@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

林邑楽【りんゆうがく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

林邑楽
りんゆうがく
日本古代音楽の一つ。チャンパ (林邑。現在のベトナム) から日本に渡来した音楽と舞踊で,奈良時代より寺院の供養音楽や朝廷の儀式音楽として採用された。平安時代初期に行われたいわゆる楽制改革によって,音楽的に再構成され唐楽のなかに組込まれたのちは,林邑楽として演奏されることはなくなった。日本における起源は,天平勝宝4 (752) 年,東大寺大仏開眼供養の導師として婆羅門僧正が来朝した際,随従してきたチャンパの僧仏哲が伝えたのを初めとするといわれるが,確証はない。実際には僧正が居をおいた奈良の大安寺で育成された舞楽を,仏哲にちなんで林邑楽といったものと思われる。曲目としては,『抜頭 (ばとう) 』『陪臚 (ばいろ) 』『迦陵頻 (かりょうびん) 』など8曲をあげて林邑八楽ともいわれるが,異説も多い。「乱声 (らんじょう) 」のうち,『林邑乱声』ともいわれる『古楽乱声』も,林邑楽に基づくとも考えられる。これらの曲は,盤渉 (ばんしき) 調,沙陀 (さだ) 調など西域系統の調子の曲が比較的多い。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

りんゆう‐がく〔リンイフ‐〕【林×邑楽】
雅楽で、奈良時代に林邑の僧仏哲らがもたらしたというインド系の楽。平安初期に唐楽に編入。「抜頭(ばとう)」「蘭陵王(らんりょうおう)」など。→林邑八楽

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

りんゆうがく【林邑楽】
日本の雅楽の舞楽の一部門として現存する東南アジア起源の楽舞。林邑は現在のベトナム地方にあたる。日本への伝来経路には諸説あるが,最も流布しているのは,奈良時代に林邑僧の仏哲(ぶつてつ)と南天竺僧の波羅門(ばらもん)僧正が伝えたというである。その伝来説も,今日では直接日本に伝来したというより中国経由説のほうが有力である。平安中期ころのいわゆる楽制改革により,唐楽とともに左方(さほう)に配された。林邑楽とされる演目を他の左方舞楽曲と比較すると,その特徴が舞や音楽に認められはするが,舞楽全体に様式化と日本化が進んでいるため,林邑楽と特定し難い。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

林邑楽
りんゆうがく

古代日本に伝わった外来音楽。林邑とは2世紀ごろ、いまのベトナム南部付近につくられたチャンパ国の中国名。インド文化の影響が強い。日本には南天竺(なんてんじく)の僧姿羅門僧正(ばらもんそうじょう)が、林邑の僧仏哲(ぶってつ)とともに唐を経て736年(天平8)に伝えたというが、実際には唐の胡楽(こがく)(外来楽)とも考えられる。752年(天平勝宝4)には大仏開眼供養会で三舞舞われ、809年(大同4)には雅楽寮に楽師が置かれるなど尊重された。その後、唐楽左舞に編入され、今日に至る。「林邑乱声(らんじょう)」のほか、林邑の八楽として『菩薩(ぼさつ)』『陪臚(ばいろ)』『抜頭(ばとう)』『迦陵頻(かりょうびん)』『胡飲酒(こんじゅ)』『蘇莫者(そまくしゃ)』『輪鼓褌脱(りんここたつ)』『剣気(けんき)褌脱』をあげるが、大槻如電(おおつきじょでん)らのように、後の3曲のかわりに『万秋楽(まんじゅうらく)』『陵王(りょうおう)』『安摩(あま)・二ノ舞(まい)』(本来は2曲であるがつねに続けて演奏)を入れる説もある。

[橋本曜子]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

りんゆう‐がく リンイフ‥【林邑楽】
〘名〙 雅楽で、外来楽が多く渡来した頃、林邑の僧仏哲らによってもたらされたというインド系の楽舞をいう。改編が重ねられ、平安初期に唐楽の中に編入された。迦陵頻(かりょうびん)、陪臚(ばいろ)、抜頭(ばとう)など数曲ある。
※続日本後紀‐承和一一年(844)七月戊午「天皇御仁寿殿、令林邑楽

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

林邑楽」の用語解説はコトバンクが提供しています。

林邑楽の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation