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本草【ほんぞう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

本草
ほんぞう
中国の伝統医学における物に関する学問をいう。伝統医学では植物を主とし,一部動物,鉱物から成る生薬を用いるので,これら生薬の原材料である天然物の性状,産地,採集時期,薬理などが本草の対象となる。したがって今日の博物学,生薬学,薬理学などの母体ともいえる。薬物使用の歴史は人類の歴史と比肩するほど古いと思われるが,中国で本草が独立の学問としての体裁を整えるにいたったのは紀元前後のことと推定される。現存する最古の本草書は1~2世紀の間に完成されたと考えられる『神農本草経』である。本書には 365品の薬物が上中下の3類に分けて記載され,上薬は無毒で不老長寿に資し,中薬は有毒無毒で強壮強精に資し,下薬は有毒で病気をなおすとされている。この独特の分類法とともに,中国本草の特徴として薬物間の相互作用の重視があげられる。『神農本草経』以後,多くの本草書が著わされたが,特に有名なのは明の李時珍の『本草綱目』である。日本では江戸時代になって初めて独自の発展がみられるようになった。貝原益軒の『大和本草』,小野蘭山の『本草綱目啓蒙』などが有名であるが,日本の本草は次第に博物学的な色彩を濃くし,薬理学からは遠ざかる傾向を示した。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ほん‐ぞう〔‐ザウ〕【本草】
草木。植物。
漢方で、薬用とする植物。薬草。また、薬用となる動植鉱物の総称。
本草学」の

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

ほんぞう【本草】

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ほんぞう【本草】
植物のこと。
特に、漢方医術で薬の原料とする薬用植物。また広く、薬用となる動植鉱物を含めてもいう。
「本草学」の略。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

本草
ほんぞう
本草という名称は、『漢書(かんじょ)』の郊祀(こうし)志のなかに初見されるほか、前漢の終わりころには「本草」なる名称の薬物書が存在していたと思われる。古来、中国で本草とよぶ場合は、医薬の学、すなわち漢方医学、とくに薬物学を意味していた。一方、日本で本草というときは、本草書、すなわち漢薬について記述された古文献を意味してきた。最近では、日本的な意味での本草の語が中国へ逆輸入され、中国においても、本草書のことを本草と称するようになっている。なお、韓国においては、現在でも漢薬を意味して本草の語が使われている。また、漢薬に限らず、生薬(しょうやく)について記した古文献を本草とよぶこともある。ギリシア本草、ヨーロッパ本草などと称されるものがこの例である。
 中国における本草は、純粋な医・薬物学として展開してきたが、わが国では、中国の薬物を日本産のものにあてる中国薬物事典的な性格の本草書(たとえば『本草和名(わみょう)』など)が現れ、それがさらに名物学、博物学へと展開し、ヨーロッパでは、植物分類学へと移行していった。ここでは、漢方に関する本草について記述する。
 中国初期の本草書には、薬物の気味(性質)、主たる効能、別名、生育地の環境などが簡単に記されているのみで、多分に神仙思想的な記載も含まれていた。しかし、時代が下るにつれて、収載品目が増し、内容も豊富かつ実際的になり、薬物の形態、生産地、良否、修治(加工法)、薬物にまつわる逸話なども記されるようになった。さらに、図版も添付されるようになる。現存するもっとも初期の本草書は『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』である。原本は伝存しないが、500年ごろに陶弘景(とうこうけい)がそれまでにあった多くの異本を校定、出版したもの(『神農本草経集注』など)から、その内容を知ることができる。これ以後、様々な本草書が出版されたが、宋(そう)代に編まれた『経史証類備急(けいししょうるいびきゅう)本草』(証類本草)で、いちおうの完結をみる。『経史証類備急本草』までの本草書は、それまでの本草書の記載をすべて踏襲したあとに、傍流本草の記事や著者の意見などを追加するという形式をとっている。したがって『経史証類備急本草』には、『神農本草経』以後の書物の内容がすべて包含されていることとなる。
 南宋(金(きん)・元(げん))の時代は漢方理論が隆盛となったときであったため、まとまった本草書は出版されなかったが、明(みん)代になると、李時珍(りじちん)によって、大著『本草綱目』が出版され、これ以降は、『本草綱目』を基礎とした薬物学が主流を占めるようになる。江戸時代以降、日本も、この『本草綱目』から多大な影響を受けることとなる。[難波恒雄・御影雅幸]
『岡西為人著『本草概説』(1977・創元社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ほん‐ぞう ‥ザウ【本草】
〘名〙
① 植物。
② 薬用のもとになる草。薬草。転じて、その他の玉石、禽獣、虫魚、亀貝(きばい)、果蓏(から)などの薬用となる動植鉱物。
※蘭学事始(1921)〈菊池寛〉一「阿蘭陀流の医術、本草(ホンサウ)、物産、究理の学問に志ある者を初め」
③ 本草学の書物。中国では後漢の「神農本草経」を最初として数多くの書があり、唐以降、勅命によって編まれることもあった。日本でも「本草和名」など数多くある。本草書。
※令義解(718)医疾・医針生受業条逸文(政事要略所載)「医生習甲乙。脉経。本草
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉九「本草の大家林(リンナウス)は」

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