●歳差【さいさ】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
歳差
さいさ
precession
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デジタル大辞泉
さい‐さ【歳差】
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世界大百科事典 第2版
さいさ【歳差 precession】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
歳差
さいさ
歳差とよばれるものには次の二つがある。
(1)地球の歳差運動を略して歳差という。地球の赤道面と黄道面(地球・月重心の平均軌道面)とは、力学的に不変ではない。地球は南北に扁平(へんぺい)な回転楕円(だえん)体に近い形をしており、かつ赤道面は黄道面に対して約23.4度傾いている。このため、太陽と月の偶力によって、地球の極軸は空間に対して回転する。これを歳差運動という。すなわち、天の北極は約2万6000年の周期で黄道面の北極の回りを、半径23.4度で動く。これを日月歳差(じつげつさいさ)とよび、このような動きをするものを平均の極という。この平均の極の周りに、その振幅が約12秒角で、おもな周期が18.6年の複雑な動き(これを章動という)が合成されて、空間に対して向きを変え続ける。ここでいう地球の極軸とは、力学的に予測可能な地球の形状軸(この軸と天球の交点を暦表極という)をいい、瞬間自転軸にたいへん近いところにある。実際の地球の形状軸は、これに、極運動とよばれる、振幅・周期とも予測不可能な旋回運動があって、その方向を絶えず変えている。黄道面は惑星の引力によって絶えず動いており、その動きを惑星歳差という。春分点は日月歳差によって、黄道上を毎年約50秒角の速度で東から西へ動き、また惑星歳差によって、赤道に沿って毎年約0.11秒角の速度で西から東へ動く。日月歳差に惑星歳差を加えたものを一般歳差という。
机上で回転しているこまは、地球の重力によって芯棒(しんぼう)の首回し運動をするが、これも歳差運動である。地球の歳差運動の方向は、地球の自転方向と反対方向であるが、こまの場合は、こまの回転方向と歳差運動の方向は同じである。
(2)地球の歳差運動によって生ずる太陽年と恒星年の差をいう。恒星時は「春分点の時角」と定義されるが、この春分点は歳差運動によって東から西へ毎年動いているため、春分点に対して太陽が同じ位置に戻る周期は、太陽が恒星に対して元の位置に戻る周期より短くなる。前者は回帰年(太陽年)とよばれ、周期は365.24219日、後者は恒星年とよばれ、周期は365.25636日である。この差を歳差という。この現象は紀元前150年ごろにギリシアのヒッパルコスによって観測された。
[若生康二郎]
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精選版 日本国語大辞典
さい‐さ【歳差】
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