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暗黒星雲【あんこくせいうん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

暗黒星雲
あんこくせいうん
dark nebula
星間物質に含まれる星間塵ダスト)によって背後星雲や星の光が隠されている場合,その暗黒の部分をいう。分子雲星間分子ガス雲)と同じもので,主体は水素分子からなる低温のガス雲。電波では星間分子が出す分子線で,また遠赤外線ではダストが出す赤外線で輝く。星雲には,可視光で見るとほかの星の光の反射ないしはそれによる励起によって発光するものもあるが,そのような条件のない場合が暗黒星雲である。全天に広く散在し,オリオン座無定形星雲を浸食している馬頭暗黒星雲(→馬頭星雲),南十字星近くの天の川内にほぼ円形の暗黒部をつくっている石炭袋さそり座へびつかい座で天の川に不規則な模様を描いているへびつかい暗黒星雲などが知られる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

あんこく‐せいうん【暗黒星雲】
銀河系内星雲の一。低温で光を出さないガスや微粒子の集まり。背後の星の光を遮るため、そこだけ暗黒に見える。馬頭星雲(ばとうせいうん)など。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

あんこくせいうん【暗黒星雲 dark nebula】
天の川にはところどころ穴が空いたように星数の少ないところがある。これを暗黒星雲という。星間によって背景の星の光が吸収散乱されているのが原因である。オリオン座の馬頭星雲南天コールサック,はくちょう座の北アメリカ星雲ペリカン星雲の間のように散光星雲を背景にして見られるものも多い。暗黒星雲の大きさは,100光年以上のものから,0.2光年くらいの小さいものまである。大きな暗黒星雲では星間塵の密度は希薄で,小さな暗黒星雲では星間塵の密度が高く,その背景にある星の明るさは1等級から5等級の減光を受ける。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

暗黒星雲
あんこくせいうん
dark nebula

星間物質中のダスト(塵(ちり))が天体からの光を吸収し遮ることにより、空の上で周辺より暗く(黒く)見える部分のこと。暗黒物質(ダークマター)とは無関係。大きさは1分角以下のものから数度角にわたるものもあり、その形状も不規則で多様である。天の川に沿って観測される。

 暗黒星雲には、低温度の星間物質が濃く集まっている。その主成分は水素分子で、ダストは1%以下である。典型的な水素分子密度は1立方センチメートルあたり、1000ないし1万個で、温度は絶対温度10K程度である。質量は太陽質量程度のものから、その1万倍以上のものまである。電波観測から、暗黒星雲の中にさまざまな分子があることも知られている。このため、暗黒星雲は分子雲ともよばれる。ただし、暗黒星雲は可視光での見え方によって定義されるのに対し、分子雲は電波観測から定義されるので、その大きさや広がりは一致するわけではない。分子雲があってもそれを照らす星がなければ暗黒星雲としては見えない。暗黒星雲は星生成領域にあり、しばしば、発光星雲や反射星雲などと混在している。

 星は暗黒星雲の中で生まれるが、可視光では強い吸収のためにそのようすはほとんど見えない。吸収の少ない近赤外線で見ると、暗黒星雲の奥深くで誕生したばかりの星々の存在がわかる。また、さらに波長の長い中間赤外ないし遠赤外線で見ると、星間物質中のダストから発する熱放射によって暗黒星雲が「輝いて」見える。ハッブル宇宙望遠鏡などで、紫外線、可視光、赤外線を総動員して高分解能の写真をとると、暗黒星雲の中で生まれた大質量星からの強力な紫外線によって星間物質の一部が昇華して、密度の高い部分だけが柱状に残る構造や、生まれたばかりの星からジェットが噴き出しているようすなどが見られる。

[岡村定矩]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

あんこく‐せいうん【暗黒星雲】
〘名〙 銀河系内の星雲の一つ。宇宙塵や星間ガスの集合体で発光せず、後方にある発光星雲をさえぎることによりそれ自身の形を黒く浮き上がらせているもの。オリオン座の馬頭星雲、射手座の無定形星雲、白鳥座の北アメリカ星雲など。

出典:精選版 日本国語大辞典
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知恵蔵

暗黒星雲
星雲」のページをご覧ください

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

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