●月見【つきみ】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
月見
つきみ
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デジタル大辞泉
つき‐み【月見】
2 卵を落とし入れた料理。卵黄を月に見立てていう。月見とろろ・月見饂飩(うどん)・月見蕎麦(そば)など。
3 近世、成人の祝儀の一。女子の鬢除(びんそ)ぎ、男子の袖止めの祝い。ふつう、16歳の6月16日に行い、その夜、月に供えた饅頭に穴をあけ、その穴から月見をした。
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世界大百科事典 第2版
つきみ【月見】
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つきみ【月見】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
月見
つきみ
月を眺め賞することであるが、一般には八月十五夜、九月十三夜の月を祀(まつ)ることをいう。岩手県、熊本県では正月の十五夜を月見とする所もある。
月見には、月見団子と、その年収穫したいも(サトイモ、サツマイモ)やクリなどの畑作物を供え、ススキを飾る所が多い。八月十五夜を芋名月、九月十三夜を豆名月ともいい、8月の月見をすれば、9月の月見もかならずするものだという所がある。どちらか一方のみをすることを、片月見といって忌み、東京などでは片月見は災いがくるといって忌んでいた。福岡県の海岸地方では九月十三夜を女名月といい、この日は女が幅を利かす日だと伝えている。これは、中国で八月十五夜を中秋節といって、女の祭りとされているのと関連するのかもしれない。中国でも月餅(げっぺい)やスイカ、ナシ、カキなどの丸い果実を月に供えているが、日本の月見の供物も同様である。
長野県には、小麦の月見ということばがあり、八月十五夜の晩、天気がよければ小麦が豊作、あるいは稲の中手がよいとも伝えている。小麦の名月は、佐渡では6月15日の満月で、この夜、小麦の団子を供えるという。
月見の供物は、どこの家のものでもとってよいという地方は多い。東京近郊でも子供にとられると縁起がよいと伝えている。長野県では襷(たすき)一杯だけは、供物だけでなく、畑作物でもこの夜はとってよいという。襷一杯とは、襷で結ぶことのできる量ということである。大阪などでは前掛け一杯のものならよいと伝えている。これだけは公然と盗んでもよいというわけである。今日ではこの行為は、教育上よくないといって学校で禁じているが、本来は、盗みは、この夜訪れてくる神に盗まれること、すなわち神に受納されたと理解し、盗まれることを喜んでいたのである。
十五夜の月の光によって1年の運を占う風(ふう)もある。沖縄では、八月十五夜にフチャギという小豆(あずき)を表面につけた餅(もち)をつくり、集落全体が見渡せる小高い所に登り、月に照らし出された家々を眺める。栄える家は暗く沈み、厄(やく)のある家は、家の中まで明るく見えるという。岩手県、熊本県、岐阜県などでも、正月十五夜の晩、月の光に映し出された自分の影を見て、1年の運を卜(ぼく)する風があった。影に首のない者は、その年のうちに死ぬというのである。1年の占いをすることは、この夜が年の境であったことを示すもので、八月十五夜の月見も、年越しの一つの習俗だったのである。
[鎌田久子]
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精選版 日本国語大辞典
つき‐み【月見】

(2)暦の普及以前月々の満月の日はいわば折り目の日であり、元来日本人はこの日の月を大事にしていた。特に陰暦の八月一五日は初穂祭で、民間では農耕儀礼の一つとしての意味合いが濃い。八月一五日を芋名月、九月一三日を豆名月・栗名月と呼ぶのも農作物との関わりを示している。
(3)八月一五日の供え物として、里芋と並び最も広く行なわれているのは月見団子である。中国の月餠にならったものといわれるが、芋に似た形のもの、平たいものなど地方によりさまざまである。
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