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核黄疸【かくおうだん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

核黄疸
かくおうだん
nuclear jaundice
ビリルビン胸症。重症新生児黄疸の場合に,脳の中枢神経核と,延髄の神経に非抱合性ビリルビンが沈着するために起る黄疸。普通の黄疸の場合は中枢神経系が着色することはない。放置すると神経細胞が壊死を起し,脳性麻痺のような後遺症を残す。治療には交換輸血を行う。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

かく‐おうだん〔‐ワウダン〕【核黄×疸】
新生児黄疸の重いもの。ビリルビンが脳細胞にまで沈着して起こり、基底核とよぶ脳底部がおかされやすい。治療として交換輸血などを行い、後遺症には脳性麻痺(のうせいまひ)難聴などがある。

出典:小学館
監修:松村明
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編集協力:田中牧郎、曽根脩
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家庭医学館

かくおうだん【核黄疸 Kernicterus】
[どんな病気か]
 新生児の血液中の間接型(かんせつがた)ビリルビンが異常に増え、脳の神経細胞にたまって脳性まひや難聴(なんちょう)などの後遺症を残す病態を、核黄疸といいます。前述した高直接型(こうちょくせつがた)ビリルビン血症(けっしょう)や母乳性黄疸(ぼにゅうせいおうだん)では、このようなことはおこりません。
[症状]
 核黄疸の初期には、重症の黄疸症状のほかに、元気がなくなる、哺乳力(ほにゅうりょく)が低下する、1日中うとうとしているなどの症状がみられます(第1期症状)。ついで後弓反張(こうきゅうはんちょう)という、頭をうしろに反らした全身硬直(こうちょく)をおこし、動かなくなります(第2期症状)。
 新生児のプライマリーケアが進んだ現在、少なくとも成熟新生児においては、核黄疸例はほとんどみられなくなりました。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

かくおうだん【核黄疸 kernicterus】
新生児期に黄疸が非常に強くなって,血液中に増加したビリルビンが脳内に入り込み,神経細胞の核に黄疸性着色が起こり,ついで変性・壊死を起こすために起こる病気。血液型不適合による新生児溶血性疾患未熟児に起こりやすい。症状は黄疸が最も強くなる時期に現れる。初期にはぐったりして元気がなくなり,お乳を吸わなくなる。1~2日のうちに手足をかたくつっぱって,頭を後ろにそらせ,目つきはうつろで,痙攣けいれん),発熱嘔吐,呼吸障害などを起こす。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

かくおうだん【核黄疸】
新生児期に血液中のビリルビンの量が異常に増えて重度の黄疸を呈し、ピルビリンが大脳基底核などに沈着して神経障害を起こす疾患。生存しても脳性小児麻痺や難聴などの後遺症が残る。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

核黄疸
かくおうだん
重症黄疸で死亡した新生児の脳内、とくに基底核に黄色の色素沈着が認められたことから命名されたが、現在では血清中にタンパク非結合性のビリルビンが上昇し、神経細胞膜と結合して生ずる中枢神経障害に対してよばれる。血中の総ビリルビン量が1デシリットルにつき20ミリグラム以上になると発生することが多い。また、新生児に低酸素症やアシドーシスなどがあると発生しやすく、脳底部の皮質下核が冒されやすい。臨床的には新生児に筋緊張の低下、多眠、食欲不振など不定症状が現れ(1~2日間)、ついで筋強剛、後弓反張(体を反り返す姿勢)、けいれん、モロー反射の消失など、いわゆる痙(けい)性症状と発熱とがみられる(1~2週間)。その後これらの症状が消失し、落陽現象すなわち座らせた姿勢から急に上体を後ろへ倒すと、黒目がちょうど太陽が地平線へ沈むように下向きに下がる現象を示し、やがて恒久性の錐体(すいたい)外路系の症状(アテトーゼ型の脳性小児麻痺(まひ))、聴力障害、歯の黄染、歯のエナメル質異形成などを示す。Rh式血液型不適合(Rh陰性の母親がRh陽性の児を妊娠した場合)のほか、ABO式血液型の不適合でもみられる。治療としては、少なくとも初期の不定の症状を示す間に交換輸血を行う。症状が進行してからでは、効果は期待できないことが多い。[坂上正道]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

かく‐おうだん ‥ワウダン【核黄疸】
〘名〙 新生児の血中にビリルビンが増加し、脳幹部に沈着するためにおこる黄疸。初期症状としては、筋緊張低下、哺乳力低下、嗜眠(しみん)などがある。

出典:精選版 日本国語大辞典
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六訂版 家庭医学大全科

核黄疸
かくおうだん
Kernicterus
(子どもの病気)

どんな病気か

 血液中のビリルビン値が上昇し脳内に沈着した結果、脳細胞が侵される病気です。特有な中枢神経症状を示し、後遺症を残すことがあります。

 現在、この病気は日本では光線療法や交換輸血によって著しく減っています。一方、米国では、早期退院、黄疸管理基準の見直しなどにより核黄疸が再び現れ、問題になっています。

原因は何か

 新生児溶血性(ようけつせい)疾患(血液型不適合など)、閉鎖性出血(帽状腱(ぼうじょうけん)膜下血腫、副腎出血など)、多血症などの病的黄疸によって血液中のビリルビン値が上昇した結果、大脳基底核(きていかく)というところに沈着することが原因です。

症状の現れ方

 第1期(発病2~3日)に筋緊張低下、嗜眠(しみん)(眠っているような状態の意識障害)、哺乳力の低下などがみられます。この段階では適切な治療で改善する可能性があります。

 しかし、第2期(発病約3日~1週間)には筋緊張の亢進(こうしん)後弓反張(こうきゅうはんちょう)(後ろに弓なりに反る)、発熱、甲高い泣き声、けいれんなどを示し、第3期(発病1週間以降)には筋緊張の亢進は弱まりあるいは消えていきます。この時期に死亡したり、生存しても慢性期(生後1年~1年半)の症状として脳性麻痺知的障害難聴などが認められます。

 このように、少なくとも第1期症状のうちに早急な処置が必要です。しかし、低出生体重児(未熟児)ではこのような典型的な核黄疸症状が認められることは少なく、診断は困難です。

検査と診断

 病的黄疸の原因を検索しつつ、血液中のビリルビン値をこまめに測定することが必要です。同時に子どもの状態をよく観察することが重要です。ビリルビンの神経系への影響を調べる検査として、聴性脳幹反応という聴力検査や、頭部のMRI検査があります。

治療の方法

 光線療法、交換輸血を行い、高ビリルビン血症の治療に努めます。

病気に気づいたらどうする

 早発黄疸を見つけた場合、早急に診断、治療ができる施設へ搬送することが大切です。少なくとも、第1期症状のうちに早急な処置が必要です。

山崎 肇

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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