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服従【ふくじゅう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

服従
ふくじゅう
支配者や支配集団の命令や意図に従って行動することをいう。支配=服従関係が成立するためには,最小限度の服従行為を前提とする。したがって支配者は服従を調達するため次の3つのものを媒介として支配体制を確立しようとする。それは,(1) 暴力,(2) 諸価値の配分,(3) 政治的神話とイデオロギーである。 (1) を媒介とするとき恐怖による服従=忍従が成立し,(2) を媒介とするとき利益や反対給付を期待する服従=功利的服従が成立する。 (3) は恐怖や利害をこえた象徴やイデオロギーの是認に基づく服従=信従,賛従であり,権力者にとって最も歓迎すべき服従タイプである。もちろんこの3つのタイプは類型にすぎず,「恐怖による服従」から「合意による服従」までの間にさまざまな服従タイプが想定される。 (→支配 )

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デジタル大辞泉

ふく‐じゅう【服従】
[名](スル)他の意志や命令に従うこと。「山ではリーダーに服従する」「絶対服従

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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デジタル大辞泉プラス

服従
フランスの小説家、ミシェル・ウェルベックの小説。2015年刊行。2022年にムスリムがフランス大統領となる、という設定の近未来小説。作品の発表当日、パリイスラム過激派により風刺週刊紙シャルリー・エブドの編集部が襲撃される事件が発生。同紙の当日の一面に本作を題材とする戯画が掲載されていたことなどもあり、ベストセラーとなる。原題《Soumission》。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

ふくじゅう【服従】

出典:株式会社平凡社
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最新 心理学事典

ふくじゅう
服従
obedience
階層的な社会システム(政府,軍隊,企業,家族など)において,人が自分より高地位にある他者からの命令や指示に従うことを服従という。とくに権威authorityに対する服従は,明確な形の社会的影響として理解される。ミルグラムMilgram,S.(1983)は,1960年代初頭に行なった一連の実験的研究において,人が権威者から特定の他者に危害を加えるように指示された場合,いかなる条件のもとで服従するのかを明らかにしようとした。代表的な実験の一つでは,「学習実験」という名目で募集した一般市民を大学の実験室に招いた。実験参加者は教師役とされ,学習課題で間違った回答をした参加者(教師役と通じて生徒役になりすました者,いわゆるサクラ)に対して,電気ショックを罰として与えることが実験者から指示された。参加者は,生徒役が間違った回答をするごとに1段階強い電気ショックを与えるように求められた。生徒役は与えられた電気ショックの水準に応じて,嫌がったり中止を求める演技を行なった。参加者が実験続行に懸念を示した場合,実験者は「お続けください」などと続行を指示した。服従の指標は,実験参加者が続行を拒否した時点までに与えた電気ショックの強さである。ミルグラムは,このような実験場面のもとで条件を変えて20以上の実験を実施したが,最も重要な結果の一つは,多くの参加者が予想以上に強い電気ショックを与えたという事実である。精神科医の予想を大きく上回り,たとえば,隣の部屋にいる生徒役の姿が曇りガラスを通してぼんやり見える程度で声は聞こえない条件(遠隔条件)の場合,65%の実験参加者が,最も強い水準の電気ショックを与えるまで続けたのである。これに加えて,実験条件によって服従率が0%から93%まで大きく変動したという事実は,個人の行動が状況的要因(実験者の指示内容,課題の性質など)によって強い影響を受けることを明確に示している。ただし,実験の途中で権威に対する不服従を示した被験者も少なからず存在したことも事実であり,個人の性格や価値観などの要因も無視することはできない。

 ミルグラムは,前述の実験場面で服従が生み出される過程について検討している。第1は社会文化的要因である。一般に人は社会化の過程で,権威(両親,教師,医師,警察官など)に服従すべきことを学習している。したがって,応募してきた参加者は,心理学の実験に参加する際にも,自分は信頼できる実験者の指示に従うべきであると考える傾向がある。第2に,実験場面においては,さまざまな拘束要因の影響により,権威の命令に背くことが困難になる。たとえば,一定の報酬のもとで実験に参加することを了解しているので,参加者は,自ら中止を申し出ることは礼を失すると考えてしまう。また,しだいに強い電気ショックを与えるという手続きによって,参加者はしだいに自分の行為を正当化するようになる。第3は代理状態agentic stateへの移行である。これは,他人の要望を遂行する代理人と自らをみなしている状態を指す。代理状態においては,権威の指示にのみ注目し,権威が提供する行為の定義(心理学実験における実験者の役割)を受け入れ,それに伴って自らの行為に責任を感じることが少なくなる。また,他者を傷つける行為を実践しても,自己像を傷つけることがない。

 軍隊や企業など現実社会における階層的社会システムの中では,権威への服従への圧力はさらに強く働き,またその影響も甚大である。服従の研究は,戦争における上官の命令による一般市民への攻撃をはじめ,航空機のコクピットにおける機長や,医療場面における医師など,権威が強すぎることの否定的側面とその心理的メカニズムを理解するうえで重要な貢献をしている。
〔安藤 清志〕

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