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構造的失業【こうぞうてきしつぎょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

構造的失業
こうぞうてきしつぎょう
structural unemployment
需給バランスではなく,産業就業構造の状況により決定される失業をいう。需給不足による失業とは区別され,需要創出策でなく構造調整策によって減少されるべきものであるという意味で,経済政策上の用語である。より厳密には失業=欠員となる失業率 (均衡失業率) をもって構造的失業と呼ぶことがあるが,そのなかには需要創出策はもとより,構造調整策によっても減少することが容易でない摩擦的失業 (労働力の不完全な配分により発生する失業) も含まれている。しばしば自然失業率と混同した議論もみられるが,構造的失業はもっぱら労働市場における部分均衡でとらえられるものである点,またその水準が実際の失業率の下限を示すものではないという点などについて注意が必要である。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

こうぞうてき‐しつぎょう〔コウザウテキシツゲフ〕【構造的失業】
経済構造やその変化に起因する慢性的な失業。摩擦的失業と合わせてミスマッチ失業という。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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世界大百科事典 第2版

こうぞうてきしつぎょう【構造的失業】

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

こうぞうてきしつぎょう【構造的失業】
産業構造の変動によって発生し、景気が好転しても解消しない慢性的な失業。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

構造的失業
こうぞうてきしつぎょう
資本主義が独占段階に進んだ20世紀に入ってからの失業の形態をいい、失業の大量化、慢性化を特徴とする。景気変動による失業(景気的失業)の場合は好況期には失業は減少するが、構造的失業の場合には好・不況にかかわらず存在する。第二次世界大戦後の高度成長期には、国家が経済過程に全面的に介入することによって資本の高蓄積が持続化し停滞傾向をしのいだ結果、資本と労働力の慢性的過剰は顕在化せず、逆に「労働力不足」「完全雇用」現象すらみられた。しかし1970年代に高度成長が破綻(はたん)して以降、先進諸国はふたたび構造的失業に直面し、21世紀に入っても高失業状態から脱することができないでいる。
 今日の構造的失業の背景には次のような要因が存在している。これらの要因は相互にからみあいながら失業の大量化、慢性化を生み出している。
 (1)産業ロボット、OA機器や情報ネットワークに象徴される高度に発達した現代の生産技術・情報化技術は、それ自体としては労働者の負担を軽減し、労働時間の短縮を可能にする基盤を提供するが、これらが資本主義の経済システムの下で充用されている結果、労働者数を減らし、労働密度を高める技術的基礎ともなっている。このことによって職を失った労働者は、生産の新たな拡大や新規産業が創出されることによって吸引されるならば失業者として顕在化しないが、たえずこのような条件が用意される保証はない。
 (2)前述の発達した生産技術・情報化技術を基礎とする生産力の飛躍的拡大は、限られた消費との矛盾を深め、恐慌となって顕在化する可能性を絶えずはらんでいる。国家は財政・金融政策を駆使して恐慌の回避に努めるが、根本的にこの矛盾を除去することは不可能である。資本の過剰蓄積の整理は容易でないため、不況局面からの回復はしばしば長引き、失業者の増加は慢性化する。
 さらに、不況が長期化する下で、資本は労働コストの削減を目ざして人員削減を強めており(リストラ)、このことがさらに失業者増加に拍車をかけている。
 (3)現代の国家財政に対する資本の依存と社会保障費用の膨張は、財政危機を引き起こしている。このため国家は失業者の生活保障に伴う財政負担を極力避けるために、失業者を短時間就労者や不規則・不安定な非正規雇用に転換する方策をとっている。その多くは部分的に就労している半失業(部分就労)状態にあるが、働いている限りは失業保障の対象から除外することができる。これらの半失業、部分就労者の拡大は、表面的には顕在的失業者の減少となるが、失業問題の解決を意味していない。
 (4)現代資本主義のグローバリゼーション(世界一体化)の下で資本は自由に国境を越えるようになった。「最適地主義」に基づく多国籍企業の経営戦略の結果、国内雇用の縮小、産業の空洞化を引き起こし失業増加に拍車をかけている。さらに1990年代以降は、多国籍企業が情報通信網を利用することによって、開発途上国の現地技術者をいながらにして動員する体制を構築するに至っている。
 (5)多国籍企業の海外展開は進出先の開発途上国に過剰人口(失業者)の蓄積をつくりだし、外国人労働者として先進国に流入する一因を形成している。合法または非合法のルートを通して先進国にやってくる外国人労働者は、労働市場の最底辺に編入されるか、あるいは顕在的失業者として滞留し、先進国の失業問題を複雑化している。
 なお、近代経済学に基づく労働経済学では、年齢・性・職種・技能・地域などに関して企業が求める人材と、職を求めている労働者のタイプが異なること(ミスマッチ)によって生ずる失業を構造的失業と定義している。[伍賀一道]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

こうぞうてき‐しつぎょう コウザウシツゲフ【構造的失業】
〘名〙 資本主義の経済構造によって発生する、恒常的な失業。失業の大量化、慢性化を特徴とする。慢性的失業と呼ぶこともある。

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