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桂女【かつらめ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

桂女
かつらめ
山城国葛野郡 (現在の京都市西京区桂一帯) に住んだ女性のこと。その多くは桂の里特産の桂川でとれたアユなどを京の町に売りに出たが,そのとき頭に白布を巻きつけるのを常とし,それを桂包みと称したため,この呼称が生れた。狭義には婚礼出産祈祷などの際,巫女のような仕事をした桂の里の女性をさす。もとは御香宮 (ごこうのみや) に属して石清水八幡宮にも仕えた巫女に由来する。ここの名主明治まで女系相続を守った。なお現在では,時代祭行列にその扮装が見られるだけとなっている。

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デジタル大辞泉

かつら‐め【×桂女】
京都の桂に住み、神功皇后を祭神とする伏見の御香宮(ごこうのみや)や石清水八幡宮に奉仕したという巫女(みこ)。祝い事のある貴族の邸へ行って祝言を述べ、後には疱瘡(ほうそう)や安産の守り札を売り歩くこともした。桂姫。
桂の里に住み、桂川の鮎(あゆ)や飴(あめ)などを京都の町で売り歩いた女。頭を布で巻く風俗が特徴。
昔、貴人の婚礼のとき、花嫁をした女。鬘女(かずらめ)。

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世界大百科事典 第2版

かつらめ【桂女】
江戸時代,京都西郊の桂の地に住み,特徴ある白布の被物(かずきもの)を頭に巻き,年頭八朔には天皇・公家京都所司代をはじめ富豪・有力諸家に出入りし,婚礼・出産・家督相続などのさいに祝言を述べた桂女は,古くさかのぼると平安後期,桂供御人として天皇に桂川のを貢献した鵜飼い集団の女性たちであった。鎌倉時代には鮎を入れた頭上にいただく鮎売りの女商人であったが,生業の鵜飼いが衰える室町時代には鮎鮨酒樽,勝栗などを持ち,畿内を中心に広く各地の公家・寺院大名の間を遍歴する一種の遊女として姿を現す。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

かつらめ【桂女】
京都郊外の桂に住んだ女性。元来、神功皇后を祭神とする御香宮ごこうのみやに属して石清水八幡宮にも仕えた巫女みこに由来し、諸家の婚礼・出産・祈禱などに奉仕した女性の称であったが、のちに桂の里から出て京都市中で鮎あゆ・飴あめなどを売り歩く女性の称ともなった。特殊な風俗を伝え、特に頭を白布で包む桂包かつらづつみで知られた。桂姫。桂御前。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

桂女
かつらめ
京都市西郊の大堰川(おおいがわ)の末流の桂の里(現京都市西京区桂)から、京の町々へ鮎(あゆ)やうるか(鮎の腸)や飴(あめ)を売り歩いた女たち。頭を白布で巻いた桂包(かつらづつみ)の風俗で、中近世期にはよく知られていた。桂女の家は代々の女子相続で、古く平安・鎌倉時代に神功(じんぐう)皇后を祀(まつ)る京都伏見(ふしみ)の御香宮(ごこうのみや)の散所(さんじょ)に身を寄せた。もともと正月と八朔(はっさく)に京の貴人邸に伺候して鮎と飴を献上する風習が、売り歩く姿に変わったもので、ほかに神功皇后に従軍したという伝説をもち、中世には武士の家にも出入りし、戦勝祈願などの巫女(みこ)の役も行っている。御陣女中とよばれ戦陣にも参加して慰安婦を兼ねたらしい。また、武家の婚礼に、花嫁に付き添う慣習もあり、出産時には安産を祝い、子供の成長を助ける呪力(じゅりょく)も備えていた、と伝える。[渡邊昭五]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

かつら‐め【桂女】
〘名〙
① 巫女(みこ)の一種。山城国(京都府)葛野郡桂村に住み、伏見の御香宮(ごこうのみや)に属し、石清水八幡宮にも仕えた。中古、諸家の祝事に訪れて祝言の祓をしたりして、女系相続の制度を明治初年まで続けていた。桂姫。
② 山城国(京都府)桂の里の女。桂川の鮎や桂飴を京都の町で売り歩いた。桂乙女。
※経信集(1097頃)「かつらめのあゆにはあらずあまびとのかづくあみきぬけふにあふひぞ〈源顕房〉」
③ 山城国(京都府)桂の里から出た遊女。一説に桂巻きをした遊女ともいう。〔随筆・貞丈雑記(1784頃)〕
④ 昔、貴人の婚礼の時、花嫁の供について行った女。古くは、賤女(はしため)などが山城木綿(やましろもめん)を鬘(かつら)にしたところからという。〔随筆・春湊浪話(1775)〕

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