体内に蓄積することにより,眼球強膜や皮膚が黄染する.黄染は眼球強膜や顔面から始まり,体幹,四肢,手掌,足底へと遠心性に広がる.正期産(在胎37~41週の間)新生児にみられる血清総ビリルビン濃度は種々の要因により差がある.人種差もあるが,日本人では出生直後の総ビリルビン値は1~3 mg/dL程度であるが,生後48~96時間に血清総ビリルビン値は最高値となり,平均は約10 mg/dLとされる(Onishら,1997).その後は徐々に低下して生後2週までに2 mg/dL以下となる.これを生理的黄疸(physiologic jaundice)という.37週未満の早期産児ではこれよりもピーク値がやや高く,生後2週以降も持続することがある.生理的黄疸の診断は必ずしも容易ではないが,逆に生理的黄疸から逸脱している黄疸を新生児病的黄疸あるいは新生児高ビリルビン血症(neonatal hyperbilirubinemia)としている.表9-20-1に病的黄疸を示唆する所見を示した.生後24時間以内の可視黄疸は早発黄疸とよばれる.早発黄疸は脳基底核や海馬回などの神経細胞にビリルビンが沈着して脳性麻痺の原因となる核黄疸を発症する危険があるので,十分な理解と対応が必要である.生後2週以降も可視黄疸が持続する場合を遷延性黄疸とよぶ.遷延性黄疸には母乳性黄疸が圧倒的に多いが,胆道閉鎖症,新生児肝炎などとの鑑別が重要である.異常な黄疸を疑った場合は必ずビリルビン分画を検査する.直接ビリルビン値が15%以上,あるいは総ビリルビン値に関係なく直接ビリルビン値が1.5 mg/dLをこえると胆汁うっ滞の存在を疑う.
病因・病態生理
 生理的黄疸の病因としては,①新生児は体重あたりの赤血球量が多く,赤血球寿命(成人では120日前後,新生児では80~90日)が短いことから,ビリルビン産生が亢進している,②肝細胞内のビリルビン代謝において肝bilirubin-UDP-glucuronosyltransfer­ase(UDP-GT)活性が生後8日以内では成人活性の1%以下と著しく低値である(久保井ら,2010),③肝細胞内で抱合され細胆管から腸管内に排泄された抱合ビリルビンは腸内細菌叢の未発達により還元されず,しかも抱合ビリルビンを加水分解する酵素であるβ-グルクロニダーゼ活性が高いので脱抱合されて間接ビリルビンに戻ってしまい,腸管から再吸収される腸肝循環が亢進している,などがあげられる.すなわち新生児期には黄疸が発現しやすい生理的な条件が揃っている.この点に関してはビリルビン自体が活性酵素により酸化され,出生後の酸素毒性から生体を保護する生理的な働きをしていると考えられる(久保井ら,2010).
診断・鑑別診断
 多くの新生児は前述した理由から黄疸がみられるので,その程度を判定するためにはスクリーニングが重要である.かつては視診で黄疸の程度を主観的に判断し,頻回の採血によりビリルビン値を検査したが,近年ではヘマトクリット毛細管で微量採血をして分光光度法を応用したビリルビンメーターによる簡便な測定が行われている.さらに経皮ビリルビン濃度測定法(経皮黄疸計)も広く使用されている.これは簡便で非侵襲かつ客観的な評価が可能である(久保井ら,2010).出生直後から繰り返して測定して,その時間経過と上昇速度を観察することが大切である.また新生児溶血性疾患(血液型不適合妊娠,遺伝性溶血性疾患による)などでみられる早発黄疸では生後早期から経皮ビリルビン濃度が高値で,上昇速度も速い.核黄疸は血液脳関門が機能的に未熟な早期産児に多いが,主要な原因は間接ビリルビンのなかで血清アルブミンや赤血球膜などと結合していない遊離ビリルビンである,アンバウドビリルビン(UB)である.このUBアナライザーは一般臨床においても普及している(久保井ら,2010).新生児黄疸をきたす疾患の鑑別の手順を図9-20-1に示した.
予防・治療・予後
 出生時の早期臍帯結紮(分娩後40秒以内)や生理的黄疸から逸脱した高ビリルビン血症に対しては早期からの頻回授乳が黄疸の改善に効果的といわれる.多血症によるビリルビン負荷を軽減すること,脱水やカロリー不足を予防しUBを減らすこと,さらに授乳により腸管の蠕動運動や排便を促進しビリルビンの腸肝循環を減少することによって黄疸発症の頻度と重症度を改善することが可能といわれる(久保井ら,2010). 高ビリルビン血症の治療は光線療法と交換輸血が主体である.また血液型不適合による同種免疫性溶血性黄疸に対してはガンマグロブリン療法がある(久保井ら,2010). 新生児黄疸の予後は後述する治療により著しく改善した.しかし,黄疸の管理が悪くなかった例においても核黄疸を示す聴性脳幹反応の異常やMRI検査で両側淡蒼球の異常がみられる例があり,黄疸管理の再検討が必要である(久保井ら,2010).
1)光線療法:
高間接ビリルビン血症の最初の治療である.光線療法は光化学反応により間接ビリルビンを体外に排泄させる治療であり,ビリルビン処理能力は波長500〜520 nmの緑色光である(久保井ら,2010).光線療法の一定の適応基準はなく各専門施設できめている.光線療法中は網膜と性腺保護の目的でアイマスクとオムツを使用している(久保井ら,2010).
2)交換輸血:
交換輸血は血中のビリルビンのみならず,溶血性黄疸の場合には感作赤血球や抗体を最も確実に体外へ排泄する方法となる.しかし,循環のダイナミックな変化,輸血によるGVHDおよび感染症など,合併症の多い治療法である(久保井ら,2010).しかし,核黄疸の初期症状(不活発,哺乳力低下など)が出現した場合はビリルビン値にかかわらず適応となる.
3)ガンマグロブリン療法:
血液型不適合による同種免疫性溶血性黄疸の治療として大量のガンマグロブリンを点滴静注する方法が行われている.投与量や投与時間などは決まっていないが,ガンマグロブリン500~1000 mg/kgを6~8時間かける点滴静注が一般的である.[藤澤知雄]
■文献
Onishi S, et al: Physiology of bilirubin metabolism. In: Hepatobiliary, Pancreatic and Splenic Disease in Children (Balisteri WF, et al ed), pp37-70, Elsevier, Amsterdam, 1997.
久保井徹,伊藤 進:新生児黄疸. 別冊 日本臨牀 新領域別症候群シリーズNo. 13:563, 2010.
Craig JM, et al: Form of hepatitis in neonatal period simulating biliary atresia. AMA Arch Pathol, 54: 321, 1953.

出典:内科学 第10版
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