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歯車【はぐるま】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

歯車
はぐるま
芥川龍之介の最後の短編小説。 1927年に遺稿として発表。自殺寸前の凄絶な心象風景を,視野いっぱいに回転する歯車という印象的な幻覚に描き,狂気兆候を示すさまざまなイメージと運命的な不吉な暗合とが繰返される。死を賭けて成功した無気味な美と戦慄の表現である。

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歯車
はぐるま
gear; toothed wheel
ギヤともいう。次々に噛み合う歯によって,回転軸の運動を一軸から他軸へ伝達する機械要素 (部品) の対または単体をいう。軸間距離があまり大きくない場合に用いられる。歯形,歯車軸の相対位置,用途,材料などによって大別される。歯形に関しては,用いられる曲線から,インボリュート歯車サイクロイド歯車,円弧歯車などに分けられる。歯車軸の相対位置による分類法が一般的で,次の3つに分けられる。 (1) 平行軸 平歯車はすば歯車やまば歯車ラックピニオンなど。 (2) 交差軸 傘歯車曲り歯傘歯車,はすば傘歯車,交差軸フェースギヤなど。 (3) 食違い軸 ねじ歯車ウォームギヤハイポイドギヤ,食違い軸フェースギヤなど (→食違い軸歯車 ) 。用途は手動機械用から航空機用などにいたるまで広い。

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デジタル大辞泉

は‐ぐるま【歯車】
円柱・円錐台などの周縁に歯を刻んだもので、対にして歯をかみ合わせることにより、回転運動を確実に伝える装置。機械に広く用いられ、平(ひら)歯車斜歯(はすば)歯車傘(かさ)歯車ねじ歯車ウオーム歯車などがある。「歯車がかみ合う」
ある組織を動かしている仕組み。また、その要員。「管理社会の歯車に組み込まれる」

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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はぐるま【歯車】[書名]
芥川竜之介の短編小説。昭和2年(1927)遺稿として発表。激しい強迫観念にとらわれた知識人の絶望と狂気を描く。

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世界大百科事典 第2版

はぐるま【歯車 gear】
ギヤともいう。2軸の間に回転を伝えたり,動力を伝える機械部品の一種。この種の運動を実現させるもっとも簡単な方法は,2軸にそれぞれ円筒を取り付けて,これを互いに押しつけながら摩擦力で回転させるものである。しかしこの場合,伝達動力が大きくなると,円筒どうしが互いに滑るようになり,動力の伝達が有効に行えなくなる。そこで両方の円筒の周辺に等間隔に突起をつけ,その一つ一つがかみ合うようにすると,滑りを起こさずに目的を達することができる。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

歯車
はぐるま

円筒や円錐面に設けた多くの歯が次々にかみ合いながら運動を伝達する機械要素。2本またはそれ以上の軸の間に回転や動力を伝えるのに使用される。ギヤ(ギア)gearともいう。1個の歯車だけでなく、組になったものを歯車とよぶこともある。歯車のように、歯が円周上に配列されている機械要素としては、スプロケット(鎖車(くさりぐるま))、ラチェットなどがあるが、かみ合う相手が、同じような歯面をもたないチェーンや爪なので、一般的には歯車とはよばない。動力を伝達する機械装置には歯車のほかにベルト、チェーン、リンク装置、摩擦伝動装置などがあるが、歯車は小形で確実に運動を伝達し、寿命も長く、大きな動力を伝達でき、効率もよいので機械装置に広く利用されている。動力を伝えるもっとも簡単な方法は、2軸に円板を取り付けその外周を互いに接触させればよい。しかしこのような方法では、回転数が増加した場合や、接触圧力が小さい場合には、円板の周囲で滑りがおこり確実な伝達ができなくなる。そこで両方の車の外周に等間隔に突起をつくり、それらを互いにかみ合うようにすると、回転数が多くなっても滑りをおこさず、大きな動力の伝達もできる。このようにしてできたものが歯車である。

 歯車にはその形、大きさなどきわめて多くの種類がある。小さいものは時計用の直径1.5ミリメートル程度のものから、大きなものは船舶用の減速装置などに使用されている直径数メートルに及ぶものまであり、工作機械、車両をはじめ、あらゆる種類の機械に利用されている。

[中山秀太郎・清水伸二]

歴史

歯車の歴史は古く、紀元前からつくられ利用されていた。アルキメデスやヘロンらも歯車を利用して各種装置をつくった。水時計などにも運動を伝えるための大小の歯車が使用されていた。紀元前につくられ、1000年以上も利用された水車にも、その運動を伝えるための歯車が使われた。最初のころは、円板の周囲に丸棒を等間隔に植えて使用した。17世紀ころには、水車を動力とした製粉所や鍛造所、製材所などがしだいに増え、歯車を使っての動力の伝達が各所で行われるようになると、性能のよい歯車を製作する必要性が高まった。また時計の製作も本格的になったので歯車についての科学的研究が始まった。円板の周辺につける歯形の形についての研究、また歯車の組合せについての研究などがしだいに盛んとなり、摩擦損失の少ない高性能の歯車がつくられるようになった。

 歯車の歯の形には、サイクロイド曲線を使用したサイクロイド歯形と、円に巻き付けた糸を引っ張った状態でほどいていくとき糸の先が描く軌跡であるインボリュート曲線を使用したインボリュート歯形とがある。歯車の使用が増えるにつれて、歯形に関する研究が多くの学者によって行われた。最初のころはサイクロイド歯形をもつ歯車と、円板にピンを植えたピン歯車とについての研究が行われたが、18世紀になって数学者レオンハルト・オイラーはインボリュート歯車についての研究を始めた。19世紀の中ごろになって創成歯切り法が実用化したあとは、多くの歯車にインボリュート歯形が用いられるようになった。サイクロイド歯形は摩耗が少なく、回転が非常に滑らかであるなどの長所をもっているが、工作がめんどうであるため、時計などの精密機械、あるいは計測器類の歯車に用いられているにすぎない。これに対し、インボリュート歯形は工作が容易であることをはじめ多くの長所のために一般に広く用いられ始め、19世紀なかばすぎからは歯車の大部分を占めるようになった。

 歯車の歯と歯がかみ合っている接触点から中心までの距離を半径とする円をピッチ円という。ピッチ円上で隣り合う歯形の対応する同じ点間の距離を円ピッチという。そのほか歯車の歯の各部にはいろいろな名前がつけられている。

[中山秀太郎]

歯車の種類

回転運動を伝える2軸の関係位置によって歯車の歯のつけ方は種々に分類される。

(1)2軸が平行である場合 軸に平行に切った歯をもつ平歯車はもっとも普通に使用されている。外かみ合いの場合は軸の回転は互いに逆方向となる。内かみ合いのものはとくに内ば歯車といい、回転は両方とも同方向で、高い減速比を得たいときに使用される。いずれの場合も2軸間の回転数は歯車の直径に逆比例する。すなわち直径の小さい歯車は速く回転し、直径の大きい歯車はゆっくりと回転する。軸に対して歯を傾けて切ったものをはすば歯車という。この歯車は平歯車より回転が滑らかであるが、歯が傾いているために軸方向に荷重がかかり、軸方向の力を受け止めるスラスト・ベアリングが必要となる。軸方向に力のかかるのを防ぐために二つのはすば歯車の歯の向きを逆方向に切って一つの歯車にしたものがある。これをやまば歯車という。やまば歯車は大きな動力の伝達を必要とするところ、また減速比の大きな場合に用いて便利である。特殊な場合として、平歯車の直径を無限大とした場合、すなわち板に歯をつけたものをラックという。これとかみ合う歯車をピニオンといい、ラックとピニオンは回転運動を直進運動に変えたいとき、またはその逆の運動をさせるときに使用される。これにも歯のつけ方によって、はすばと、軸に平行な直線歯すなわちすぐばとがある。

(2)2軸が交わる場合 円錐(えんすい)摩擦車の接触面をピッチ円とする歯車で、傘(かさ)歯車という。歯の切り方により各種の傘歯車がある。円錐の母線に沿って頂点に向かって縮小していく歯形のものをすぐば傘歯車という。また歯を母線に対し傾いて切ったものを曲りば傘歯車といい高速度の回転を伝達するときなどに使用される。

(3)2軸が食い違っている場合 傘歯車では、その2軸を延長すると互いに交差してしまうので軸を延長することはできないが、実際には2軸を延長したい場合もある。こういう場合に用いられるのが食い違い歯車で、その種類はいろいろある。一般には、製作が容易ということから、角度の違う二つのはすば歯車を組み合わせたねじ歯車が用いられる。ねじ歯車は軸間距離の大きいときに便利である。曲りば傘歯車に似たハイポイド歯車は軸間距離があまり大きくないところに用いられ、自動車の後車軸のように軸を食い違わせる必要がある場合に使用される。

 軸が直交し互いに交わらない場合の運動伝達に用いられるのがウォームとウォームホイールである。ウォームの回転速度に対してウォームホイールの回転速度は遅くできるので、速度比の非常に大きいところに用いられる。ウォームからウォームホイールへだけ運動は伝達され、その逆は不可能である。そのほか軸間距離を変えることのできるものに楕円(だえん)歯車がある。また駆動歯車の連続回転に対し、被駆動歯車が間欠的に運動する間欠歯車というものもある。

[中山秀太郎]

歯車の大きさ

歯車の大きさを表すのには円ピッチ(p)、モジュール(m)、直径ピッチ(Dp)などが用いられる。円ピッチはピッチ円の円周を歯数で割った値でミリメートルで表す。ピッチ円の直径をミリメートルで表し、これを歯数で割ったものがモジュールである。寸法がインチの場合には歯数をピッチ円の直径(インチ)で割った直径ピッチが用いられる。mの値はJIS(ジス)(日本工業規格)にその標準値が決められている。歯の大きさはmの値が大きいほど大きくなる。

[中山秀太郎]

歯車の速度比

駆動歯車Aと被駆動歯車Bがかみ合っているとき、それぞれの毎分回転数をNANB、ピッチ円の直径をDADB、歯数をZAZBとすると、速度比(速比)iiNB/NADA/DBZA/ZBとなる。この場合、歯車AとBとは互いに逆回転する。AとBの間に第三の歯車Cを入れると、AとBの回転は同一方向となり、速度比は、AとBとを直接かみ合わせた場合と同じである。すなわち中間の歯車Cは回転方向を変える役目をするだけで、AとBとの速度比には無関係である。

[中山秀太郎]

歯車の製作

歯車の材料としては鋼、鋳鉄、真鍮(しんちゅう)その他の金属が主であるが、ナイロンその他の合成樹脂を使用するものも多くなった。金属製の歯車には鋳造してつくるものもあるが、多くは歯車切削用の工作機械を使用して切削加工する。歯車を切り出す工作機械を、総称して歯切盤といい、歯車形削り盤、ホブ盤などその種類は多い。歯を切る方法には大別して、型板法、成形法、創成法の3種類がある。型板法は歯の形をした型板に倣って工具を動かして歯を切り出していく方法であるが、歯切りの能率は悪く、大形の歯車をつくるとき以外には用いられない。成形法は、1個の歯みぞの形をしたフライスを用いてフライス盤で切削する。創成法は、切削される歯車と正しくかみ合うラックあるいは歯車の歯形と同じ輪郭をもつ刃物を歯車材とかみ合わせながら相対運動をさせ、連続的に歯を切っていく方法である。現在の歯切り用機械は、ほとんどこの方法によっている。

 円筒の外周に沿ってねじ状の刃をもつホブを用いて歯切りを行うホブ盤は平歯車、はすば歯車、やまば歯車およびウォームホイールなどの歯切りのできる、もっとも一般的な歯切盤で、立てホブ盤と横ホブ盤とがある。ウォームとウォームホイールとがかみ合っているような状態で歯切りが行われる。ホブが回転し、歯車材も回転しながら歯が切られる。ホブには平歯車用ホブ、ウォームホイール用ホブ、そのほかスプライン軸の切削に使用される特殊ホブなどがある。

 歯車を製作するのに転造によることもある。歯車の形をしたダイスの間を素材を通過させ塑性加工で歯車をつくる方法である。素材を加熱しないで行う冷間転造と高周波により加熱して行う加熱転造とがある。生産能率も、ピッチの精度も、歯面の耐摩耗性もよい。しかし、転造できる素材の材質は限られている。そのほか、鍛造ダイスを用いて鍛造して歯車をつくる方法もある。またダイカストにより鋳造してつくることもある。

[中山秀太郎]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

は‐ぐるま【歯車】
[1] 〘名〙
① 回転する平板・錐体などの周囲に一定の大きさの歯をきざんだ機械の部品。小さなもので大きな力を確実に伝達することができる。平歯車・かさ歯車・はすば歯車・ねじ歯車などに分けられる。〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕
② 個人の力ではとうてい変えようのない社会の大きな流れを、動き続ける機械装置の①にたとえたもの。
※金(1926)〈宮嶋資夫〉八「あらゆる悲劇や喜劇があちらでもこちらでも行はれてゐたのであったが、大きな歯車はそれ等のどれをも平然と運びながら」
③ 大きな組織の一員として、ひたすら決められた通りに動かざるをえない立場の人を、大きな装置を構成する多くの部品のうちの一つとしての①にたとえたもの。
※夏目漱石論(1960)〈荒正人〉「実業家や役人になって、社会の歯車に組み入れられることを拒否したのである」
[2] 小説。芥川龍之介作。昭和二年(一九二七)遺稿として発表。錯乱と苦悩の中で激しい強迫観念におそわれ続ける「僕」(作者)の自己告白の記。

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