●暗黒星雲【あんこくせいうん】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
暗黒星雲
あんこくせいうん
dark nebula
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デジタル大辞泉
あんこく‐せいうん【暗黒星雲】
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世界大百科事典 第2版
あんこくせいうん【暗黒星雲 dark nebula】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
暗黒星雲
あんこくせいうん
dark nebula
星間物質中のダスト(塵(ちり))が天体からの光を吸収し遮ることにより、空の上で周辺より暗く(黒く)見える部分のこと。暗黒物質(ダークマター)とは無関係。大きさは1分角以下のものから数度角にわたるものもあり、その形状も不規則で多様である。天の川に沿って観測される。
暗黒星雲には、低温度の星間物質が濃く集まっている。その主成分は水素分子で、ダストは1%以下である。典型的な水素分子密度は1立方センチメートルあたり、1000ないし1万個で、温度は絶対温度10K程度である。質量は太陽質量程度のものから、その1万倍以上のものまである。電波観測から、暗黒星雲の中にさまざまな分子があることも知られている。このため、暗黒星雲は分子雲ともよばれる。ただし、暗黒星雲は可視光での見え方によって定義されるのに対し、分子雲は電波観測から定義されるので、その大きさや広がりは一致するわけではない。分子雲があってもそれを照らす星がなければ暗黒星雲としては見えない。暗黒星雲は星生成領域にあり、しばしば、発光星雲や反射星雲などと混在している。
星は暗黒星雲の中で生まれるが、可視光では強い吸収のためにそのようすはほとんど見えない。吸収の少ない近赤外線で見ると、暗黒星雲の奥深くで誕生したばかりの星々の存在がわかる。また、さらに波長の長い中間赤外ないし遠赤外線で見ると、星間物質中のダストから発する熱放射によって暗黒星雲が「輝いて」見える。ハッブル宇宙望遠鏡などで、紫外線、可視光、赤外線を総動員して高分解能の写真をとると、暗黒星雲の中で生まれた大質量星からの強力な紫外線によって星間物質の一部が昇華して、密度の高い部分だけが柱状に残る構造や、生まれたばかりの星からジェットが噴き出しているようすなどが見られる。
[岡村定矩]
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精選版 日本国語大辞典
あんこく‐せいうん【暗黒星雲】
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