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検察審査会【けんさつしんさかい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

検察審査会
けんさつしんさかい
検察官公訴権(→公訴)の行使民意を反映させ,その適正をはかるために設置された制度。イギリス,アメリカ合衆国の大陪審起訴陪審)を参考にしたものであり,不当な不起訴処分を抑制する機能をもつ。地方裁判所およびその支部の所在地に設置され,衆議院議員の選挙権者から無作為に抽出された 11人の審査員で構成される。告訴人(→告訴),告発人(→告発),被害者らの申し立ておよび審査員の過半数議決があったときは,検察官の不起訴処分の当否を審査し,起訴相当不起訴不当不起訴相当のいずれかの議決をする。議決の送付を受けた検事正は,これらを参考に起訴するかかを再検討しなければならないが,従来は,起訴相当議決には,検事正に対して起訴を義務づける法的拘束力がなかった。しかし 2006年の検察審査会法の改正によって,検事正が再度不起訴処分にした場合,弁護士の審査補助員から法的助言を受けて再審査し,8人以上の多数によって起訴すべき旨の再議決をすることができ,その場合には,裁判所の指定する弁護士が検察官に代わって公訴を提起しその維持にあたることに改められた。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

検察審査会
起訴に関する検察官の裁量権の適正な行使に民意を反映させるため、英米の起訴陪審から示唆を得て設けられた制度。審査会は、各地方裁判所の管轄区域に1つ以上設けられ、有権者から、くじで選ばれた11人の検察審査員で構成される。現行制度では、検察官の不起訴処分の相当性について審査し、検事正らに議決書を送って再考を促すが、起訴相当の議決があっても、検察官はそれに従わなくてもよい。しかし、2004年の法改正により、09年春を目途に、審査会が再度審査の上で起訴議決を行うときには、裁判所の指定する弁護士が起訴を行い、公判を維持する制度が導入されることとなった。なお、公務員の職権乱用罪については、検察官の不起訴処分に不服な告訴人・告発人が、裁判所に対し事件を審判に付すよう請求できる付審判請求ないし準起訴手続きがある。
(土井真一 京都大学大学院教授 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

朝日新聞掲載「キーワード」

検察審査会
市民からくじで選ばれた審査員11人が検察官の不起訴処分の妥当性を審査する制度。審査員は「不起訴相当」「不起訴不当」「起訴相当」のいずれかを判断する。不起訴不当や起訴相当と議決されると、検察官は再捜査し、起訴するかどうかを改めて判断する。審査会が2度にわたって「起訴すべきだ」と判断した場合は必ず起訴される制度が2009年にスタートした。
(2020-08-30 朝日新聞 朝刊 神戸・1地方)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

けんさつ‐しんさかい〔‐シンサクワイ〕【検察審査会】
公訴権実行について、民意を反映させてその適正を図るため、地方裁判所と主な地方裁判所支部の所在地に設けられている機関。昭和23年(1948)、検察審査会法に基づいて設置。有権者の中からくじで選ばれた11人の検察審査員で構成され、検察官がした不起訴処分の当否を審査する。検審。→起訴相当不起訴不当不起訴相当起訴議決
[補説]平成21年(2009)の法改正により、検察審査会の議決に拘束力が付与され、検察審査会が起訴議決を行った場合、検察官の判断にかかわらず、被疑者は裁判所が指定した弁護士によって起訴される(強制起訴)。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

けんさつしんさかい【検察審査会】
検察官による公訴権の実行に関し民意を反映せしめてその適正を図るために設置された機関で,検察官が行った公訴を提起しない処分の当否を審査することをおもな任務とするが,そのほか検察事務一般の改善に関する建議または勧告を行う権限も持つ。 日本の刑事訴訟法では,公訴提起の権限は検察官が独占しており(起訴独占主義),しかも,その検察官は公訴提起の必要性について広い裁量権を有している(起訴便宜主義起訴猶予制度)。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

検察審査会
けんさつしんさかい

公訴権の実行に関し民意を反映させてその適正を図るため検察審査会法(昭和23年法律第147号)に基づいて設けられた制度。政令で定める地方裁判所および地方裁判所支部の所在地に置かれ、各地方裁判所の管轄区域内に少なくともその一つを置かなければならない(同法1条)。検察審査会は、それぞれ、衆議院議員の選挙権を有する者のなかからくじで選定した11人の検察審査員をもってこれを組織し、独立してその職権を行う(同法4条、3条)。おもな所掌事項は、検察官の公訴を提起しない処分の当否の審査に関する事項である(同法2条)。告訴をした者などの申立てにより前記の審査を行うことを要する場合と、職権によってこの審査を行える場合とがある(同法2条)。検察審査員には、政令の定めるところにより旅費、日当および宿泊費が支給される(同法29条)。

[内田一郎・田口守一]

起訴議決制度

検察審査会の審理は非公開であり、審査会の議決は検事正に送付される。以前は、審査会の議決は検事正を拘束するものではなかったが、2004年(平成16)の法改正で検察審査会制度は大きく変革され、審査会の一定の議決に公訴提起の効果が認められることとなった。すなわち、検察審査会の審査は2段階とされ、第1段階の審査で起訴相当の議決をしたのに対して、検察官が再度不起訴処分をした場合には第2段階の審査を開始し、その審査であらためて起訴相当の議決をしたときは、この起訴議決に公訴提起の効果を認め、指定弁護士が公訴を提起し、公判の維持にあたることとなった。起訴議決制度の導入である。このような2段階制度としたのは、本来の公訴官である検察官に再考の機会を与えるとともに、検察審査会の審査をより慎重なものとして、被疑者・被告人の権利保障を図るためである。

 検察審査会は、第1段階の審査において、起訴相当の議決、不起訴不当の議決または不起訴相当の議決を行う(同法39条の5)。そして、起訴相当の議決が行われたにもかかわらず、検察官があらためて不起訴処分とし、これを検察審査会に通知したときは、検察審査会は第2段階の審査として当該処分の当否の審査を開始しなければならない(同法41条3項、41条の2第1項)。また、起訴相当の議決に係る議決書の謄本を送付した日から3か月以内に検察官からの通知がなかったときも、第2段階の審査を開始する(同法41条の2第2項)。第2段階の審査において、あらためて起訴を相当と認めるときは、8人以上の多数により、起訴すべき旨の議決(起訴議決)をする(同法41条の6第1項)。この審査にあたっては、後述の審査補助員を委嘱し、法律に関する専門的知見をふまえた審査を行わなければならず(同法41条の4)、また、議決に先だって検察官に意見を述べる機会を与えなければならない(同法41条の6第2項)。

[田口守一]

審査補助員制度

2004年の法改正において、検察審査会の審査をいっそう適正かつ充実したものとするために、審査補助員制度が導入された。すなわち、検察審査会は、法律に関する専門的な知見を補う必要があると認めるときは、弁護士のなかから事件ごとに一人の審査補助員を委嘱することができる(同法39条の2)。第2段階の審査では、審査補助員の委嘱が必要的となる。審査補助員は、当該事件に関係する法令およびその解釈を説明し、当該事件の事実上および法律上の問題点を整理し、ならびに当該問題点に関する証拠を整理し、当該事件の審査に関して法的見地から必要な助言を行う(同法39条の2第3項)。ただし、審査補助員は、検察審査員に、特定の判断をするよう説得するなどの審査員の自主的な判断を妨げるような言動をしてはならない(同法39条の2第5項)。

 新たな検察審査会制度は、とりわけ起訴議決制度の創設により、公訴権の行使に関する民意の反映をより実効化して国家訴追主義に重要な修正を加えた。ただし、起訴議決もけっして市民だけの判断ではなく、弁護士である審査補助員の協力や検察官の意見聴取を必要的とするなどして、法律専門家との一種の協働作業の結果であることに注意すべきである。

[田口守一]

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精選版 日本国語大辞典

けんさつ‐しんさかい ‥シンサクヮイ【検察審査会】
〘名〙 公訴権の実行に関し、民意を反映させてその適正をはかるために設けられた機関。昭和二三年(一九四八)施行の検察審査会法により設置。検察官の行なった不起訴または起訴猶予処分の適否の審査、検察事務の改善に関する建議または勧告を行なう。政令で定める地方裁判所およびその支部の所在地に置かれ、衆議院議員選挙権者の中からくじで選ばれた一一人の検察審査員がこの職務を行なう。

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