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李明博【い・みょんぱく】

知恵蔵

李明博
大韓民国第17代大統領。1941年12月19日大阪市生まれ。2007年12月の大統領選挙で、野党ハンナラ党の候補として、与党大統合民主新党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)、保守系無所属の李会昌(イ・フェチャン)に大差をつけて、48.7%の得票率で当選し、08年2月25日大統領就任(任期は13年2月24日まで)。それまで金大中(キム・デジュン)大統領、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と、2代で10年間続いた「左翼政権」の下で社会・経済が停滞したことに対する国民の反発が、李明博の経済的手腕に期待を寄せたと考えられる。しかし、就任直後の米国産牛肉の輸入制限緩和がBSE(牛海綿状脳症)感染の危機意識を刺激し、首都ソウルは5月から2カ月以上にわたって抗議集会に覆われ、大統領支持率は10%台にまで落ちた。その後も世界金融危機の影響を受けて、「経済大統領」の期待には応えきれていない。支持率は30%台に回復していたが、09年5月の盧武鉉前大統領の自殺後は前大統領への同情から再び20%台に落ちた。
李は、父親が植民地統治下の朝鮮から日本に出稼ぎに来ていた関係で日本で生まれた。家族は1945年に帰国するが極貧の生活を送り、李は苦学して大学に進学。政治活動には関心のない学生だったが、学生会長在任中に起きた日韓基本条約反対闘争で逮捕され、卒業後の就職が困難となり、ようやく当時中小企業の現代(ヒョンデ)建設に入社。現代グループは韓国の経済成長にあわせて急成長し、入社12年後に現代建設の社長となった李は、サラリーマンの鑑(かがみ)として神話化された。51歳で国会議員に転身(92年)し、61歳でソウル市長に就任(在任2002年~06年)。66歳で軍人出身でも左翼活動家でもない経済界出身の初の大統領として、国民の期待を担って大統領に就任した。対北朝鮮では、「包容(太陽)政策」の見直しを掲げている。しかし、閣僚人事では内定者15人のうち3人が資産面での不正疑惑などで辞任し、重要公約だった南北朝鮮を貫く「韓半島大運河」構想は反対が多く頓挫(とんざ)し、前述の米国産牛肉輸入問題でつまずくなど、「747公約」(10年間で平均年7%の経済成長、国民所得4万ドル、世界経済大国7カ国の1つになる)の実現に向けた初年度は苦難の船出となった。
(秋津あらた ライター / 2009年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

イ‐ミョンバク【李明博】
[1941~ ]韓国の第17代大統領。日本の大阪府出身。第二次大戦後、朝鮮半島に渡り苦学の末、韓国財閥系の現代建設に入社。35歳で社長に抜擢された。1992年国会議員に当選。2002年にソウル市長となり河川浄化などで実績を上げた。2007年の大統領選で左派色の強い与党系候補を破り当選。経済人としての経験から自らを「CEO(最高経営責任者)大統領」とアピールする。りめいはく。→パククネ

出典:小学館
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日本大百科全書(ニッポニカ)

李明博
りめいはく / イミョンバク
(1941― )

韓国の実業家、政治家。韓国の第17代大統領(任期2008~2013年)。

 植民地時代の韓国から日本へわたった韓国籍両親の三男として、日本の大阪市に生まれる。第二次世界大戦後、韓国へ帰国。1965年に高麗大商学部卒。在学中に学生リーダーとして日韓国交正常化反対闘争を主導して国家内乱扇動罪に問われ、投獄経験(懲役3年、執行猶予5年)をもつ。1965年に中小企業の現代(げんだい/ヒュンダイ)建設に入社し、現代財閥創業者・鄭周永(ていしゅうえい/チョンジュヨン)(1915―2001)の信頼を得て、20代で取締役、36歳で社長、47歳で会長を歴任。現代建設を韓国有数の大企業に育てあげ、財閥・現代グループの隆盛に貢献した。1992年に国会議員(民主自由党)となって政界に転じた。2002年から2006年までソウル特別市市長を務め、ソウル市中心部を流れる清渓川(チョンゲチョン)復元事業などの都市改造政策で環境再生と都市活性化に成功した。2007年12月の韓国大統領選で野党ハンナラ党から出馬すると大統合民主新党の鄭東泳(チョンドンヨン)(1953― )に大差をつけて当選し、2008年第17代大統領についた。就任当初はアメリカ産牛肉の輸入再開問題やリーマン・ショックの影響で支持率が低迷したが、自ら「経済大統領」と称し、経済成長率7%、1人当り国民所得4万ドル、世界の7大経済国入りを掲げる「韓国747計画」を打ち出し、5年間の任期をまっとうした。しかし任期中の収賄・横領などの容疑で2018年に逮捕され、ソウル中央地方法院(裁判所)から懲役15年の実刑判決を受けた(控訴中)。民主化以降の韓国大統領8人のうち、逮捕されたのは4人目。金潤玉(キムユンオク)夫人との間に1男3女。

[矢野 武 2019年4月16日]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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