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朗詠【ろうえい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

朗詠
ろうえい
歌謡の一種。和漢の詩文に旋律をつけ, (しょう) ,篳篥 (ひちりき) ,横笛伴奏で歌うこと。漢詩朗吟することは古くから行われたと思われるが,平安時代中期,源雅信が菅原文時に命じて書かせた辞表の佳句を一定のをつけて詠吟したのが狭義の詠の始りといわれ,これから根本朗詠7首が生れたという。これは貞元2 (977) 年にあたり,まもなく宮廷で盛んに朗詠が行われ,これをもとに『和漢朗詠集』が編纂された。その後,藤原忠実,藤原宗能によって「朗詠九十首」が選ばれ,藤家と源家の両家のが行われた。宮廷の節会などには必ず行われ,平安末期~鎌倉時代に盛行をきわめた。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ろう‐えい〔ラウ‐〕【朗詠】
[名](スル)
詩歌などを、節をつけて声高くうたうこと。吟詠。「人麿の歌を朗詠する」
平安中期から流行した歌謡で、漢詩文の一節を朗吟するもの。中世以降、雅楽化された。詞章となる詩歌を収めたものに「和漢朗詠集」などがある。

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世界大百科事典 第2版

ろうえい【朗詠】
雅楽の歌謡(うたいもの)の一つ。漢詩にフシをつけて朗誦し,これに笙,篳篥(ひちりき),横笛(竜笛)など雅楽の管楽器助奏を行う。催馬楽(さいばら)に比べると拍節も定かではなく,むしろ,ゆるやかに流れるフシのみやびやかさを鑑賞すべく考案されたもののようである。宇多天皇の孫にあたる源雅信(920‐993)がそのうたいぶりのスタイルを定め,一派を確立したと伝えられており,その後,雅信を流祖とする源家(げんけ)と,《和漢朗詠集》《新撰朗詠集》の撰者藤原公任,藤原基俊などの流派である藤家(とうけ)の2流により,それぞれのうたいぶりや譜本を伝えた。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ろうえい【朗詠】
スル
詩歌を声高らかにうたうこと。朗吟。 漢詩を-する
雅楽の一。漢詩に曲節をつけてうたう自由なリズムの謡物。平安以降、管弦の遊びの折などに行われた。その詞章となる詩歌を集めたものに「和漢朗詠集」「新撰朗詠集」などがある。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

朗詠
ろうえい
雅楽の声楽種目名。謡物(うたいもの)として催馬楽(さいばら)と並んで平安時代につくられ、唐楽管絃(かんげん)で演奏される。広義の郢曲(えいきょく)にも含まれる。地方の民謡を詞章とした拍節的な催馬楽に対して、朗詠は二節一連の漢詩を用い、自由拍子で拍節はない。漢詩を一ノ句から三ノ句に分け、各句の初めを独唱、「付所(つけどころ)」の指示がある箇所からは笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・竜笛(りゅうてき)(各一管)の付奏により斉唱で謡われる。笙は合竹(あいたけ)ではなく一本吹。
 源雅信が一定の曲節をつけたという『極楽尊』『徳是北辰(とくはこれほくしん)』などを根本七首と称す。のちに曲目が増え、藤原宗忠・忠実(ただざね)らは『朗詠九十首抄』、藤原公任(きんとう)は『和漢朗詠集』を著した。平安から鎌倉初めにかけては、神楽歌(かぐらうた)・催馬楽、やがては今様(いまよう)も含めて広く郢曲として宮廷貴族に親しまれる。歌法には源家(げんけ)と藤家(とうけ)があったが藤家は絶え、明治時代に宮内庁で演奏すべきものとして『嘉辰(かしん)』『東岸(とうがん)』『徳是(とくはこれ)』『二星(じせい)』『池冷(いけすずし)』『暁梁王(あかつきりょうおう)』『紅葉(こうよう)』『春過(はるすぎ)』『新豊(しんぽう)』『松根(しょうこん)』『九夏(きゅうか)』『一声(いっせい)』『泰山(たいざん)』『花上苑(はなじょうえん)』が撰定(せんてい)された。[橋本曜子]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ろう‐えい ラウ‥【朗詠】
[1] 〘名〙
① 声高くうたうこと。
※菅家文草(900頃)五・牡丹「朗詠叢辺立、悠々忘日斜」 〔孫綽‐天台山賦〕
② 漢詩文の二節一連のものや和歌などに曲節をつけてうたうこと。また、朗吟するための詩歌、歌曲。朗詠を集めたものに、藤原公任の「和漢朗詠集」、藤原基俊の「新撰朗詠集」などがある。
※菅家文草(900頃)一・九日侍宴、同賦喜晴、応製「請歌聖代之明時、将頌臣之朗詠
※金刀比羅本保元(1220頃か)下「笛吹き朗詠(ラウヱイ)して、泣々心を慰けり」
※虎明本狂言・牛馬(室町末‐近世初)「月平砂をてらせば、夏の夜の霜と、此両牛の声をきき、朗詠にもつくられたり」

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