@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

映倫【えいりん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

映倫
えいりん
映画倫理規定管理委員会の略称。社会的に有害とみなされる映画の制作を防止するため,映画の内容を自主的に規制する委員会。 1949年6月,五大制作会社を中心とする業者団体の日本映画連合会によって組織された。 56年青少年に影響を与える太陽族映画の続出を許したという世論の批判を浴びて委員会は解散,57年1月より組織を改め,名称も映倫管理委員会と簡略化され再出発。映画の内容以外にも宣伝写真やポスターなども事前に審査を行う。審査ずみのものに限り映倫規定のマークがつけられる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

知恵蔵

映倫
戦前の国家による検閲が再び行われないように、日本映画連合会(現在の日本映画製作者連盟、略称=映連)は1949年、GHQ指導のもと、独自の「映画倫理規定」を定め、業界の自主的運営による映画倫理規定管理委員会(57年から現在の映倫管理委員会に改組)を発足させた。作品の審査料で運営。審査は、脚本、完成映画、タイトル、予告編、ポスターやスチール写真などに対して、国家・社会、法律、宗教、教育、風俗、性、残酷・醜汚の観点から行われ、審査にパスした作品だけが公開を許可された。当初はGHQとの関係で、封建制を称揚するような時代劇に神経をとがらせた。昔も今も問題になるのは、性描写と暴力・残酷描写である。日本での審査は、性表現に厳格でも暴力表現に甘い、と海外から批判されたこともあり、子供への影響を考慮して鑑賞年齢を細かく制限するように改められた。98年からスタートさせた審査基準では、一般映画のほかに、18歳未満入場禁止の「R‐18」、15歳未満入場禁止の「R‐15」、12歳未満は保護者の同伴が望ましい「PG‐12」を設定。ちなみに「R」は「restricted(制限)」、「PG」は「parental guidance(親の指導)」の略である。
(宮本治雄 映画ライター / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

えい‐りん【映倫】
《「映画倫理綱領」の略》映画の内容の道徳的低下を防ぐため、映画界が自主的に設けている基準要綱。昭和24年(1949)制定の「映画倫理規程」を平成21年(2009)に改定。
《「映画倫理委員会」の略》1に基づいて、映画の内容を審査する民間の機関。昭和24年(1949)映画倫理規程管理委員会として発足。昭和32年(1957)に改組・改称されて映倫管理委員会となり、平成21年に再び改称されて今日に至る。
[補説]映画観覧における年齢制限の区分
名称観覧できる年齢
G誰でも観覧できる
PG1212歳未満の年少者の観覧には親または保護者の助言・指導が必要
R15+15歳以上は観覧できる
R18+18歳以上は観覧できる

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

えいりん【映倫】

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

えいりん【映倫】
映画倫理規程 映倫管理委員会の略
日本で制作・上映する映画を自主的に検閲規制する機関。1949 年(昭和 24)日本映画連合会が組織。57 年全面改組し映倫管理委員会として映画連合会から独立。社会的・倫理的に好ましくない部分について削除や表現の変更を勧告する。2009 年(平成 21)映画倫理委員会に名称を変更した。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

映倫
えいりん
日本における映画の自主規制を行うための「映画倫理規程」あるいは「映倫管理委員会」の略称。
 日本の映画の検閲は、初めは映画館所在地の警察が個々に取り締まっていた。1925年(大正14)に内務省警保局にフィルム検閲課が設けられ、映画検閲が一元化された。国家総動員法が施行された翌年の1939年(昭和14)には映画法が制定され、脚本段階からの検閲が行われた。第二次世界大戦後、国家検閲は廃止されたが、連合国最高司令部(GHQ)による占領下の映画検閲が行われた。
 1949年(昭和24)、GHQの指導によって、日本映画連合会は、アメリカの映画検閲組織と規程を範として「映画倫理規程」を制定、「映画倫理規程管理委員会」を発足させ、脚本等の事前審査形式による自主的な規制を始めた。翌1950年以後、宣伝、広告および短編映画を審査対象に加える。当初は占領政策に沿って、時代劇映画と民主主義との適応が重要な問題であったが、のちには青少年への悪影響が社会問題となった。アメリカ映画『暴力教室』(1955)や日活映画『太陽の季節』(1956)などの論議を契機に、政府は映画界に規制強化を促し、1957年1月、映画人による「映倫維持委員会」の協力、要請によって、民間人による「映倫管理委員会」が検閲規制する新組織の誕生をみる。同時に外国映画も審査対象に加え、1959年には映画倫理規程を改定した。1960年代に入ると、性と暴力を主題とする作品が急増した。映倫の審査をパスした武智(たけち)鉄二監督の『黒い雪』(1965年起訴、1969年無罪)や、日活ロマンポルノ映画(1972年起訴、1981年無罪)において、猥褻(わいせつ)性をめぐっての刑事責任が裁判で争われた。
 1980年代以降も問題となりがちだった性器と陰毛(ヘア)表現は、1992年(平成4)の規定改定によって、原則としてその描写はしないとしながらも例外が認められるようになった。映倫規定は税関通関後の作品にも適用される。M・アントニオーニとW・ベンダース共同監督の『愛のめぐりあい』(1995)は、税関が原形のまま輸入許可をしたあと、映倫が配給者にヘア描写の修正を要求、しかし配給者は映倫に再審査を要請、結局再審査委員会が修正要求を撤回した例外のケースとなった。規制問題は社会の変動期に大きく起こることが通例だが、映画のウェイトの低下や、2000年の深作欣二監督の『バトル・ロワイアル』(暴力表現があるため映倫が15歳未満の閲覧を禁止する「R15」に指定)にみられた観客の成熟によって、社会問題化することは少なくなった。
 また課題とされていたビデオ規制については、1995年(平成7)から日本ビデオ協議会、映団連、日本映像ソフト協会による映像倫理協議会が審査にあたることになったが、申請を求めないソフトが多く、新たな課題になっている。
 映倫管理委員会の構成は、管理委員長以下管理委員5名、専門審査委員(日本映画部門、外国映画部門、宣伝広告担当)8名内外、事務局長1名よりなり、審査料の徴収によって経費をまかなっている。18歳未満の観覧を禁止する「成人映画」の指定と、中学生以下の観覧を禁止する「一般映画制限付(R)」の指定(R指定、1976年~)、12歳未満の場合は親または保護者の指導が望ましいとする「PG12」の指定(1998年~)などを行っており、また、諮問機関に「青少年映画審議会」を設け、優良映画の推薦や、問題についての助言をしている。[千葉伸夫]
『遠藤龍雄著『映倫――歴史と事件』(1973・ぺりかん社) ▽内田剛弘編『愛のコリーダ裁判・全記録』上下巻(1980~1981・社会評論社) ▽内務省警保局編『映画検閲時報 大正14年7月~昭和19年2月』全40冊・複製版(1985~1986・不二出版) ▽桑原稲敏著『切られた猥褻――映倫カット史』(1993・読売新聞社) ▽『映画年鑑』各年版(時事映画通信社) ▽映倫管理委員会編・刊『映画管理委員会報告』各年版』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

えい‐りん【映倫】
〘名〙
① (「えいがりんりきてい(映画倫理規定)」の略称) 新憲法による国家検閲の廃止後、映画の社会的影響力を考慮して、映画の倫理的水準を映画界が自主的に規制した要綱
② (「えいがりんりきていかんりいいんかい(映画倫理規定管理委員会)」の略称) 日本で上映される映画の検閲を行なう民間団体。昭和二四年(一九四九)日本映画連合会が設立。同三一年解散したが、三二年に独立して発足。五名の民間委員からなり、社会風教上、または青少年の教育上有害と思われる部分の削除、訂正を勧告する。

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

映倫」の用語解説はコトバンクが提供しています。

映倫の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation