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氏寺【うじでら】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

氏寺
うじでら
特定の氏族一門が帰依し,祈願所または菩提所とした寺院。氏は氏族一門が創建したものが多いが,すでに創建されている寺院に帰依し,これを氏寺とする場合もある。蘇我氏向原寺,山田氏の山田寺,紀氏の紀寺藤原氏興福寺和気氏神護寺,菅原氏の道明寺などは氏寺の例である。氏人が俗別当として氏寺を管理し,寺,寺別当にも氏人出身者が多い。氏寺は,祖先追善,菩提を弔うこととともに,氏族間の血族的結合強化,氏族の栄達祈願を目的としたものであった。中世武家も氏寺をもったが,管理運営には介入しない傾向があった。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

うじ‐でら〔うぢ‐〕【氏寺】
氏族が、一門の繁栄先祖の追善、死後の幸福などを祈るために建てた寺。蘇我氏の向原寺藤原氏の興福寺など。

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世界大百科事典 第2版

うじでら【氏寺】
氏族の氏上・族長が自身あるいは一族の現世安穏故人の菩提を祈るために建立した寺。氏神が守護神・祖霊神で,一族の崇敬を得たように,氏寺は氏族一門の現世安穏を祈る祈願所であり,氏人は寺の管理権をもつかたわら経営維持に任じ,寺僧・別当も氏人の僧が選ばれた。氏寺の名は805年(延暦24)に初見するが,仏教伝来以後,崇仏毀釈の政争を経て,仏教は氏族間にも漸次流布するに至り,盛んに建立されるようになった。680年(天武9)に官寺となる飛鳥元興寺は,もと蘇我馬子の建立にかかる蘇我氏の氏寺であった。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

うじでら【氏寺】
一家一門で建立し代々帰依する寺。藤原氏の興福寺、和気わけ氏の神護寺などの類。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

氏寺
うじでら
氏族の族長や一族の総領が建立し、その一族・子孫の祈願所として維持運営された寺院。氏神とともに一族の繁栄が祈られた。寺僧や別当あるいは俗別当は氏族出身者の場合が多かった。平安時代、藤原氏は春日大社(かすがたいしゃ)を氏神とし、興福寺を氏寺としたことはよく知られている。鎌倉時代以降になると、禅宗寺院を氏寺とする武士団も少なくなかった。室町時代、小早川(こばやかわ)氏は安芸(あき)国沼田(ぬた)(広島県三原市)に仏通寺(ぶっつうじ)という禅寺を建立して氏寺とし、一族の結束を図っている。しかし、しだいに、武士の建立する寺院は、祖先の霊を祀(まつ)る菩提寺(ぼだいじ)へと変化していった。[廣瀬良弘]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

うじ‐でら うぢ‥【氏寺】
〘名〙 (「うじてら」とも) 平安時代、氏族が一門の冥福と現世の利益(りやく)とを祈るために建てて信仰した寺。藤原氏の興福寺、和気氏の神護寺などの類。
※日本後紀‐延暦二四年(805)正月癸酉「制、定額諸寺、檀越之名、載在流記。不輙改、而愚人争以氏寺。仮託権貴

出典:精選版 日本国語大辞典
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旺文社日本史事典 三訂版

氏寺
うじでら
古代において,氏族一門の帰依をうけた寺
先祖の追善と一族の現世利益・後世安穏を願うために建立された私寺で,藤原氏の興福寺,和気氏の神護寺などはその代表的な例。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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