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方解石【ほうかいせき】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

方解石
ほうかいせき
calcite
CaCO3 。無水炭酸塩鉱物の一種。六方晶系あるいは三方晶系。霰石 (斜方晶系) と同質異像。比重 2.71,硬度 2.7~3。ガラス光沢ないし真珠光沢。無色透明,ときに不純物の混入により白色,淡桃色,淡褐色などを呈する。条痕は白色ないし灰白色。劈開 に完全。複屈折がきわめて高く,ニコルプリズムなどとして利用される。菱面体または不等辺三角形状の面で囲まれた多面体 (三方スカレノヘドロン) の結晶として産出するほか,繊維状,葉片状,土状,団塊状を呈して産出することもある。霰石が高圧条件下で安定であるのに対し,低圧側に安定領域を有し,1気圧では方解石が安定である。マグネサイト,菱鉄鉱,菱マンガン鉱,菱亜鉛鉱などとともに方解石族鉱物群を構成する。 600℃以上の高温では,菱マンガン鉱との間に連続固溶体を形成する。また 1100℃以上の高温では,ドロマイトとの間にも連続固溶体を形成する。天然産方解石は不純物としてマグネシウム,マンガン,鉄などを含んでいることがある。石灰岩の主成分鉱物として大規模に産出するほか,各種熱水鉱床の脈石鉱物あるいは火成岩の副成分鉱物として普遍的に産出する。貝殻化石の主成分鉱物の一つでもある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ほうかい‐せき〔ハウカイ‐〕【方解石】
炭酸カルシウムからなる鉱物。無色ないし白色でガラス光沢がある。種々の結晶形をしているが、塊状のことも多い。三方晶系劈開(へきかい)は完全で、複屈折著しい。特に無色透明のものを氷州石(ひょうしゅうせき)とよぶ。カルサイト

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

ほうかいせき【方解石 calcite】
化学組成はCaCO3で六方晶系に属し,アラゴナイトと多形をなす鉱物。天然の鉱物中で晶相変化の最も著しいものの一つで,薄板,厚板,短柱,長柱,菱面体,犬牙状,釘頭状など種々の外形をなす。双晶は(0001)と(012)を双晶面とするものが最もふつうで,そのほかまれではあるが,(101)と(021)を双晶面とするものがある。へき開は完全で,ハンマーでたたくと菱面体の各面に平行な方向に割れる。モース硬度3,比重2.7102,複屈折ははなはだ高く,方解石を通して文字などを見ると二重に見える。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

方解石
ほうかいせき
calcite

炭酸カルシウムの鉱物。劈開(へきかい)の完全な鉱物、複屈折の顕著な鉱物としても有名である。あられ石およびファーター石とは同質異像関係にある。石灰岩の主成分、温泉沈殿物、あるいは各種熱水鉱脈鉱床の脈石鉱物として産し、また超塩基性岩中に脈をなし、玄武岩の空隙(くうげき)中にも産する。日本では知られていないが、カーボナタイトと称する炭酸塩マグマの固化物としてもっとも普通の種である。自形は変化に富み、平行六面体、板状、犬牙(けんが)状、低い三方両錐(すい)などのほか、六角柱状となることもある。また、石灰華や鍾乳(しょうにゅう)石あるいは球顆(きゅうか)状集合体をなすこともある。日本では産地はきわめて多く、岐阜県神岡鉱山(閉山)、鹿児島県串木野(くしきの)鉱山をはじめ、岩手県宮古(みやこ)市日出島(ひでしま)のいわゆる蝶(ちょう)形双晶はとくに有名である。セメントをはじめ各種工業原料としても重要。英名はギリシア語で石灰を意味するcalxに由来する。

[加藤 昭 2018年10月19日]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ほうかい‐せき ハウカイ‥【方解石】
〘名〙 炭酸カルシウムを主成分とする鉱物。無色、白色などで透明または半透明、ガラス光沢がある。六方晶系で結晶は菱面体、板状、柱状、塊状など。無色透明なものを特に氷州石という。〔康頼本草(1379‐91頃)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

方解石
ホウカイセキ
calcite

CaCO3たい積岩火成岩,熱水鉱床中に産出する.また鐘乳石,石筍(じゅん)などをつくる.三方晶系,空間群 Rc,格子定数 a0 = 0.498,c0 = 1.702;a(rh)=0.636 nm.α = 46°06′.りょう面体格子中に2個の基本組成を含む.へき開{101}完全.硬度3.密度2.710 g cm-3.800 ℃ 以下での加熱により,c軸は増大するが,a軸は収縮,面角は加熱により増大する.紫外線,X線,電子線,太陽光により,蛍光,りん光を発する.多形として,あられ石,ファテライトなどがあるが,方解石が安定形である.約800 ℃ で分解し,CaOとCO2とになる.しばしば Fe2+,Mn2+,Mg2+,Ba2+,Sr2+,Pb2+ などを含む.FeCO3成分に富むものは火成岩中の晶洞に発見される.Mg2+ は約20% まで固溶する.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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