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日焼け(日光皮膚炎)

EBM 正しい治療がわかる本

日焼け(日光皮膚炎)
どんな病気でしょうか?

●おもな症状と経過
 日焼け(日光皮膚炎)は、太陽光線を浴びすぎたことによって、皮膚に軽い“やけど”をおこした状態です。皮膚が赤くなる「サンバーン」と、褐色あるいは黒っぽくなる「サンタン」の2種類があります。
 太陽光線を浴びてから、4~8時間後に皮膚が赤くなってヒリヒリするのがサンバーンで、重症の場合は、水疱(すいほう)ができます。赤い色は2、3日で薄くなり、その後、皮膚が膜状にむけて褐色や黒っぽい色に変わると、サンタンになります。個人差はありますが、1カ月程度で消えます。
 これとは別に、ほんの少量の太陽光線を浴びただけでも日焼けをおこして皮膚が赤くなったり、小さい水疱ができたり、かゆみや発疹(ほっしん)が生じたりすることがあります。これは「光線過敏症」です。

●病気の原因や症状がおこってくるしくみ
 日焼けは、太陽光線の中に含まれる紫外線によっておこります。サンバーンは、皮膚の組織の細胞が紫外線で傷つけられ、炎症を引きおこしたものです。サンタンは、紫外線の刺激によって「メラニン」と呼ばれる色素が大量につくられ、皮膚の色を変えた状態です。

●病気の特徴
 日本人の肌は、三つのタイプに分けられています。白人に近い白い肌の人、中南米の人に近い褐色の肌の人、その中間の人の3種類です。サンバーンをおこしやすいのは、白い肌の人です。


よく行われている治療とケアをEBMでチェック

[治療とケア]過剰な日焼けを避ける
[評価]☆☆☆☆☆
[評価のポイント] 治療のため日焼けを避けるのは当然ですが、なんらかの方法で日焼けを予防している人は、かえって日光にあたる時間が増えて、皮膚がんの頻度(ひんど)が高まるという非常に信頼性の高い臨床研究が報告されています。また、日焼けを予防するための洋服や日焼け止めクリームが原因となって、光線過敏症がおこる場合もあります。(1)~(3)

[治療とケア]局所を冷却する
[評価]☆☆
[評価のポイント] 冷湿布やローションなどで局所を冷やすことは経験的に行われており、日焼けによる痛みや不快感が軽減されます。水ぶくれがある場合には、感染を防ぐため丁寧に洗って、清潔なガーゼにワセリンを塗布して覆うなどの処置が必要です。

[治療とケア]副腎皮質(ふくじんひしつ)ステロイド薬(やく)で炎症を抑える
[評価]☆☆☆☆☆
[評価のポイント] 皮膚が赤くなるサンバーンに対して、副腎皮質ステロイド薬の外用薬が炎症を抑えるという非常に信頼性の高い臨床研究があります。(4)(5)

[治療とケア]脱水症状がみられる場合は輸液を行う
[評価]☆☆
[評価のポイント] 日焼けによる脱水症状に対して、輸液の有効性を示した臨床研究は見あたりませんが、脱水症状が明らかな場合には経験的に行われます。脱水を予防するために、あらかじめ水分、ミネラルの補給をしっかり行うことが重要です。


よく使われている薬をEBMでチェック

副腎皮質ステロイド薬
[薬名]ロコイド軟膏(ヒドロコルチゾン酪酸エステル)(4)
[評価]☆☆☆☆☆
[薬名]レダコート(トリアムシノロンアセトニド)
[評価]☆☆
[評価のポイント] 皮膚が赤くなってヒリヒリするサンバーンに対して、ヒドロコルチゾン酪酸エステルが炎症を抑えるという、非常に信頼性の高い臨床研究があります。トリアムシノロンアセトニドに関する臨床研究は見あたりませんが、炎症を抑える効果については専門家の経験によって支持されています。副腎皮質ステロイド外用薬には、効きめの強さが5段階あります。どちらも下から2番目の中程度です。副腎皮質ステロイド薬の外用薬の場合は、主治医の説明どおりの使用量、使用回数、使用期間を守っていれば、全身的な副作用はほとんどありません。


総合的に見て現在もっとも確かな治療法
長時間、日光にあたらない
 日焼けは皮膚の軽い“やけど”ですから、日光に長時間あたりすぎないようにします。サンタンはメラニン色素が大量につくられて、皮膚に沈着する状態で、シミやソバカスをつくります。また、日焼けをくり返していると、40歳、50歳代になってから、男性でも女性でもシミやシワが増えたり、皮膚がんの原因になったりするとの指摘もあります。

皮膚を紫外線から守る
 海や山、雪山など、日光を反射しやすい場所に行くときは、直接皮膚に紫外線があたらないような工夫が必要です。たとえば、帽子をかぶる、長袖(そで)長ズボンを着用する、あらかじめ日焼け止めクリームを塗る、とくに女性ではUVカットのストッキングを履(は)く、UVカットの化粧品を使う、といった方法もあります。
 皮膚がんの予防を目的とした日焼け予防着や日焼け止めクリームの効果は確認されていますが、予防することで安心感が生まれ、かえって日光にあたる時間が長くなり、発がんの危険性が高まるという研究があります。くもりの日でも、紫外線は晴れた日の5、6割の量はありますから、十分注意が必要です。

すばやく炎症を抑える
 日焼けの治療は、軽度のやけどの場合と同じ状態ですから、炎症を抑えるため副腎皮質ステロイド薬の外用薬を用いることは効果があります。水ぶくれが広範囲に広がり、発熱を伴うときは、輸液が必要な場合もあります。しかし、あらかじめ水分やミネラルを補給しておくことで脱水を予防できますので、屋外に出る前にはこうした注意をすべきでしょう。

(1)Schauder S, Ippen H. Contact and photocontact sensitivity to sunscreens. Review of a 15-year experience and of the literature. Contact Dermatitis. 1997; 37:221.
(2)Heurung AR, Raju SI, Warshaw EM. Adverse reactions to sunscreen agents: epidemiology, responsible irritants and allergens, clinical characteristics, and management. Dermatitis. 2014; 25:289.
(3)Agin PP, Ruble K, Hermansky SJ, McCarthy TJ. Rates of allergic sensitization and irritation to oxybenzone-containing sunscreen products: a quantitative meta-analysis of 64 exaggerated use studies. Photodermatol Photoimmunol Photomed. 2008; 24:211.
(4)Duteil L, Queille-Roussel C, Lorenz B, et al. Related Articles, A randomized, controlled study of the safety and efficacy of topical corticosteroid treatments of sunburn in healthy volunteers. ClinExpDermatol. 2002;27:314-318.
(5)Faurschou A, Wulf HC. Topical corticosteroids in the treatment of acute sunburn: a randomized, double-blind clinical trial. Arch Dermatol. 2008; 144:620.

出典:法研「EBM 正しい治療がわかる本」
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