●時代区分【じだいくぶん】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
時代区分
じだいくぶん
Periodisierung
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デジタル大辞泉
じだい‐くぶん【時代区分】
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世界大百科事典 第2版
じだいくぶん【時代区分 periodization in history】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
時代区分
じだいくぶん
人間の生活は毎日毎日が同じような様相を呈している。今日は昨日の連続であり、明日は今日の連続である。しかし、それでも、小学校へ入学したとか、あるいは高等学校を卒業したとか、さらに結婚式をあげたなどをくぎりとすることができる。幼年期や青年期・老年期は生理的にいつからいつまでというぐあいにはっきりとはくぎれないが、こういう各種の行事によって人間の一生をくぎることは可能である。通過儀礼も、意識的に人生にくぎりを設定しようとするための社会による慣習である。個人は誕生したり死亡したりするが、人類の歴史は個々の人生や世代を包含しながら悠久に続いている。歴史も物理的時間としてはいつも同じようである。現在は過去の連続であり、未来は現在の延長である。しかし、長期的にみれば、歴史にはあるまとまった時間の幅で質的な変化がある。すなわち、量的には物理的時間は1000年前も今日も同様のものとしてとらえられるが、歴史の時間はその内容によって質的な違いをみいだしうる。イタリアの哲学者クローチェがいうように「歴史を考えることは歴史を時代区分することである」。歴史をそれぞれ質を異にする「時代」として区分することは歴史的認識の特徴となっている。
ヨーロッパにおいては一般に古代・中世・近代(近世)という3時代の区分が行われていた(古代・中世・近代の境をどこに置くかについてはさまざまな学説があるが)。これはもともとルネサンス期における歴史意識に由来する。古代が、復興されるべき理想的な文化を生み出した時代であるのに対して、近代は新しい時代であり、古代と近代との中間にある暗黒時代を中世としたのである。この三分法に前後の2時代を加えて、原始・古代・中世・近世・最近世の5時代に区分することを提唱したのはドイツの歴史家ブライジヒKurt Breisig(1866―1940)であり、この分け方が広く行われるに至った。ブライジヒの説の特徴は、諸民族は時間を異にしながらも、それぞれこの5段階を経過するとみたことである。似たような意味で、諸民族に共通する継起的な諸段階を設定する発展段階論が19世紀のドイツにおいてさまざまな形で提唱された。その場合、人間の経済生活の変化に着目する経済史的発展段階論が盛んであった。F・リストによる未開状態・牧畜状態・農業状態・農工状態・農工商状態という5段階区分や、K・ビュッヒャーによる封鎖的家内経済・都市経済・国民経済という3段階区分などが有名である。これに比べてより精密な区分として唱えられたのは、K・マルクスとF・エンゲルスの原始共産制・奴隷制・封建制・資本制という生産様式による区分である。これは原始時代・古代・中世・近代という区分にほぼ相応するといってよい。マルクスはこれを西ヨーロッパだけに限定されるとみていたが、マルクス以後のマルクス主義者は、これを世界史的な普遍的図式と受け取り、さらに社会主義を資本主義以後の段階としてこれに追加することが行われている。
日本の歴史については、王朝時代・武家時代といった支配層の交替による区分や、大和(やまと)時代・平安時代・鎌倉時代・室町時代・江戸時代といった政権の所在地による区分、さらに文学史では貴族文学・武士文学・平民文学という階層による分け方も行われた。ヨーロッパ史学の影響を受けて、福田徳三や内田銀蔵などによって日本史についても古代・中世・近代という三分法が採用された。このような区分が社会経済史学の進歩と唯物史観史学の発展と結び付き、現在では原始時代・古代・中世・近世・近代・現代という分け方が日本史学界における学説として有力である。このなかで、近世というのは江戸(徳川)時代をさす日本史独自の概念である。しかし奴隷制・封建制・資本制の開始期をどうみるかについて諸説がある。最近ではアメリカのロストウの経済成長を尺度とする5段階区分(伝統的社会・離陸のための準備期・離陸・成熟への前進・高度大衆消費社会)があり、その一部分は経済史家によって取り入れられている。あるいは近代と近代以前とに大別する考え方も現れている。
こうして時代区分にはさまざまな説があるが、一つの学説だけが正しいとみることはできない。時代区分というものは、あくまでも相対的なものである。古代ギリシア史でさえも、微視的にみれば、そのなかにまた古代・中世・近代という区分をすることができる。いまから数万年後の歴史家は、今日現代とよんでいるものを異なった時代に編入するであろう。時代区分というものも、あくまで今日の歴史学からする見方であり、しかも歴史の発展要因のどれに重きを置くかによる仮説である。
[斉藤 孝]
『林健太郎著『史学概論』新版(1970・有斐閣)』▽『斉藤孝著『歴史と歴史学』(1975・東京大学出版会)』
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図書館情報学用語辞典 第5版
時代区分
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精選版 日本国語大辞典
じだい‐くぶん【時代区分】
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