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気体分子運動論【きたいぶんしうんどうろん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

気体分子運動論
きたいぶんしうんどうろん
kinetic theory of gases
気体は多数の分子からできているが,その分子の力学的運動から出発して,気体圧力熱伝導拡散,粘性などの巨視的性質を説明する理論。 1738年 D.ベルヌーイによって始められ,19世紀中頃から,A.クレーニヒ,R.クラウジウス,J.C.マクスウェル,L.ボルツマンらによって発展させられ,20世紀に入り H.ローレンツ,S.チャップマン,D.ヒルベルトらによって古典的に完成した最も古い微視的理論。気体の分子はマクスウェルの速度分布則に従っていろいろな速度で動き回り,ときに,壁や他の分子と衝突する。そのとき運動量,エネルギーが伝達され,その結果として物質の巨視的性質が現れると説明される (→マクスウェル=ボルツマン分布 ) 。その後,量子力学を取入れて拡張された。また金属中の電子,フォノン,放電中のイオンなどを気体分子とみて,この理論を適用し,輸送現象的性質が説明されている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

きたいぶんし‐うんどうろん【気体分子運動論】
気体は互いに独立して自由に運動する分子からなるとし、その分子の運動から気体の性質を説明する理論。マクスウェルボルツマンらが確立

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

きたいぶんしうんどうろん【気体分子運動論 kinetic theory of gases】
気体が多数の分子から構成されているという観点に立って,気体の示す諸性質を理解しようとする理論。18世紀から19世紀にかけて,D.ベルヌーイ,J.P.ジュールなどにより先駆的な仕事がなされ,C.マクスウェル,L.ボルツマンが理論体系を確立した。 容器に入れられた気体を考えると,この容器中には非常に多数の気体分子が含まれ,それぞれかってな熱運動をしている。すなわち,気体分子の熱運動はまったく乱雑であるとみなすことができる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

きたいぶんしうんどうろん【気体分子運動論】
気体をきわめて多数の分子から成るものとし、気体分子の運動に基づいて、圧力・温度・熱容量・粘性・拡散などの気体の性質を説明する理論。一八世紀前半にベルヌーイによって始められ、一九世紀半ば以降にクラウジウス・マクスウェル・ボルツマンらによって発展し、統計力学の出発点となった。気体論。気体運動論。分子運動論。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

気体分子運動論
きたいぶんしうんどうろん
分子の集まりである気体の熱力学的性質を、ミクロな運動から説明しようとする理論。18世紀にはD・ベルヌーイなどによってボイル‐シャルルの法則や内部エネルギーの温度変化などの諸性質について、独立の粒子が壁と弾性衝突をするモデルで説明された。ここで、一辺がLの立方体の容器に閉じ込められた気体を考える。分子の質量をm、分子の壁に垂直な成分をvとすると器の壁に分子が衝突して跳ね返るときに与える力積は2mvであり、分子は単位時間当り壁の間をv/2L回往復するので、この分子が単位時間当り壁に与える力積はmv2/Lである。壁が単位時間、単位面積当りの気体から受ける力積はこれらを集めたものであるので粒子数をNとするとNmv2/L3である。分子には速いものも遅いものもあるが、ここではその平均値をとって考える。また、内部エネルギーは3方向の運動エネルギーの和であるのでU=3Nmv2/2である。ここで、エネルギーの等分配則mv2/2=kBT/2を用いると

が得られる。
 実際の気体での輸送現象を議論するためには、分子間の衝突の効果をとり入れ、衝突せずに進む距離(平均自由行程)を用いて粘性や熱伝導率が議論される。詳しい気体の熱力学的性質は、統計力学を用いてビリアル展開などの形で研究が進められている。[宮下精二]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

きたいぶんし‐うんどうろん【気体分子運動論】
〘名〙 気体の圧力などの熱力学的な性質を、気体分子の平均的な運動状態から統計力学的に説明する理論体系。気体を空間のあらゆる方向に、独立に、自由に運動する多くの分子から成るものとして統計的に扱い、力学的、熱力学的な物理的諸量を統一的に説明する。ドイツのクラウジウス、イギリスのマックスウェル、オーストリアのボルツマンらによって基礎が確立された。

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

気体分子運動論
キタイブンシウンドウロン
kinetic theory of gas

気体分子の運動を論じることから出発して,気体の性質を導いていく理論体系.D. Bernoulli(1738年),J.P. Joule(1851年),K.A. Krönig(1856年)によりはじめられ,R.J.E. Clausius(クラウジウス)(1857~1862年),J.C. Maxwell(1859~1866年),L. Boltzmann(1868~1876年)らによって発展され,今日では統計力学の重要な一部門になっている.気体では液体や固体とは違って,分子間距離が分子の大きさに比べて大きいので,もっとも簡単には相互作用のない剛体球の集りとみなすことができる.気体の圧力はこれらの剛体球が壁と衝突するときの運動量変化の平均値とみることができ,理想気体の法則が導かれる.また,分子の運動を統計的に扱うことによって,任意の温度における気体分子の速度分布関数(マクスウェルの速度分布則)を求めることができる.この法則を使って,気体分子の平均速度,平均自由行程,衝突数,さらには比熱容量などの熱力学的量も得られる.また,ある平均自由行程をもって分子相互の衝突が起こってはじめて物質,運動量およびエネルギーの移動があるので,拡散,粘性,熱伝導などの現象もこの理論から説明される.しかし,拡散,粘性,熱伝導などの実験値は,分子間相互作用を無視した理論では十分には説明できない.分子間相互作用も考慮できるように理論を検討しなおしたのは,D. Hilbert(1912年),D. Enslog(1917年),S. Chapman(1916~1917年)らである.これらの理論は,金属の電子論や気体中の放電現象についても応用され,なお発展を続けている.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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