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枯れ葉剤【カレハザイ】

デジタル大辞泉

かれは‐ざい【枯れ葉剤】
ベトナム戦争で、米軍密林に大量に散布した除草剤。2,4-D(ジクロロフェノキシ酢酸)と2,4,5-T(トリクロロフェノキシ酢酸)との混合物で、ダイオキシンを含み、奇形児(がん)の多発など多くの二次的災害をひき起こした。

出典:小学館
監修:松村明
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朝日新聞掲載「キーワード」

枯れ葉剤
米国の化学薬品会社が開発した、猛毒のダイオキシンを含む除草剤。その一種で、24D(ジクロロフェノキシ酢酸)と245T(トリクロロフェノキシ酢酸)との混合物は「エージェント・オレンジ」と呼ばれ、親米の南ベトナム独裁政権打倒をめざし共産主義の北ベトナムがゲリラ戦を支援し米軍などと戦ったベトナム戦争後期(1960~75年)、密林にひそむ敵の掃討を目的に、化学兵器として使用された。 ベトナム政府によると、米軍は61~71年、300万ヘクタールの土地に7千数百万リットルを散布した。現地にいたベトナム人や米兵ががんなどの病気になり、子や孫に先天性障害児が生まれた。ダイオキシンが遺伝子に作用したとみられる。ベトナム人の両親のもと、下半身がつながった結合双生児として産まれた兄グエン・ベトちゃんと弟グエン・ドクちゃんの兄弟の姿が紹介されると、日本でも危険性が広く認識されるようになった。
(2019-10-28 朝日新聞 朝刊 北海道総合)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

日本大百科全書(ニッポニカ)

枯れ葉剤
かれはざい

農薬の用途上の分類で落葉(らくよう)剤にあたるものを俗称する場合と、マスコミ用語として2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5-T)系除草剤をさす場合がある。農薬界や学会では通常は落葉剤の用語を使うので、枯れ葉剤という場合は、草木を枯殺させる2,4,5-T系除草剤のみをさすことが多い。マスコミがこれを枯れ葉剤と呼称した由来は、ベトナム戦争の際、密林の中に隠れている南ベトナム解放民族戦線の兵士を発見する目的で、密林を枯らすためにアメリカ軍が航空機から2,4,5-T系除草剤を散布したことによる。アメリカ軍がこの除草剤をオレンジ剤とよんでいたためオレンジ作戦などと称したが、日本のマスコミはこれを枯れ葉作戦といい、この目的で使った薬剤を枯れ葉剤とよぶようになった。

 2,4,5-T系除草剤を合成する際に不純物として超微量含まれるダイオキシンが、1969年、アメリカでの動物実験によって催奇形(さいきけい)性や発癌(はつがん)性のあることが判明したため、アメリカは2,4,5-T系除草剤の使用を中止した。日本では1965年(昭和40)ごろから、おもに営林署(現、森林管理署)関係で使用されていたが、アメリカでの経緯を考慮し、1971年に2,4,5-T系除草剤の使用を全面的に取りやめた。ベトナムで他地域よりも多くの先天性障害児がみられる理由を枯れ葉作戦の結果とする説がある。また、大量の枯れ葉剤にさらされた従軍アメリカ人のなかからも先天性の障害児が生まれた例もあるといわれる。

[村田道雄]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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