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棍棒【こんぼう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

棍棒
こんぼう
club
原始民族が使用した武器の一つで,1m前後の長さをもつ。前期旧石器時代にはすでに,カモシカキリンの骨,木などでつくられていた。現代にいたっても,狩猟用具をもたない民族の間では,狩猟や戦闘のために,先を太くしたり,石をはめこんだり,こぶをつけたりした棍が用いられているが,民族によってはすでにその機能が失われ,首長その他の権威象徴となっている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

こん‐ぼう【×棍棒】
相当な長さのある木の棒切れ。ぼう。てこ。「棍棒でなぐる」
新体操で用いる手具の一。木製で、手元は細く、次第に太くなっている徳利(とくり)状のもの。インディアンクラブ。→新体操

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世界大百科事典 第2版

こんぼう【棍棒】
棒状の狩猟具および武器。棍棒(クラブclub)は世界に広く分布するが,造作は文化によって異なる。アフリカのサンでは,野ウサギに投げつける狩猟具として手ごろな木の棒にほんの少し加工して用いる。アラスカエスキモーでは,セイウチペニスの骨を取り出し,魚の頭をたたきつぶすのに用いることがある。このような採集狩猟民における加工の単純な棍棒は,生業の用具であり,武器としての用途はない。 大昔の人類や未開発民族についての想像画やカリカチュアに棍棒がつきもののようになっていて,棍棒には原始性や野蛮性の象徴といった役割が与えられている。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

棍棒
こんぼう

打撃を加えることで対象物を殺傷するもっとも原始的な武具、狩猟具。東アジアの新石器時代にみられる環状石斧(せきふ)、朝鮮や日本の多頭環状石器、内モンゴル(中国)の多頭塊状石器もこれに属する。南米のアンデス地帯でも先史時代に、環状、星状の石を冠した棍棒が武器として用いられた。

 現代諸民族の間でも広く分布し、形状も多様である。とくにオセアニアで発展を遂げた。ミクロネシアのギルバート諸島(キリバス)の棍棒は、硬木を剣状に削り、両側にサメの歯を埋め込んで、これをヤシ縄で固定している。またパラオ諸島で報告されているプロットとよばれる短棍棒は、握りが細く、六角柱の胴部に人面、シャコガイ、サメの歯などの彫刻が施されている。メラネシア地域でも木片を削ったものが一般的である。ニュー・カレドニアの棍棒は、握り部分が太く、頭部は鳥やキノコの形状をなしている。

 これに比べニュー・ヘブリデス諸島(バヌアツ)のものは、長さも重さも増し、把握側の末端が段をなして膨らんでいる。これは、棍棒が手元を離れないように取り付けられた紐(ひも)が抜けるのを防ぐためのくふうである。片手で握れる短棍棒は、パプア・ニューギニア東部、ソロモン諸島に広がり、先史時代の遺物として触れた、環状、星状、パイナップル状の石がつく型は、パプア・ニューギニア北東部で知られている。このほか北米先住民(ネイティブ・アメリカン)のスー人の社会では、頭部にとげを植えた棍棒を、またアフリカでも先端にこぶのあるものを使っている。

 さまざまな報告書によって、これらの棍棒が武具として用いられたことには疑いの余地がないが、他の用途がなかったわけではない。たとえば、アメリカ北西海岸のアザラシ猟、オヒョウの漁に従事する人々が、気絶したり、すでに突き刺された獲物にとどめを刺す目的で使用していることも知られているし、既述のニュー・カレドニアの鳥頭棍棒と同じ型のものは、農耕用の鋤(すき)として役だっているものもある。しかし、なにより装飾や形状に技巧を凝らしているものは、非日常的な性格が付随していると考えるべきである。ポリネシアのマオリ人のパトゥーと称せられる小型棍棒は、人間の頭部を打つ武具といわれている。しかし、まさかりのように扁平な打撃部分は、しばしば鳥や人間とマオリ特有の文様とが組み合わさった細かい彫刻で埋められ、実用具としてより、主権者のシンボルとして機能していた。また、パトゥーキとよばれる、やや長めで櫂(かい)の形状をもった棍棒も、儀礼的な踊りの場面で重要な役割を果たしている。このほかメラネシアでも、豚の儀礼との関連が指摘されているし、神話的宇宙観を表現した棍棒もみつかっている。

[関 雄二]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

こん‐ぼう【棍棒】
〘名〙
① 太く長い棒。特に、武器などとして用いる棒。
※今弁慶(1891)〈江見水蔭〉一「若者輩、手に竹鎗棍棒(コンボウ)なぞ、思ひ思ひに携へて」
② 体操に用いる棒。長さ約五〇センチメートルの木製で徳利型をしていて、一対で一組とする。現在では特に新体操で用いるものをいう。また、その棒で演技する競技種目。

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