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核反応【かくはんのう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

核反応
かくはんのう
nuclear reaction
ある原子核粒子が入射して,他の原子核を生じ,1個以上の粒子が放出される過程。原子核反応ともいう。入射粒子または放出粒子には γ 線も含む。標的原子核をX,入射粒子をa ,核反応で生じる原子核をY,放出される粒子をb,c,…とすると,この核反応はX + a → Y + b + c …またはX (a,bc…) Yと書かれる。入射粒子が陽子ならばp 反応,中性子ならばn 反応,α粒子ならばα反応,重陽子ならばd反応,γ線ならば光核反応などという。またもっと重い原子核が入射するときを重イオン反応という。X + a → X + a の過程を弾性散乱といい,この場合は核反応に含めない。しかし,反応後Xが励起状態X ' である場合は非弾性散乱といい,核反応の一種とみなす。またX (n,p) Y型の反応を (n,p) 反応,X(p ,α)Y型の反応を(p ,α) 反応などという。核反応の起る割合は,標的核に対して 1cm2あたり毎秒1個の割合で粒子を入射させたときに反応を起した粒子の個数で表わし,これを反応断面積という。入射粒子のビームは初期には天然の放射性物質からのα線であったが,以後は種々の粒子ビームが加速器で得られている。またγ線はベータトロンや電子シンクロトロンで得た高速電子の制動放射により得られる。中性子は適当な中性子源から得られる。核反応の際の保存量はエネルギー,運動量,角運動量,質量数,電荷である。反応機構には,複合核を経由するものと直接反応とがある。複合核を経由する反応の断面積はポテンシャル散乱共鳴散乱とで記述できる。また放出粒子については蒸発理論が適用しうる。直接反応の例は重陽子のストリッピング反応である。入射粒子のエネルギーが高くなると標的核は多数の粒子を放出し,核破砕が起る。さらにエネルギーが上がると,π中間子の発生も起る。核反応で生成された核種は安定なものと放射性のものとがある。中性子捕獲 X (n,γ) Yではしばしば放射性核種を生じる。核反応の実験に成功したのは E.ラザフォードで (1919) ,天然の放射性元素から得られるα線を使って 14N+α→17O+p の反応を起した。人工のビームは 1932年 J.コッククロフトと E.ウォルトンによって得られ,0.6MeV の陽子をリチウム 7 の原子核に入射させて,7Li+p→4He+4He の反応を起した。この核反応では新たに 17.3MeV の運動エネルギーを生じ,質量とエネルギーの等価性の検証となった。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

かく‐はんのう〔‐ハンオウ〕【核反応】
原子核が、ほかの原子核や粒子との衝突によって、別の種類の原子核に変わること。核分裂核融合など。原子核反応。

出典:小学館
監修:松村明
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編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

かくはんのう【核反応 nuclear reaction】
原子核に他の粒子が衝突することによって起こる現象の総称。原子核反応ともいう。衝突する粒子は,陽子,中性子,π中間子,電子,光子などの素粒子である場合と,重陽子(重水素の原子核),α粒子(ヘリウム4の原子核),またはもっと重い原子核などの場合とがある。
[核反応の発見と研究の発展]
 核反応の研究は,1919年E.ラザフォードが,ラジウムから出たα粒子を窒素の原子核にあてると,陽子が放出されるとともに酸素の原子核が生ずることを発見したときから始まる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

かくはんのう【核反応】
原子核が種々の粒子と衝突して別の種類の原子核に変わること。実験室では加速器によって加速した陽イオンまたは電子・陽子などの素粒子を原子核に衝突させて行う。核分裂や核融合なども核反応である。原子核反応。

出典:三省堂
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精選版 日本国語大辞典

かく‐はんのう ‥ハンオウ【核反応】
〘名〙 原子核が別種の原子核や素粒子の衝撃によって、別種の原子核に変化すること。原子核反応。

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

核反応
カクハンノウ
nuclear reaction

核Xに核子または核aが当たり,核Yおよび核子または核bができる一般的反応は,通常,X(a,b)Yまたは

X + a = Y + b + Q
の形に書く.後の式はこの反応のエネルギー関係までを書いており,Qは反応エネルギーで習慣的にQ値とよばれる.Qは質量とエネルギーの同等性により,X,a,Y,b核の質量,あるいは原子における電子の結合エネルギーのわずかな差を無視して,それらの原子質量Mを使って,

M(X)c 2M(a)c 2M(Y)c 2M(b)c 2Q

で表される.Q > 0は化学における発熱反応に対応し,Q < 0の場合は外界からエネルギーを供給しないかぎり,この反応は起こらないことを意味する.通常Xは,熱運動などを無視して実験室座標系で静止しており,aがある入射エネルギー Ea でこれに当たると考える.EaQの値から反応後のYとbの運動のエネルギーが定まる.逆に後者を測定してQを算出することができる.核反応にはX,a,Y,bの組合せにより非常に多くの型がある.aが核子であり,とくに中性子であるときは単に学術的のみでなく,原子核力の利用という面でも重要ないろいろの反応が起こる.また重陽子,三重水素,3He,α粒子など軽い核がaとなる場合もよく研究されているが,より重い原子のイオンを加速したものがaとなることもある.これを重イオン反応という.Yとbの組合せも同様にいろいろある.一般には,陽子,中性子,重陽子,以下α粒子までの軽い核などがbとなる場合が多いが,とくにbがYと同程度の重い核である場合を核分裂という.また,bがaに等しいときはY=Xであり,散乱の現象が起こる.YがXの内部状態が励起されたものであるときは非弾性散乱といい,Q < 0である.さらにbがγ線であるときはaのXによる捕獲反応といい,Qはγ線のエネルギーを表す.核反応をその進行過程から分類すると,複合核反応と直接反応とに大別される.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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日本大百科全書(ニッポニカ)

核反応
かくはんのう

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