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機械論【きかいろん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

機械論
きかいろん
mechanicalism
目的意志介入を許す目的論に対して,自然界の諸現象を機械的な因果関係によって説明する立場。たとえば生物学は無機物を支配する法則によって全面的に律せられると考える。このような考えの歴史は古く,古代ギリシアのデモクリトスエピクロス近世では B.スピノザ,J.O.ラ・メトリらに代表される。この立場は素朴な唯物論の立場に癒着しやすく,自由な人格主体を認める近世哲学や弁証法的唯物論者から排撃されてきた。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

きかい‐ろん【機械論】
哲学で、すべての事象の生成変化を自然的、必然的な因果関係によって説明し、目的や意志の介入を認めない立場。
生物を精緻な機械と考え、生命現象を物理化学的法則で解明しようとする立場。

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

きかいろん【機械論 mechanism】
自然や社会や生物を扱うとき,内的目的霊魂を排除してどこまでも物質的な諸要素の集合とその運動として決定論的に取り扱う態度。すなわち有機体をモデルにするのではなく機械をモデルとして対象を考察する態度のことである。したがってどのような機械をモデルにするかによって内容が異なり,時代によって機械論も変遷をとげてきた。哲学で伝統的に〈機械論〉ないし〈機械観〉と呼ばれてきたのは,時計をモデルとする17~18世紀に有力だった機械論を指したので,現在もこの意味で用いられることが多いが,19世紀の機械論は原動機(蒸気機関)をモデルにしていたし,最近の機械論や新しい人間機械論はコンピューターや自動制御機械をモデルにしている。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

機械論
きかいろん
mechanism 英語
mécanisme フランス語
Mechanismus ドイツ語

事象の生成変化について、時間的に先なるものと後なるものとの区別をたてた場合、先なるものが後なるものを決定し支配するというとらえ方と、逆に後なるものが先なるものを決定し支配するというとらえ方の二つがある。すなわち、生成変化を必然的な因果関係としてみるとらえ方と、目的概念によるとらえ方である。機械論は、前者のとらえ方のもとに世界のすべての事象(精神的なものも含めて)の生成変化を理解しようとする哲学上の立場である。これに対して、後者のとらえ方で世界のすべてを理解しようとするのが目的論である。したがって機械論は目的論と対立する。また機械論は歴史的には、古代のレウキッポス、デモクリトス、エピクロス、ルクレティウスなどに、近世ではホッブズ、スピノザ、ラ・メトリ、ドルバックなどにみいだされる。

 ところで、厳密な因果関係によって自然を理解しようとする近世の物理学に代表される自然科学の成果からみても、機械論は物質的な世界に対しては確かに有効であるが、有機的な現象や人間の自由意志などの精神的な事象については、十分にその性格をとらえられない。そこでカントのように、機械論の成立する範囲を物質界に制限し、精神界には目的論が成立するとする考え方も出てくる。

 なお、現代においては、生命体などの有機的な現象も物理学的立場からの説明が現実に有効なものとなりつつあり、また人間の精神活動の多くがコンピュータによってシミュレート(模擬化)できるようになったことなどを踏まえて、機械論の可能性や限界が改めて論議されている。

[清水義夫]

『ド・ラ・メトリ著、杉捷夫訳『人間機械論』(岩波文庫)』『坂本百大著『人間機械論の哲学』(1980・勁草書房)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

きかい‐ろん【機械論】
〘名〙 (mechanism の訳語) すべての現象を物質的要因とその因果関係によって説明しようとする考えまたは立場。目的に向かっての現象に原因性を認めない点で目的論に対立し、また、超因果的な生命現象を否定する点で生気論に対立する。素朴唯物論にも通じる立場。機械観。機械説。機制論。〔普通術語辞彙(1905)〕

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