●未成年者【ミセイネンシャ】
デジタル大辞泉
みせいねん‐しゃ【未成年者】
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世界大百科事典 第2版
みせいねんしゃ【未成年者 infant】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
未成年者
みせいねんしゃ
成年(満20年)に達しない者(民法4条)。心身の発育が十分でなく、物事を判断する能力に欠けるか十分でないので、私法上、契約その他の法律行為をする能力(行為能力)の制限を受ける者(制限行為能力者)として、法定代理人(親権者、それがいないときは未成年後見人)という保護者を置いている。契約その他の法律行為は、原則として、法定代理人が未成年者にかわってするか(同法824条)、未成年者が自分でする場合には法定代理人の同意を必要とし、同意を得ないでした法律行為は取り消すことができる(同法5条)。未成年者が婚姻をすると成年に達したものとみなされるので(同法753条)、法定代理人もなくなる。これを成年擬制という。
未成年者も次の場合には法定代理人の同意なくして法律行為をすることができる。
(1)単に権利を得るだけの行為(たとえば贈与を受ける)や義務を免れる行為(たとえば贈与を取り消す)(民法5条1項但書)。
(2)使用目的(たとえば旅行)を定めて処分を許された財産の処分や、使用目的を定めないで処分を許された財産(たとえば小遣い銭)の処分(同法5条3項)。
(3)1種または数種の営業を許された場合には、未成年者はその営業に関しては成年者とみなされ(同法6条1項)、その範囲で法定代理人の代理権も制限される。
(4)労働契約については、法定代理人が未成年者にかわって締結することはできない(労働基準法58条)。未成年者は独立して賃金を請求することができ、法定代理人が未成年者にかわって賃金を受け取ることはできない(同法59条)。
身分上の行為については、未成年者の能力は個々に定められている。たとえば、婚姻をするには父母の同意を必要とし(民法737条)、満15歳に達した者は遺言をすることができる(同法961条)。
民事の訴訟行為については、未成年者は原則として法定代理人によってのみ行うことができ、単独ではなしえない(民事訴訟法31条)。ただし、婚姻の無効・取消し、離婚、親子関係などの事件では法定代理人の同意なしに訴訟行為をすることができる。なお不法行為の損害賠償責任については、未成年者が責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったとき(通常12、3歳以下と考えられている)は未成年者自身は責任を負わない(民法712条)。刑事事件については、原則として、14歳未満の者は罰せられない(刑事未成年という――刑法41条)が、未成年者(=少年)は少年法の適用を受ける。
また選挙権については、満20年以上の者が有する(公職選挙法9条)。
[伊藤高義]
2015年(平成27)6月に成立した「公職選挙法等の一部を改正する法律」(平成27年法律第43号)により、公職の選挙の選挙権を有する者の年齢について、満20年以上から満18年以上に改められた。改正法の施行は2016年6月19日。
[編集部]
『内田貴著『民法Ⅰ 第4版 総則・物権総論』(2008・東京大学出版会)』
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精選版 日本国語大辞典
みせいねん‐しゃ【未成年者】
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