●機械論【きかいろん】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
機械論
きかいろん
mechanicalism
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デジタル大辞泉
きかい‐ろん【機械論】
2 生物を精緻な機械と考え、生命現象を物理化学的法則で解明しようとする立場。
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世界大百科事典 第2版
きかいろん【機械論 mechanism】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
機械論
きかいろん
mechanism 英語
mécanisme フランス語
Mechanismus ドイツ語
事象の生成変化について、時間的に先なるものと後なるものとの区別をたてた場合、先なるものが後なるものを決定し支配するというとらえ方と、逆に後なるものが先なるものを決定し支配するというとらえ方の二つがある。すなわち、生成変化を必然的な因果関係としてみるとらえ方と、目的概念によるとらえ方である。機械論は、前者のとらえ方のもとに世界のすべての事象(精神的なものも含めて)の生成変化を理解しようとする哲学上の立場である。これに対して、後者のとらえ方で世界のすべてを理解しようとするのが目的論である。したがって機械論は目的論と対立する。また機械論は歴史的には、古代のレウキッポス、デモクリトス、エピクロス、ルクレティウスなどに、近世ではホッブズ、スピノザ、ラ・メトリ、ドルバックなどにみいだされる。
ところで、厳密な因果関係によって自然を理解しようとする近世の物理学に代表される自然科学の成果からみても、機械論は物質的な世界に対しては確かに有効であるが、有機的な現象や人間の自由意志などの精神的な事象については、十分にその性格をとらえられない。そこでカントのように、機械論の成立する範囲を物質界に制限し、精神界には目的論が成立するとする考え方も出てくる。
なお、現代においては、生命体などの有機的な現象も物理学的立場からの説明が現実に有効なものとなりつつあり、また人間の精神活動の多くがコンピュータによってシミュレート(模擬化)できるようになったことなどを踏まえて、機械論の可能性や限界が改めて論議されている。
[清水義夫]
『ド・ラ・メトリ著、杉捷夫訳『人間機械論』(岩波文庫)』▽『坂本百大著『人間機械論の哲学』(1980・勁草書房)』
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精選版 日本国語大辞典
きかい‐ろん【機械論】
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