●梁塵秘抄【りょうじんひしょう】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
梁塵秘抄
りょうじんひしょう
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デジタル大辞泉
りょうじんひしょう〔リヤウヂンヒセウ〕【梁塵秘抄】
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世界大百科事典 第2版
りょうじんひしょう【梁塵秘抄】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
梁塵秘抄
りょうじんひしょう
広義の今様(いまよう)歌謡の集成。もと10巻、現存本は巻1/巻2の2巻のみ。書名は「梁塵殆(ほと)んど動く可(べ)し」(『吾妻鏡(あづまかがみ)』文治(ぶんじ)2年4月8日条)のごとく、歌声がきわめて微妙なることの形容に基づく。『本朝書籍(しょじゃく)目録』(鎌倉末期の成立)に「梁塵秘抄。廿巻(にじっかん)。後白河(ごしらかわ)院勅撰(ちょくせん)」とあるのは、本書が本来『梁塵秘抄口伝(くでん)集』10巻と一括されたものであることを示すものと考えられる。巻1~巻9は嘉応(かおう)元年(1169)までに成った。本書の成立もほぼ同時代か。現存本巻1は抄出本(しょうしゅつぼん)と考えられ、長歌(ながうた)10首、古柳(こやなぎ)1首、今様10首の計21首。長歌は短歌体の謡い物、古柳は囃子詞(はやしことば)を伴う不整形式のものが多く、今様は狭義の今様歌謡(七五調または八五調四句)。巻2は法文歌(ほうもんうた)220首、四句神歌(しくのかみうた)204首、二句神歌121首の545首をそれぞれ収める。ほかに『夫木(ふぼく)和歌抄』が2首引用している。法文歌は仏・法・僧・雑の順、四句神歌は神分(じんぶん)・仏歌・経歌・僧歌・霊験所歌・雑歌の順で構成され、二句神歌は短歌体のもので、神社歌61首を含む。半数の謡い物は仏法をたたえたもので、法文歌中の法華経二十八品歌百十数首の群作は本書の白眉(はくび)、四句神歌中の雑86首は、四句の定型から外れた、庶民の哀歓をあからさまに訴える謡い物が多く、二句神歌のなかには生気あふれる民謡風の短章が少なくない。また、本書の旋律面にかかわった白拍子(しらびょうし)・くぐつ・遊女を詠み込んだものもある。
本書は、久しく埋もれていたが、近代になってその転写本が発見された。ともに天理図書館蔵。『梁塵秘抄口伝集』(巻1の断簡と巻10のみ現存)からは、今様の唱法・伝承など、後白河法皇の今様に対する熱烈な傾倒が如実にうかがわれる。
[徳江元正]
『志田延義校注『梁塵秘抄』(『日本古典文学大系73』所収・1965・岩波書店)』▽『新間進一校注・訳『梁塵秘抄』(『日本古典文学全集25』所収・1976・小学館)』
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精選版 日本国語大辞典
りょうじんひしょう リャウヂンヒセウ【梁塵秘抄】
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旺文社日本史事典 三訂版
梁塵秘抄
りょうじんひしょう
12世紀末ころ成立。20巻。現存は2巻ほどで約570首ある。撰者は後白河法皇。当時流行した今様 (いまよう) ・催馬楽 (さいばら) などの歌謡を分類集成した。当時の信仰・風俗・生活感情を知る好史料。
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