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春本【シュンポン】

デジタル大辞泉

しゅん‐ぽん【春本】
男女の情交のさまを扇情的に描写した猥本(わいほん)。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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世界大百科事典 第2版

しゅんぼん【春本】

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

しゅんぽん【春本】
男女の情交を描いた本。猥本。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

春本
しゅんぽん
性行為の場面を露骨に描写することを主眼とした読み物。好色本、枕草子(まくらぞうし)、笑い本、猥本(わいほん)、和印(わじるし)(読和(よみわ))、艶本(えんぽん)などの名もある。絵だけのもの、文字ばかりのもの、挿絵や口絵がついたものなどと形式もさまざまであれば、肉筆の巻子本(かんすぼん)であったり、浮世草子や洒落(しゃれ)本に似せた版本であったりと、体裁もまた多種多様である。全盛期は、木版による印刷技術が確立大成され、出版文化が盛行した江戸時代で、この時代の小説本のあらゆるスタイルでつくられているとみてよい。
 江戸時代以前にも、土佐派の絵師たちによる肉筆画の絵巻物が伝わるほか、木版印刷による中国本の翻刻物が残っているが、技術的な面から量産はむずかしかったようで、伝本はきわめて少ない。江戸時代になって整版印刷が行われるようになり、浮世草子が一般化すると、春本も飛躍的に量産化し、菱川師宣(ひしかわもろのぶ)、鳥居清信(きよのぶ)、奥村政信(まさのぶ)、西川祐信(すけのぶ)ら第一級の浮世絵師らが筆をとるようになって、以後、浮世絵の歴史と密接に関係する出版物となった。しかし1722年(享保7)の「出版条例」の制定によって取締りの対象となり、公刊の自由を失ってアングラ出版化した。
 錦絵(にしきえ)が発明されて大成した明和(めいわ)から寛政(かんせい)期(1764~1801)は、浮世絵の歴史でももっとも注目すべき時代であるが、この時代はまた春本の歴史にとっても一紀元を画した時代であった。鈴木春信(はるのぶ)、鳥居清長、喜多川歌麿(きたがわうたまろ)、細田栄之(えいし)、勝川春潮(しゅんちょう)らの名手が輩出し、新技法の多色刷りを生かして、写実的な情景表現で情感あふれる性生活を写し出すとともに、同工異曲の描写の弊を避けるため、話の展開や背景の設定にも新趣向を積極的に試み、奇想というべき珍奇なストーリーの作品も数多く生まれている。また版元の資本力の拡充もあって出版点数も多くなり、以後、文化・文政(ぶんかぶんせい)期(1804~30)以降のいわゆる退廃期の時代へと移っていき、絵師に歌川豊国(とよくに)、歌川国貞(くにさだ)、歌川国芳(くによし)、葛飾北斎(かつしかほくさい)、渓斎英泉(けいさいえいせん)らの名手を、作者として為永春水(ためながしゅんすい)、松亭金水(しょうていきんすい)らの合巻(ごうかん)や人情本の作者を得て、最盛期を迎えることとなったが、享楽的、刺激的な世相を反映して扇情的であくどい作品が横行し、明治時代になると、この傾向はさらに強くなった。
 享保(きょうほう)の出版条例以来、春本は一般的に醇風(じゅんぷう)良俗を乱すものとして猥褻(わいせつ)視され、公式には本屋や絵草紙屋の店頭から姿を消したが、貸本屋や小間物屋の手で出回り、「嫁入り本」の名があるように、性教育の一助ともなっていたことが注目される。[宇田敏彦]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

しゅん‐ぽん【春本】
〘名〙 男女の情交のさまを扇情的にうつした本。猥本(わいほん)。艷本(えんぽん)
※江戸繁昌記(1832‐36)三「春本、此如く劇だ貴き、是れ淫誨るにあらずや」

出典:精選版 日本国語大辞典
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