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月経【げっけい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

月経
げっけい
menstruation
健康な成熟女性に一定の周期で規則的に起る生理的な子宮出血で,初潮から閉経まで個人差はあるが約 30~40年続く。1回の持続期間は3~7日間。初日から次回月経の前日までの周期は 28~30日間であるが,25~38日間は正常範囲。出血全量は 50~100ml。月経周期の前半には,視床下部の刺激で卵胞刺激ホルモン分泌されて,卵胞が発育し,その結果,卵胞ホルモンが分泌されて子宮内膜を増殖させる。月経周期のなかばに,視床下部の刺激で下垂体前葉から黄体形成ホルモンが一時的に多量分泌され,排卵が起って卵胞は黄体に変化し,黄体ホルモンを分泌する。子宮内膜は海綿状に変化し,分泌腺の活動が活発になって,受精卵着床の準備をする。黄体は約2週間後に退縮し,黄体ホルモンと卵胞ホルモンの分泌が急激に減少するため,子宮内膜の血管が収縮し,組織の一部が壊死を起し,粘膜の一部がはがれて,血液とともに排出される。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

げっ‐けい【月経】
思春期以後の女性で、卵巣周期に伴う性ホルモンの変化により子宮粘膜が周期的に変化し、受精卵の着床がないと、平均28日ごとに内膜剝離(はくり)して出血すること。数日間持続する。月のもの。生理。経水。メンス

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

月経
 性的に成熟した女性で,性周期にともなって肥厚した子宮内腔が妊娠しない場合に剥離し出血する現象

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

げっけい【月経 menstruation】
メンスまたは単に〈生理〉ともいう。女性の性成熟期を通じ,妊娠,産褥(さんじよく)期を除いて,一定の周期をもって規則正しく発来する,子宮内膜からの生理的出血のことで,女性にみられる性周期現象の一部である。性周期は,間脳・脳下垂体‐卵巣系における神経系と内分泌系との間の,一種の生体自動調節機構によってもたらされるもので,脳の視床下部脳下垂体前葉と卵巣とが相互に作用しあい,それぞれからのホルモン分泌が巧妙に調節されて起こる。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

月経
げっけい
menstruation
menses

一定間隔をもって周期的に反復する子宮体内膜からの出血をいう。脳の視床下部や下垂体と卵巣から分泌されるホルモンによって互いに作用しあい調節されておこるもので、一般には女性が性成熟期にあることを示す生理現象とみられ、俗にメンスまたは「生理」ともよばれる。

[新井正夫]

月経周期とホルモン

月経周期は、月経出血開始の初日から次回月経出血開始の前日までの日数をいい、月経出血が終わってから数えるのではない。正常範囲は25~38日と考えてよく、基礎体温の低温相に相当する卵胞期がだいたい13~24日、高温相に相当する黄体期はだいたい11~15日を正常とみてよい。また、月経持続日数は3~6日であり、大部分が7日以内に自然止血する。

 月経が正常か異常かを判定する基準として、(1)その月経出血の開始が正常の月経周期に一致していたかどうか、(2)月経出血の量と持続日数が正常かどうか、(3)その月経に先行して排卵があったかどうか、以上の3点があげられる。したがって、その月経が前回月経の初日から数えて24~39日目の間に開始しており、前回排卵後10~18日目に出血がみられ、7日以内に自然止血した場合、その月経は正常というわけである。ただし、排卵の有無は基礎体温でも測定していなければ一般にはわからないので、月経周期と出血持続日数の二つを目標に判断してよい。無排卵性月経の場合は、出血持続日数が8日以上になることが多い。なお、現象的あるいは外観的に排卵性と無排卵性を区別することは困難であり、しかも無排卵性月経を正常というわけにもいかないところから、月経の定義では生理的出血であると強調するのを避けている。実際には無排卵性月経も含めて月経とよんでいるわけで、無排卵性の場合は不妊症の原因となるほかは日常生活には支障がなく、必要に応じて排卵誘発法が行われる。

 卵巣には排卵作用があり、だいたい毎月1回1個の卵子をつくりだすが、これがないと普通月経はおこらない。また、子宮体内膜は月経前になると肥厚して柔軟になるが、これは受精卵を着床(妊娠)しやすくするための準備であり、これには卵胞ホルモンが関係している。すなわち、月経周期の前半にまず視床下部に支配される下垂体前葉から卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌され、これが卵巣に達すると、卵巣内の卵胞が発育し、卵胞ホルモンを分泌する。これによって子宮体内膜が増殖する一方、卵胞ホルモンの血中濃度がピークに達すると、下垂体からのFSHが抑制され、今度は黄体形成ホルモン(LH)の分泌が促されるようになる。これが卵巣に達すると、卵胞が成熟して卵巣を飛び出し、いわゆる排卵がおこったあとの卵巣内に黄体とよばれる黄色の組織ができ、黄体ホルモンを分泌するようになる。これは月経周期の後半に相当し、黄体ホルモンは子宮体内膜を肥厚させ、血管の発育を促進して柔軟さを加え、妊娠しやすい状態をつくらせる。しかし、受精がおこらない場合は、黄体が衰えて黄体ホルモンを分泌しなくなり、増殖した子宮体内膜が剥離(はくり)して出血をおこす。これが月経である。もしも受精卵が子宮体内膜に着床すると、黄体は妊娠黄体となって、妊娠状態が順調に続くように黄体ホルモンを継続して分泌する。したがって、妊娠すると月経が止まるわけであり、月経があれば妊娠していないことになる。

 なお、妊娠のほか、産褥(さんじょく)や授乳期にも月経はみられないが、これを生理的無月経という。要するに月経とは、卵巣機能によっておこる子宮体内膜の変化の一兆候なのである。

[新井正夫]

開始期

初めての月経を初潮または初経という。そのおこる年齢は、気候、文化、社会環境、体格、栄養などによって異なる。日本人では第二次世界大戦後だんだん早まり、だいたい12~13歳においてである。10歳未満、とくに8歳以前にみられる場合は、早発月経、早発思春期あるいは思春期早発症、性早熟症などとよばれ、異常とされる。逆に16~18歳になっても初経のみられない場合も異常とされ、思春期遅発症あるいは晩発月経とよばれる。

[新井正夫]

経過と性状

普通は出血が徐々に現れ、徐々に止血するが、第2日目の出血量がもっとも多く、しだいに減少する。中休みするなど個人差もある。月経前には帯下(たいげ)(おりもの)が増加し、月経に近づくにつれて赤色を帯び、ついに血液様となる。月経血は俗に経血ともよばれ、その性状は静脈血よりさらに暗赤色を呈し、乾燥すると褐色にみえる。鮮紅色の場合は異常である。また凝固性に乏しく流動性で、長時間放置しても凝固しない。これは、子宮腟(ちつ)内でいったん凝血したのち、血中にあらかじめ存在したプラスミノーゲンが活性型のプラスミンになり、線維素フィブリンを溶解して血液が流動性になったものであり、凝血が混じる場合は病的に多量なときである。さらに経血は弱アルカリ性を示し、一種の臭気がある。このにおいは血液の分解物、外陰部の皮脂腺(せん)分泌物などによる。なお、出血量は個人差が大きく、普通は100cc前後である。

[新井正夫]

症状

月経に伴う症状にも個人差があり、健康な人でも多少の症状がみられる。下腹部が張ってきて重苦しいとか、腰痛や頭痛、下肢がひきつる、全身がだるい、乳房が張って痛むなどのほか、まれに発疹(ほっしん)(月経疹)を生じたり、神経過敏で興奮しやすくなり、情緒の安定を欠くこともある。これらをまったく感じない人もあるが、また程度の激しいものは異常とみなければならない。月経前7~10日ごろからおこるものを月経前症候群という。

[新井正夫]

摂生

月経時には、細菌が感染して繁殖しやすく、精神的、肉体的にも抵抗力が弱まっていて、過労や不摂生で病気をおこしやすい。とくに淋疾(りんしつ)をはじめ、肺結核や喘息(ぜんそく)のほか、胃潰瘍(かいよう)、胆石症、皮膚病、リウマチ、てんかんなどの人も病状が悪化しやすいので、注意する必要がある。

[新井正夫]

処置

経血はつねに流れ出すので、これを受けるものを外陰部にあてがう必要がある。これが月経帯で、生理用品としてタンポンやナプキンが市販されている。腟の洗浄などはする必要がなく、むしろしてはならない。入浴も好ましくなく、性交は衛生的にもよくない。行水やシャワーで体を清潔にするのはよい。なお、初潮の近い娘には母親から体験を交えて話し、十分に理解させておく。小学校でも適期の女子を集めて指導している。

[新井正夫]

周期の調整

月経周期の後半に黄体ホルモン剤を毎日連用すると予定の月経が延び、服用中止後2~3日で月経がおこる。早める場合は月経周期の前半5日目ころから約5日間連用し、中止後2~3日で無排卵性月経をおこす。これは、だれでも成功するとは限らないばかりか、乱用すると異常をきたすので、医師に相談するのが望ましい。

[新井正夫]

月経異常

月経周期や出血持続日数の長さをはじめ、初潮と閉経の時期、出血量の多少、随伴症状の激しさなど、正常範囲外にあるものを総称して月経異常とよぶ。おもなものを次に列挙する。

(1)無月経 成熟女性で月経のみられないものをいい、生理的なものと病的なものがある。満18歳を過ぎても初経をみないもの(それまでに1、2回しか月経様出血のなかったものも含む)をはじめ、以前あった月経が2か月以上みられない場合などがある。

(2)希発月経 月経周期が正常よりも長いものをいい、39日以上から8週以内に延長した状態である。

(3)頻発月経 月経周期が正常よりも短いものをいい、24日以内に次の月経がみられる状態である。

(4)不整周期 月経周期が毎回8日以上変動する場合で、やはり月経周期の異常である。

(5)過多月経 月経の出血量が多すぎるもので、月経過剰ともいう。毎回出血量が多すぎる場合は過多月経症とよばれる。月経持続日数も長くなりがちで、7日以上になる過長月経や頻発月経としばしば同時にみられる。なお、過多月経の経血には凝血の混じることが多く、貧血を引き起こすこともある。

(6)過少月経 月経の出血量が少なすぎるものをいい、月経持続日数が2日以内という過短月経や希発月経と同時にみられることが多い。血性帯下だけで終わることもある。

(7)月経困難症 月経随伴症状が日常生活に支障をきたすほど異常に強いものをいう。随伴症状のうち、とくに下腹痛や腰痛など痛みについてのみ注目する場合は月経痛とよぶ。また、月経前7~10日から症状が現れ、月経開始とともに消失する場合は月経前症候群とよんでいる。

(8)代償性月経 鼻出血など子宮以外の部位に周期的な出血が毎月みられるもので、無月経の女性にまれにおこる。このような出血が月経時にみられるものは、補充月経という。

(9)早発閉経 月経が消失することを閉経というが、正常よりその時期が異常に早いものを早発閉経または早期閉経とよぶ。一般に40歳以前の閉経をさす。病態としては原発性無月経と同じものである。

(10)晩発閉経 56歳以後に閉経したもので、遅発閉経ともいう。閉経年齢は時代とともに多少延長しており、晩発閉経は卵巣機能の低下というよりも亢進(こうしん)を意味するわけで、かならずしも病態とはいえない面もある。

[新井正夫]

民俗

少女に初潮があると、親が赤飯を炊いて家族で祝ったり、餅(もち)を搗(つ)いて近隣に配る風習が広く行われる。少女が一人前の女性に成長し、結婚可能な状態に達したことを祝福し、社会的にも認めてもらうためである。ところが一方、出産や月経は血忌み、赤不浄(あかふじょう)などといって、古来、穢(けがれ)と考えられてきた。神社の鳥居をくぐらず、神棚の前を通ったり井戸に近づくこともしなかった。神事に際しては、本人が参加できないばかりか、夫が神役にあたっていると、月経中の家族を親戚(しんせき)に預ける所もあった。漁師や山仕事をする人たちの間では、血忌みに対して敏感で、家族に月経の者があると獲物(えもの)がないといって休むことがあった。その期間の女性は、台所や土間などで家族と別に食事をしたり、別の竈(かまど)や鍋(なべ)で煮炊きしたものを食べたりした。瀬戸内海の島々や伊豆諸島などには、月小屋、他火(たび)小屋、不浄小屋などといって、その期間の女性が隔離生活を送る小屋が第二次世界大戦前まであった。産小屋(さんごや)(産屋(うぶや))と共通の場合もある。

 自然の摂理である月経を、なぜ不浄視したのかについては諸説がある。血液神聖観の裏返しであるとか、男性原理による差別であるとか、仏説に基づくなどが考えられてきた。民族差も認められるようである。生命力の源である血液が、外傷や吐血によって失われて衰弱するのになぞらえて、出血をすべて穢とみたのが始まりではないか。それが社会観や宗教観と結び付いたものと思われる。

[井之口章次]

人類学からみた月経

月経や出産を穢(けが)れたもの、不浄なものと考え、それゆえ危険をもたらすものとみなして、月経中の女性の行動に規制を加えたり、物理的に隔離したりする社会は世界中に数多く存在する。その傾向がもっとも顕著な例は、男女の対立が明確に認識され、居住空間も厳密に区別されているニューギニア高地諸部族であって、マエ・エンガ人の場合、男性は月経血や月経中の女性に触れると重い病気になり、月経血が男性の血液中に入るとたちまち死ぬと信じられ、月経血は邪術にも使われる。それゆえ、月経中の女性は月経小屋に隔離され、自分で食物を集め、調理しなければならない。また月経中の食物は女性が栽培するものに限られており、男性の栽培する畑に入ると作物が枯れるといわれている。一方で北アメリカの先住民ユーロクのように、女性が月経小屋にこもる間、夫はサウナ小屋にこもって力の増大を図るといった、男性側の隔離をも伴う社会もある。初潮に際してなんらかの儀礼が行われる社会も数多くみいだされ、いずれも少女から妊娠可能な女性への地位の移行を本人と集団の成員に認知させる機能をもつ通過儀礼である。月経がなぜ穢とされるかは各民族により異なっているが、人類学的視点からみた場合、月経のもつ両義性が注目される。

 まず月経血は、他の排泄(はいせつ)物、切られた髪、爪(つめ)などと同様、身体に属するようで属さないという両義性をもつ。それに加えて、月経は女性のもつ両義性の象徴でもある。すなわち、女性はある文化に属する「文化的」な存在であると同時に、自然の豊饒(ほうじょう)性、多産性をもった「自然的」な存在でもあって、出産あるいは月経中の女性においてその両義性がとくに顕著に現れることになる。異なるカテゴリーの間で両義性・あいまい性をもつものが不浄視されタブーとされることでカテゴリー間の差異が明白にされる、という現象は、多くの文化で普遍的にみられるが、月経が穢とされるのも、月経のもつ両義的な性格によるところが大きいと考えられる。

[上田紀行]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

げっ‐けい【月経】
〘名〙 性成熟期の女性にみられる生理現象で、一定間隔をおいて周期的に反復する子宮内膜からの出血。生理。経水。メンス。月事(げつじ)。つきのもの。つきやく。月水。〔医語類聚(1872)〕〔本草綱目‐人部・婦人月水・釈名〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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