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梅松論【ばいしょうろん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

梅松論
ばいしょうろん
南北朝時代のかな書き史論書。2巻。作者は北朝方の武士僧侶だが未詳。天平4=貞和5 (1349) 年頃成る。承久1 (1219) 年北条氏が藤原頼経を将軍に迎えて執権政治を行う時点から筆を起し,承久の乱の顛末,大覚寺,持明院両統の迭立,後醍醐天皇挙兵鎌倉幕府滅亡までを上巻とし,足利尊氏が建武新政府に叛した延元1=建武3 (1336) 年正月から翌年新田義貞の金崎城没落までを下巻に収録。書名は足利尊氏および子孫繁栄を北野神社の飛梅,老松になぞらえて名づけたもの。『群書類従』に所収。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ばいしょうろん【梅松論】
南北朝時代の史書。2巻。著者未詳。正平4=貞和5年(1349)ごろの成立北条氏の執権時代から南北朝動乱を経て足利氏が天下を制するまでを、足利側の立場から述べる。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

ばいしょうろん【梅松論】
足利政権成立の過程を記した軍記物語。2巻。1352年(正平7∥文和1)をさほど下らないころの成立と推定される。京都北野天満宮に籠した人々が老僧から物語を聞くという,《大鏡》に始まる〈鏡もの〉の形式をとる。書名は北野天神ゆかりの飛梅老松に由来することが,巻末に記される。作者未詳だが,足利氏旗下の諸将(細川氏,少弐氏など)と関係ある者,あるいは夢窓疎石ゆかりの者などが想定されている。内容は持明院・大覚寺両統の分裂対立までを前史として述したのち,主題である建武政権の成立と崩壊,足利政権樹立の過程を,足利政権を正当化する意図のもとに叙述する。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

梅松論
ばいしょうろん

南北朝時代の歴史書。2巻。著者は足利(あしかが)氏にかかわりの深い武将、あるいは室町幕府関係者とされ、成立は1352年(正平7・文和1)以後、1387~88年(元中4~5・嘉慶1~2)以前と推定されている。本書は、南北朝の動乱の起こりから足利尊氏(たかうじ)・直義(ただよし)兄弟が幕府を樹立するまでの経過を述べながら、初期室町政権の正当性や諸将の勲功を事実に基づいて顕揚しようとしたものであり、南朝側の視点にたつ『太平記(たいへいき)』とは対照的な見方をしている。本書の政道論には、〔1〕有徳者為君主義=撫民(ぶみん)仁政主義と、〔2〕神孫為君主義=血統主義が二つながら認められるが、究極的には〔2〕は天の思想に依拠する〔1〕に掣肘(せいちゅう)されるものであった。したがって本書は、歴史的世界に生起した諸現象、とりわけ政権を担当した為政者に対して、まず〔1〕によって、ついでその埒内(らちない)で〔2〕を踏まえて評価を下したのである。この段階で、超越的神意ないし理法が歴史の行方をあらかじめ決定しているとみる『愚管抄(ぐかんしょう)』『神皇正統記(じんのうしょうとうき)』的な歴史観は、ほぼ克服されたといえよう。

[石毛 忠]

『矢代和夫・加美宏校注『新撰日本古典文庫3 梅松論』(1975・現代思潮社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ばいしょうろん【梅松論】
室町前期の史書。二巻。著者不明。貞和五年(一三四九)頃の成立。承久の乱以後の北条執権の時代から南北朝の動乱を経て足利氏が天下を制圧するまでの歴史を扱う。「大鏡」などのような戯曲形式を採り、足利方の立場からの史観を示す。

出典:精選版 日本国語大辞典
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旺文社日本史事典 三訂版

梅松論
ばいしょうろん
南北朝時代の歴史物語
1349年ころ成立。2巻。著者不詳。足利尊氏・直義 (ただよし) 兄弟が室町幕府を創立する経過から新田義貞の死までを述べた戦記。南朝の『太平記』に対抗し,武家の立場から足利政権の正統性を強調し,将軍の隆盛を祝す。粗い散文で書かれているが,批判的精神にあふれ,史料価値も高い。尊氏側近の武将によって著されたものであろう。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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