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朝三暮四【チョウサンボシ】

デジタル大辞泉

ちょうさん‐ぼし〔テウサン‐〕【朝三暮四】
《中国、の狙公(そこう)が、飼っているにトチの実を与えるのに、朝に三つ、暮れにつやると言うと猿が少ないと怒ったため、朝に四つ、暮れに三つやると言うと、たいそう喜んだという「荘子斉物論などに見える故事から》
目先の違いに気をとられて、実際は同じであるのに気がつかないこと。また、うまい言葉や方法で人をだますこと。朝四暮三。
生計。くらし。
「己れが―に事欠かぬ限りは」〈魯庵社会百面相

出典:小学館
監修:松村明
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日本大百科全書(ニッポニカ)

朝三暮四
ちょうさんぼし

詐術で人を愚弄(ぐろう)すること。中国、宋(そう)に狙公(そこう)という人があり、自分の手飼いのサル(狙)の餌(えさ)を節約しようとして、サルに「朝三つ、夕方に四つ与えよう」といったら、サルは不平をいって大いに怒ったが、「それでは朝四つ、夕方三つにしよう」というと、サルはみな大喜びをした、と伝える『列子』「黄帝篇(へん)」の故事による。このエピソードに続けて、「聖人の智(ち)を以(も)って愚衆を籠絡(ろうらく)するさまは、狙公の智を以って衆狙を籠するが如(ごと)し」とある。転じて、目先の差別のみにこだわって、全体としての大きな詐術に気づかぬことをいう。

[田所義行]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ちょうさん‐ぼし テウサン‥【朝三暮四】
〘名〙
① 中国の狙公が手飼いの猿に芧(とち)の実を与えるのに朝三つ暮れに四つとしたところ、少ないと猿が怒ったので、朝四つ暮れに三つとしたら喜んだという「荘子‐斉物論」などの故事。眼前の差別にだけとらわれて、結局は同じであることを知らないこと、詐術をもって人を欺き愚弄すること、当座しのぎに適当にあしらうことの意などに用いられる。朝四暮三。
※清原国賢書写本荘子抄(1530)一「朝三暮四と云も七ぞ、朝四暮三も七ぞ、名も七つ、本の芧(とち)の数も七ぞ」
② (転じて) 生計。くらし。
※太平記(14C後)三八「朝(テウ)三暮(ボ)四の資(たすけ)に心有る人もがなと、身を苦しめたる有様」

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ことわざを知る辞典

朝三暮四
表面的にやり方を変えただけで、実質は同じであることに気づかないこと。また詐術をもって人を欺き愚弄すること、当座しのぎに適当にあしらうこと。

[解説] 中国のこうが手飼いの猿にとちの実を与えるのに朝三つ暮れに四つとしたところ、少ないと猿が怒ったので、朝四つ暮れに三つとしたら喜んだという「荘子―斉物論」などの故事によることば。

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四字熟語を知る辞典

朝三暮四
結果的には何も変わらないのに、名目などを変えてごまかすたとえ。

[使用例] しかも(争議の調停案の)第三項は、別途協議を進めよとあるが、如何なる別途協議の方法があるのか、朝三暮四、同じことである[高橋和巳*我が心は石にあらず|1964~66]

[使用例] 古来、政治家の朝三暮四的スリカエの方法には、自分たちにとってあまり触れられたくない事があると、その週の別の事件を大きくみせてそれに民衆の関心をそらすというやり方がある[遠藤周作*勇気ある言葉|1976]

[使用例] “進歩”だろうと“保守”だろうと、根源的な思考ができない限り、朝三暮四に怒り、朝四暮三に喜ぶサルと同じなのだ[呉智英*サルの正義|1993]

[解説] 高校の漢文の授業で真っ先に習う故事のひとつです。教科書には、中国・戦国時代の書物「列子」から引いた文章が載っています。
 宋の国にこう(猿おじさん)と呼ばれる人がいました。多くの猿を飼い、意思の疎通もできました。自分より猿を大事にしていましたが、貧乏になったため、餌のドングリを減らそうとします。
 「朝に三個、夕方に四個で足りるか」と猿たちに尋ねたところ、みな激怒。そこで「朝に四個、夕方に三個」と再提案すると、どの猿も大喜びしました。
 「列子」では、その後に教訓が続きます。賢い人が知恵を使って愚か者たちを言いくるめる方法は、この猿おじさんと変わらない、と言うのです。言い方を変えるだけで、人を喜ばせたり怒らせたりすることを皮肉っています。
 ただ、古典には書いていませんが、朝三暮四を朝四暮三にするのは、猿のためにもなります。寝る前に食べる量を減らすのは、健康にいいからです。

出典:四字熟語を知る辞典
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