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気管支喘息【きかんしぜんそく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

気管支喘息
きかんしぜんそく
bronchial asthma
アメリカ胸部疾患学会の定めた定義によると,気管支喘息とは気道反応性の亢進と可逆性の気道狭窄を特徴とする疾患で,いろいろな刺激に対して気管支の反応が高まって,広範な気道狭窄によって発作性に始まる喘鳴,咳,呼吸困難などの症状が繰返し起るが,その症状の強さは自然にあるいは治療によって変化する疾患をいう。また特定の心肺疾患によるものは除外される。発病は 10歳以前が多いが,壮年期老年期にも発病する。原因によって,特定のアレルゲンを吸入して起る外因性喘息と,特定のアレルゲンが認められない内因性喘息に分けられる。後者は,呼吸器感染や,ストレスに対する心因反応として生じる。最近は,大気汚染による喘息も増加している。対策として最も有効なのは,原因を取除くことである。発作時にはイソプロテレノールの吸入,アミノフィリン塩酸エフェドリンなどが効果がある。副腎皮質ホルモン剤も有効である。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

きかんし‐ぜんそく〔キクワンシ‐〕【気管支×喘息】
アレルギー自律神経変調などが絡み合って、気管支の痙攣(けいれん)収縮、粘膜の浮腫(ふしゅ)、粘液分泌の増加が起こって気道が狭められ、発作的に喘鳴(ぜんめい)を伴う呼吸困難を呈する病気。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

気管支喘息
 気道が過敏になり呼吸時に気道の閉塞が起こるなどの症状を呈する疾患.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

きかんしぜんそく【気管支喘息 bronchial asthma】
気管支喘息とは,発作性の呼吸困難と喘鳴(呼吸時のヒューヒュー,ゼーゼーという音)を特徴とする呼吸器疾患である。
[歴史]
 asthma(喘息)の語はギリシア語に由来し,〈あえぎ呼吸〉の意味である。喘息についての記載は,すでにヒッポクラテスによってなされており,その中で〈asthmaになったら怒りをしずめよ〉と心理的要因の重要性を説いている。今日,日本語として使われている〈喘息〉という文字は,中国最古の医書《素問》や《霊枢》(《黄帝内経》)にみることができる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

きかんしぜんそく【気管支喘息】
アレルギー反応などによって気管支の平滑筋が痙攣けいれんをおこし細くなるため、発作的に呼吸困難をおこす病気。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

気管支喘息
きかんしぜんそく
可逆的な広範な気道閉塞(へいそく)により、ゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)を伴う発作性の呼吸困難をおこす疾患で、特定の心・肺疾患によらないものをいう。気道閉塞は、気管支平滑筋のれん縮、粘膜の浮腫(ふしゅ)、粘液分泌の増加によりおこる。
 病因については古くより多くの説があり、そのこと自体が発症機序の複雑性を物語っているが、主因をなすものはアレルギーと気道過敏性である。気道過敏性は、気管支平滑筋を収縮させる作用のあるヒスタミン、アセチルコリン、メサコリンなどを吸入させて検査することができる。その反応性は健常人に比べて約100倍も過敏である。このため種々の物理的、化学的気道刺激により喘息発作がおこることになる。またアレルギーの機序による喘息発症は、主として型アレルギー反応が気道でおき、化学伝達物質が遊離されて気道の狭窄(きょうさく)をおこすことによるが、アレルゲンとして重要なのは室内塵(じん)(おもにダニ)、カビ類、花粉類、動物の毛やふけなどである。種々の職業性喘息もある。このほか、気道感染、天候の変化、気温の急激な変化、精神的ストレス、運動、過労、過食なども喘息の誘発ないし増悪因子となる。アスピリンなどの消炎鎮痛剤によりおこる、いわゆるアスピリン喘息もある。発症には遺伝的素因も重要な役割を演じており、遺伝が濃厚なほど小児期に発症する。
 気管支喘息は、その発症機序によりアトピー型(外因性ともいわれ、アレルギーの関与が明らかなもの)と感染型(内因性ともよばれ、感染が重要な要因をなしているもの)および混合型とに分類されるが、アトピー型のものは10歳以下に、感染型は40歳以後に発病するものが多い。発生率は全人口のほぼ1%である。
 症状としては、喘鳴を伴った呼吸困難発作をおこし、治まってしまえば完全に元の状態に戻る(可逆性)のが特徴である。痰(たん)は粘稠(ねんちゅう)で喀出(かくしゅつ)が困難なことが少なくない。気道感染を合併すると痰は膿(のう)性となる。わずかな喘鳴を伴うだけの軽症のものがある反面、重症になると起坐(きざ)呼吸をするようになる。チアノーゼの出現は危険信号である。発作の寛解期は無症状であるが、慢性型となると発作間欠期にも喘鳴がほとんど常時存在する。発作は夜半ないし早朝におこることが多く、季節的には秋、梅雨時に多い。発作時には肺野全体に乾性ラ音(聴診によって聞こえる一定の高さの連続音)が聴取され、肺機能検査では1秒率の低下、気道抵抗ないし呼吸抵抗の増加が認められる。アレルギー検査も原因アレルゲン検索、治療方針決定のために必須(ひっす)のもので、皮膚反応、RAST、吸入誘発試験、血清IgE値測定などが行われる。
 治療としては、原因アレルゲンや種々の発作誘発・増悪因子を取り除き、避けることがたいせつである。対症療法としては、気管支拡張作用のある交感神経刺激薬、テオフィリン系薬、抗コリン薬が単独または併用して使われ、抗ヒスタミン薬、鎮咳(ちんがい)剤、去痰薬、抗生剤なども症状に応じ使用される。重症喘息では副腎(ふくじん)皮質ステロイド薬が必要となる。発作が毎日のようにおこる場合には、発作予防作用のある化学伝達物質遊離抑制薬(吸入薬のインタール、内服薬のトラニラストやケトチフェン)、全身的副作用がほとんどない吸入用ステロイド薬であるベクロメサゾン(定量噴霧式ネブライザー)が使われる。原因アレルゲンの除去・回避が不可能な場合には減感作療法が行われる。非特異的変調療法として金(きん)療法やヒスタミン加ヒトγ(ガンマ)グロブリン療法なども行われる。小児の喘息の60~80%は成長とともに消失する。成人の喘息は症状が持続するものが少なくないが、適切な治療により日常生活に支障ないよう症状を改善することができる。重篤な発作ではときに死亡することもあるので注意が必要である。[高橋昭三]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

きかんし‐ぜんそく キクヮンシ‥【気管支喘息】
〘名〙 息を吐きだすのが困難で、ゼイゼイ鳴る発作性の呼吸困難をおもな症状とした症候群。気管支が痙攣(けいれん)し、気管支粘膜が腫れ、粘液の分泌が高進して、気管支が狭くなるためにおこるといわれる。アレルギー体質の人に多い。

出典:精選版 日本国語大辞典
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内科学 第10版

気管支喘息(アレルギー・免疫性疾患)
定義・概念(図7-4-1)
 気管支喘息(喘息)は,①発作性あるいは反復性の呼吸困難・咳・喘鳴などの自覚症状,②気管支拡張薬・治療・自然経過などで変動しやすい気流制限(可逆性気流制限)の存在,③軽微な刺激で気流制限が誘発されやすい(非特異的気道過敏性),などの特徴をもつ疾患である.現在では,可逆性気流制限と非特異的気道過敏性という生理学的特徴は,好酸球・リンパ球・マスト細胞を主体とする慢性気道炎症により惹起されることが明らかとなり,「慢性気道炎症性疾患」と認識されている.これに伴う平滑筋収縮・粘膜浮腫・気道分泌亢進が気流閉塞や喘息症状の原因となる.また,気道炎症の持続により気道平滑筋肥厚,気道上皮基底膜下線維化,杯細胞過形成などで特徴づけられる「気道リモデリング」が生じることにより気流制限の可逆性が失われ,喘息が重症化・難治化すると考えられている.このような病態解明を背景に,喘息診断・治療戦略の改善が日々続けられている(日本アレルギー学会喘息ガイドライン専門部会,2009).
分類
 近年,喘息に多様な表現型(フェノタイプ)があることが知られるようになり,単一疾患ではなく症候群としてとらえるべきと考えられるようになってきた(Borishら,2008).以下にいくつかの喘息病型を示し概説する.
1)アトピー型と非アトピー型:
古くからの分類である.アトピー型喘息(atopic asthma)は環境アレルゲンに対する特異的IgE抗体が関与する病型で,IgE依存型あるいは外因型喘息ともよばれる.非アトピー型は特異的IgE抗体が関与しない病型で,IgE非依存型あるいは内因型喘息ともよばれる.小児では約90%,成人では約50~70%がアトピー型である.しかし,両病型で気道炎症像や気道過敏性などには大きな差異は認められない.
2)気道炎症パターンによる病型:
誘発痰中の細胞分画解析より,好酸球(eosinophilic)型,好中球(neutrophilic)型,非多核白血球(pauci-granurocytic)型に分類することが可能であり,炎症パターンごとに重症度や治療反応性が異なる可能性が指摘されている.
3)その他の特殊な病型:
 a)運動誘発喘息(exercise-induced asthma):運動(特に冷気吸入下)により喘息発作が誘発されやすい喘息患者の一群があり,運動誘発性喘息とよばれる.運動に伴い,蒸発により気道から水分が失われ,気道表面の浸透圧が上昇,同時に気道の表面温度が低下するために生ずると考えられている.現在では,特殊な病型というよりも,喘息の重症例やコントロール不良例に見られる特徴と考えられている.運動前にβ刺激薬やクロモリン酸(DSCG)などを吸入させることで抑制可能である. b)咳喘息(cough variant asthma:CVA):喘鳴や呼吸困難などの症状を伴わず,咳のみを自覚症状とする病型である.夜間から早朝に増強する慢性咳が特徴であり,気道過敏性と痰中好酸球増加を伴えば咳喘息と診断する.鎮咳薬は効果なく,吸入ステロイド薬(ICS)が奏効する.
原因・病因
1)個体(遺伝)因子:
喘息発症に遺伝的要因が関与することは従来の疫学的研究から明らかである.両親に喘息があると子どもの発症リスクは3~5倍増加する.その遺伝本体に関する研究では,ゲノム網羅的関連解析(genome-wide association analysis:GWAS)を含めた網羅的遺伝子解析が喘息あるいはアレルギー素因・気道過敏性などの喘息関連表現型に対して応用され,ADAM33,ORMDL3,CHI3LI,PDE4D,IL-33,TSLPなど多くの候補遺伝子が報告されている.これら候補遺伝子には,気道上皮・平滑筋・線維芽細胞などの機能や自然免疫などに関するものが多く含まれており,抗原特異的IgE・Th2細胞などを主軸とする喘息概念から,より広く,各種外因性ストレスに対する気道反応パターンの差異を重視する考え方へと変化しつつある.
2)環境因子:
喘息発症の原因因子としては吸入性アレルゲンが最も重要である.室内アレルゲンとしてチリ,ダニ,動物毛・上皮(ネコ,イヌ,ハムスターなど),カビ類(アスペルギルス,カンジダなど)がある.屋外アレルゲンとして花粉(スギ,シラカバ,雑草),昆虫類(ユスリカなど)がある.また,職業性感作物質にも注意が必要である(ソバ,小麦,イソシアネートなど).発症促進因子として,喫煙,大気汚染,ウイルス感染などが指摘されているが,その正確なメカニズムは不明である.また,RSウイルス,ライノウイルスなどによる呼吸器感染症も喘息発症と密接に関連すると考えられている.一方,乳幼児期細菌感染の減少が喘息増加因子となるのではないかという「衛生仮説(hygiene hypothesis)」も注目されている.乳幼児期のTh1細胞系免疫発達への刺激が欠如するため,生後からのTh2細胞優位のまま成長し,アトピー素因が獲得されるという考え方である.
疫学
 喘息有症率は,小児では1960年代に一般人口の約1%程度であったものが約10%に,成人では1%から約6%に増加している.開発途上国に少なく,先進国に多い.また,寒冷地に少なく,温暖地に多い.男女比では,若年例ほど男性有意で,思春期以後は女性有意となる.
病態生理
(図7-4-2) 喘息症状は気道炎症に伴う平滑筋攣縮 ・粘膜浮腫・気道分泌物貯留・気道リモデリングなどにより生ずる.アレルギー性気道炎症にはCD4陽性ヘルパーT細胞(Th2細胞),IgE産生を促すIL-4・IL-13,好酸球を活性化するIL-5,マスト細胞を活性化するIL-3・IL-9などのサイトカインが中心的役割を果たすことが知られている(Borishら,2008) .また,最近では,自然免疫系を介して刺激された気道上皮から分泌される,TSLP・IL-18・IL-25・IL-33などが,IgEの関与なしにTh2細胞を活性化させる経路も明らかにされた.さらに,気道上皮や好酸球から放出される各種成長因子(PDGF・EGF・TGF-βなど)や蛋白分解酵素(ADAM33など)とその阻害因子(MMPs,・TIMPなど)の作用により,気道リモデリング(平滑筋・気道上皮・腺細胞増殖と気道壁線維化など)が惹起されることも明らかになってきた.
臨床症状
1)自覚症状:
典型的には,喘鳴・呼吸困難・胸部拘扼感(chest tightness)・咳などが繰り返し生ずる.これら自覚症状は特異的ではないが,喘息では,それが発作性あるいは反復性に生ずることが特徴である.具体的には,日内変動(特に深夜から明け方に強い)や季節的変動(春・秋に多い)があり,風邪などの後に上記症状が現れ,遷延する.また,気道過敏性を反映して,軽微な環境からの刺激(特定の環境や状態,冷気吸入,運動,刺激物質の吸入など)で症状が出現するのも特徴である.喘鳴を伴わず咳のみを症状とする「咳喘息」があるため,遷延性・慢性咳患者では注意が必要である.長期経過例では,気道リモデリングが進行し,気流制限の可逆性が失われるため症状が持続性となる.
2)他覚症状:
強い咳や喘鳴は他覚的に感知可能である.胸部聴診では連続性ラ音(wheezes・rhonchi)が聴取されるが,これらのラ音は頸部の聴診でも聴取できることが多い.軽症例では,呼気を最後まで行わせると,残気量位近くでラ音が誘発されることが多い.ときに断続性ラ音である水泡音(coarse crackle)も聴取される.逆に重症例では,連続性ラ音も聴取されず,呼吸音も消失する“silent chest”状態となることがあるので注意が必要である.同時に出現するチアノーゼ・意識低下・会話困難・補助呼吸筋使用などの所見にも注意する.
検査成績
1)呼吸機能検査:
スパイログラムでは,通常1秒率(FEV1%)は低下する(<70%)が肺活量(%VC)は正常(>80%)である閉塞性換気障害パターンを呈する.重症になるにつれ%VCの低下も加わり混合型となることが多い.軽症例ではスパイログラムに異常を認めない場合も多い.簡便なピークフロー(PEF)測定も有用であり,%PEF<80%,日内変動>20%を異常の目安とする.気流制限の可逆性は,通常,気管支拡張薬(β刺激薬)の吸入前・後で1秒量(FEV1)を測定し判定する.FEV1が12%以上かつ200 mL以上改善する場合「可逆性あり」とする.有症状期と無症状期あるいは治療前後で可逆性を判定することも可能である.PEFの日内変動が大きい場合(>20%)も「可逆性あり」と考える.喫煙者で慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)との鑑別が必要な場合は肺拡散能(DLco)を測定する.喘息では正常ないし軽度上昇するが,COPDでは低下することが多い.
2)気道過敏性検査:
気道過敏性検査では,平滑筋収縮薬(メサコリン,アセチルコリン,ヒスタミンなど)を低濃度から順次濃度を上げて吸入させ,呼吸機能を測定する.わが国では間欠吸入法とアストグラフ法が用いられている.間欠吸入法は平滑筋収縮薬を2分間ごとに吸入させ,1秒量(FEV1)が20%低下する濃度をPC20として気道過敏性を評価する.アストグラフ法では呼吸抵抗(Rrs)が上昇し始める時点までの累積薬物濃度(Dmin)で評価する.喘息患者では健常者ではまったく反応しないような低濃度(1/100程度)でも気道収縮が惹起される.また,喘息患者では,呼吸機能が全く正常な場合でも気道過敏性を示すため,軽症例の診断にも有用である.気道過敏性検査は気流制限を誘発する負荷試験であるため,呼吸機能低下例では適応の有無を十分考慮する必要がある.
3)慢性気道炎症の評価:
気道炎症は気道粘膜生検や気管支肺胞洗浄(BAL)液検査で証明可能だが,侵襲性が高いため日常臨床現場では用いない.痰あるいは高張食塩水吸入による誘発喀痰中の好酸球増加やECP(eosinophil cationic protein,好酸球カチオン蛋白質)増加,呼気一酸化窒素(NO)の上昇は好酸球性気道炎症の存在を示唆する.末梢血好酸球増加,血清ECP上昇も気道炎症と相関する.
4)アレルギー学的検査:
アトピー型喘息が多いためアレルギー学的検査も喘息診断の一助となる.各種吸入性抗原に対する即時型皮内反応,血清総IgE,抗原特異的IgE測定などを行う.抗原特異的IgEレベルは抗原吸入時の気道反応と相関する.
診断
 上述の自覚症状に加え,可逆性気流閉塞ないし気道過敏性が存在すれば喘息と考える.ほかの症状がほかの呼吸器疾患によらないことが確認されれば,気管支喘息と診断してよい.好酸球性気道炎症の存在は喘息の存在を強く示唆する.
鑑別診断・合併症
 表7-4-1に鑑別すべき疾患を示した.喘鳴・呼吸困難・咳などを呈する多くの呼吸器疾患が鑑別の対象となる.合併症としては気胸・縦隔気腫・肋骨骨折・無気肺などがある.気管支喘息を部分症としてもつ疾患としてアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(allergic bronchopulmonary aspergillosis:ABPA)やアレルギー性肉芽腫性血管炎(Churg-Strauss症候群)に注意が必要である【⇨7-4-2)-(3),10-8-(8)】.
経過・予後
 喘息は慢性疾患であり成人で寛解に至る症例は少ない(10~20%) .小児喘息では50~70%の患者が自然寛解するとされているが,寛解者で成人期に再発する例も多い.近年の吸入ステロイドを主体とする治療法の確立により,喘息コントロールと患者QOLが著しく改善,喘息死も1990年代の約6000人から2010年代には約2000人へと約1/3に減少している.一方,喘息死における高齢者比率が約90%を占めるまで上昇しており,高齢者においても重要な疾患であるとの認識が必要である.
治療・予防・リハビリテーション
1)発作予防:
原因抗原が明らかな場合は抗原吸入の回避により,喘息発作を予防し,慢性症状を軽減させることが可能である.特に,ペットなどの動物抗原が原因の場合,職業性喘息などでは有効である.室内環境改善や布団やマットレスのダニ防止カバーなどで発作が減少するとの報告がある.喘息発症を抑制するための一次・二次予防策については,いまだ有効な具体的方策はない.
2)薬物療法:
喘息治療の考え方は,①長期管理と急性期治療(発作への対応)を明確に区別する,②重症度に応じた段階的治療を行う,③長期管理では発作を予防するための抗炎症療法が必須である,④副作用軽減のため吸入療法を主体とする,が基本である.この考え方に沿って,吸入ステロイド薬を主体とする喘息管理ガイドラインが作成されている(日本アレルギー学会喘息ガイドライン専門部会監修,2009.
a)抗喘息薬:
 ⅰ)長期管理薬:喘息コントロール達成と維持のため,長期にわたり継続的に使用される薬剤である.副腎皮質ステロイド薬は最も効果的な抗炎症薬である.副作用を最小限に抑えるため吸入ステロイド薬(ICS)として用いるのが基本であり,全身投与は最大量のICSでも管理ができない場合に選択する.長時間作動型β2刺激薬(LABA)は強力な気管支拡張薬であるが,長期管理薬としてはICSとの併用で用いる.ICSとLABAの合剤も使用可能である.抗ロイコトリエン薬(LTRA)は,気管支拡張作用と気道炎症抑制作用を有する薬剤である.徐放性テオフィリン薬・抗アレルギー薬なども抗炎症作用をもつが,作用は弱く,単独治療は軽症例に限られる.近年,分子標的薬としてヒト抗IgE抗体が開発され,重症アトピー性喘息に適応となる.
 ⅱ)発作治療薬:喘息発作治療のために短期的に使用する薬剤である.短時間作動性吸入β2刺激薬(SABA)は平滑筋弛緩作用をもち,発作治療の基本薬である.吸入抗コリン薬はSABAとの併用で気管支拡張効果を増強する.テオフィリン製剤も気管支拡張作用をもつ.わが国では比較的広く使用されているが,血中濃度の治療域と中毒域が近いため,副作用に十分注意しながら使用する.アドレナリン(皮下注)は気道平滑筋弛緩(β2)作用と毛細血管収縮(α)作用をあわせもつ薬剤である.脈拍を130/分以下に保つようにモニターしながら用いる.虚血性心疾患・甲状腺機能亢進症・緑内障などには禁忌であり,欧米のガイドラインでは推奨されていない.重症例ではステロイド薬(経口,全身投与)を用いる.必要に応じて十分量を投与するが,可能な限り短期間とする.アスピリン喘息患者ではステロイド薬あるいはその溶剤で発作が悪化する場合があり注意が必要である.
 b)長期管理:喘息重症度と治療ステップ:喘息重症度は,症状・呼吸機能(FEV1, PEF)とコントロールに要した治療ステップから判定し,軽症間欠型,軽症持続型,中等症持続型,重症持続型,最重要持続型の5段階に分類される(表7-4-2).喘息治療はその強度から4つのステップに分けられる(表7-4-3).ステップ1:症状が月1回以上あれば低用量のICS治療を選択する.ステップ2:低~中用量のICSが基本であり,効果不十分な場合は,追加薬としてLABA,LTRA,テオフィリン徐放薬のいずれかを加える.ICS+LABA合剤も適応となる.ステップ3:中~高容量ICSに複数の追加薬を加える.ステップ4:高容量ICSと追加薬すべての併用を行う.それでも不十分な場合,アトピー型であれば抗IgE抗体使用を考慮する(最重症持続型に適応となっている).それ以外の患者や,抗IgE抗体でも効果不十分な場合は経口ステロイド薬を併用する.上記治療で3~6カ月良好なコントロールが得られていればステップダウンを考慮する.いずれのステップでも発作症状には吸入SABAを用いる.
 c)喘息発作(急性増悪)の管理:喘息発作の強度に対応した管理法を表7-4-4に示す.重症度および治療反応性に応じて発作治療薬を使用する.PaCO2が45 torr以上に上昇する場合は挿管・人工呼吸管理の準備を開始する.喘息発作は病院外で起こるため,患者に応急的な対応方法と病院受診のタイミングを十分指導しておく.次の場合はプレドニゾロン15~30 mg程度(あらかじめ処方しておく)を服用のうえ,直ちに救急外来を受診させる:①中等度以上の喘息症状,②吸入SABAを1~2時間おきに必要とする,③気管支拡張薬で3時間以内に症状が改善しない,④症状が悪化していく.
禁忌
 鎮痛解熱薬(アスピリン)喘息(aspirin induced asthma:AIA)は非ステロイド系抗炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)の内服・注射・座薬・貼付薬・塗布薬などで重篤な喘息発作を起こす病態である.成人喘息の約10%にみられ,中年女性に多く,鼻疾患(慢性副鼻腔炎や鼻ポリープなど)合併例が多い.アレルギー的機序ではなく,NSAIDsのシクロキシゲナーゼ (COX)抑制作用によると考えられるため,AIA患者への酸性NSAIDs投与は禁忌である.[棟方 充]
■文献
Borish L, Culp JA: Asthma: a syndrome composed of heterogeneous diseases. Ann Allergy Asthma Immunol, 101: 1-8, 2008.
日本アレルギー学会喘息ガイドライン専門部会監修:喘息予防・管理ガイドライン2009,協和企画,東京,2009.

出典:内科学 第10版
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気管支喘息(アレルギー性疾患)
 【⇨ 7-4-1)】[岡本美孝]
■文献
鼻アレルギー診療ガイドライン作製委員会:鼻アレルギー診療ガイドライン,第6版,ライフサイエンス・メディカ,東京,2009.奥田 稔:鼻アレルギー―基礎と臨床,医薬ジャーナル社,東京,1999.

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六訂版 家庭医学大全科

気管支喘息
きかんしぜんそく
Bronchial asthma
(子どもの病気)

どんな病気か

 息を吐く時に、「ゼイゼイ」「ゼロゼロ」「ヒューヒュー」といった音がする病気です。これは気管支という、のどと肺をつなぐ通路が狭くなることによる音です。このような呼吸を、たとえばかぜをひいた時、夜寝てから、とくに朝方、季節の変わりめ、たばこや花火の煙・ほこりを吸い込んだ時、雨や台風などの時に繰り返すようならば、喘息である可能性が高いのです。

原因は何か

 原因の多くはアレルギーと考えられています。アレルギー体質(喘息、鼻炎、アトピー性皮膚炎花粉症じんま疹)は遺伝しやすく、そのような体質をもった子どもが、イエダニやカビなどを毎日吸い続けると気管支が過敏になります。過敏になれば、ちょっとした刺激(ウイルスや気圧の変化など)で気管支が縮まって狭くなり、苦しくなります。それを発作といいます。

 発作が起きると炎症という「ただれ」が生じ、これが過敏性をさらに悪化させます。その結果、ささいな刺激でも発作が起き、気管が狭くなっていきます。さらに怖いことに「ただれ」が慢性化してしまうと、どんなに強い薬を使っても正常の気管支にもどらなくなる可能性もあるとされています。

症状の現れ方

 前述したような刺激があった場合、突然「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」した呼吸が始まり、呼吸が苦しくなり、激しい場合は窒息することもあります。

検査と診断

 アレルギー検査は血液検査などで行いますが、アレルギーのない人も感染症の繰り返しや、汚れた空気を長年にわたって吸い続けることによって喘息になりえます。小学生以上は呼吸機能検査によって診断が可能です。小学生未満は、診察所見や気管支拡張薬の効果などを参考に診断します。

治療の方法

 喘息の治療は、発作時の治療と、発作が治まった後の治療の、2段構えで行います。発作時の治療では、気管支拡張薬を吸入したり、内服します。それで治まらない場合はステロイド点滴を行います。重篤(じゅうとく)で、自分で呼吸ができなくなってしまった場合は、機械を用いた人工呼吸を行います。

 発作が治まったあとの治療では、数カ月に1回程度の軽い喘息の場合は、症状のある時にのみ気管支拡張薬をのんだり吸入したりするだけでもよいと考えられています。

 しかし、毎月喘息発作が起きる場合や、数カ月ごとに病院を受診しないと治らないような喘息発作が起きる場合は、ロイコトリエン拮抗薬であるプランルカスト水和物(オノン)、モンテルカストナトリウム(シングレア、キプレス)の内服やクロモグリク酸ナトリウム(インタール)の吸入、ステロイド薬のプロピオン酸フルチカゾン(フルタイド)、プロピオン酸ベクロメタゾン(キュバール)の吸入などを、年齢と重症度に応じて選択します。

 これらは、前述した「ただれ」の修復が目的です。「ただれ」の修復に要する期間は、個人個人で異なりますが、慢性化してから治療を開始する場合は、数年間、予防治療の継続を必要とします。

 発作が数カ月ないと、つい医師の指示に反して予防治療を中止してしまうこともあるでしょうが、予防治療が必要と判断される基準(毎月、喘息発作が起きる場合や、数カ月ごとに病院を受診しないと治らない喘息発作が起きる場合)に至った場合は、医師が治療を中止するまで、継続するようにしてください。大人になるまで持ち越した喘息は難治とされているため、子どものうちに治しておくことをすすめます。

 以前、日本における喘息治療の核となっていたテオフィリン(テオドールなど)は、けいれんを誘発しやすいことが判明しました。とくに乳児、発熱時、熱性けいれんてんかんの既往や家族歴がある場合、脳にもともと病気を抱えている場合には、処方は差しひかえるべきと考えられるようになってきました。

 もちろん、喘息は薬だけで治すものではありません。体力づくりを行い、喘息を治りにくくさせるもの(ほこり、ペット、たばこなど)を避けるなど、生活環境の改善も必要です。

是松 聖悟

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

気管支喘息
きかんしぜんそく
Bronchial asthma
(呼吸器の病気)

どんな病気か

 気管支喘息とは、気管支の炎症により肺への空気の吸入・呼出が困難になる病気です。

 この症状は、発作性に起こることが多く、非常に強い呼吸困難が起こる時もあり、症状が消えてしまう時もあります。急に症状の変化があることから、時にはほかの人が病気であることを信じてくれないことさえあります。

原因は何か

 喘息の原因物質としては、ハウスダスト(主にイエダニの死骸や便に存在する消化酵素)、カビ、昆虫、小麦粉、コンニャクなどの生活環境から飛散する物質や、ソバ、カニなどの食べ物、アスピリンを代表とする痛み止め、解熱薬、かぜ薬などがあります。喘息の原因がまったくわからないことも約3分の1あります。

症状の現れ方

 発作性の(せき)喘鳴(ぜんめい)と呼吸困難が起こり、ごく軽度のものから死に至るものまであります。喘鳴と呼ばれる「ゼーゼー」、「ヒューヒュー」という音が、のどや胸で聞こえる特徴がありますが、軽症の場合は必ずしも聞こえるわけではありません。呼吸困難は、日によって、あるいは時間によって変化することが特徴で、自然に、あるいは治療により改善します。

 患者さんは、冷房の部屋に入った時や、煙、香水などの刺激に対して非常に敏感に反応し、喘鳴や咳が誘発されやすい特徴があります。また、飲酒によって喘息が悪化する症例が日本人には約半数あるので、喘息の患者さんは飲酒にも注意しなくてはなりません。

 喘息の発作は、多くの場合、夜中から朝方にかけて、咳、喘鳴で始まります。また、運動により誘発されることもあります。外出時の(あわ)ただしい時や、バスに乗り遅れまいとバス停に急ぐ時などにしばしば症状が強くなります。小児の場合では、布団で遊んでいる時に、布団のなかのハウスダストが飛散して発作が誘発されることもしばしばあります。

 アスピリン喘息とは、アスピリンなどのかぜ薬・痛み止めの内服、座薬、湿布、注射のあと20~30分たって急激な発作が誘発される喘息です。喘息の患者さんの10人に1人の割合でみられますが、このような経験がある人は、病院あるいは歯科医院の受診時には必ず報告することにしましょう。

検査と診断

 診断では前記の症状の特徴をとらえることが重要です。また、聴診器で「ピーピー」、「ヒューヒュー」という異常な音を聞くことができます。

 肺機能検査で、1秒間に息を十分に出せないこと(1秒率ならびに1秒量の低下)が証明され、それが気管支拡張薬(β2刺激薬)の吸入により改善すれば、喘息と診断されます。

 図26は、肺機能検査のひとつであるフロー・ボリューム曲線を示したものです。検査では、息を最大限に吸入し、最大努力で呼出します。縦軸はフロー(呼気の流速)を示し、横軸はボリューム(排気量)を示します。気管支拡張薬(β2刺激薬)吸入後に、フローが非常に速く(高く)なりループが大きくなっており、気管支拡張薬の吸入によって、大幅に呼気の流速が改善していることが示されています。

治療の方法

①急性発作時の喘息治療

 発作時には、β2刺激薬の吸入と、酸素飽和度の低下があれば酸素の投与、そしてステロイド薬(副腎皮質ホルモン薬)の内服あるいは点滴(メチルプレドニゾロン125㎎程度)による治療を基本とします。以後、改善があればそれらの薬を減量し、以下に示す維持療法に移行していきます。

②安定期の喘息治療

 症状を安定させるには、喘息をコントロールする薬(予防薬)と、呼吸困難をすぐに改善する薬(治療薬)に分けて考えると理解しやすいでしょう。

 喘息の治療法は、その症状の強さにより決定されます。ごく軽い症例では症状が出た時だけβ2刺激薬(短時間作用性:メプチンエアー、ベロテックエロゾル、アイロミール、サルタノールなど)のハンドネブライザー(携帯型ネブライザー)吸入を行います。

 1週間に1回を超える発作があれば、軽い発作でも、β2刺激薬の吸入に加えてステロイド薬の吸入(予防薬)を行うことが必要とガイドラインですすめられています(パウダー製剤:フルタイド、パルミコート、アズマネックス。ハンドネブライザー製剤:キュバール、オルベスコ、フルタイドエア)。ステロイド薬の吸入量は、症状が強い時期は多くの回数を、症状が改善した時期は減量することができます。減量の場合は3カ月の症状の安定を確認する必要があります。

 吸入療法の利点は、最少量の薬で病変部に最高の濃度の薬剤を到達させることができることです。吸入は医師・薬剤師・看護師の指導を受け、正しく吸入することで、より有効に薬を病変部に到達させることができるでしょう。

 症状が十分に改善しない場合には、長時間作用性β2刺激薬(サルメテロール)の吸入が有効なことがあります。しかし、この薬はステロイド薬の吸入なしに単独で吸入すると喘息の悪化がみられることがあるので、ステロイド薬の吸入と併用することが大切です。ステロイドと長時間作用性β2刺激薬の配合剤(アドエア、シムビコート)も販売されています。また、吸入後に口腔に薬が残らないようにうがいを励行(れいこう)する必要があります。

 うがいができない場所では吸入をひかえてしまうケースもありますが、喘息の症状が出た場合には、早期に吸入することをすすめます。

 吸入薬が苦手な人は、ロイコトリエン拮抗薬(オノン、シングレア、キプレス)、テオフィリン(テオドール、テオロング、ユニフィル、スロービッド、ユニフィルなど)を内服すると改善されます。また、β2刺激薬の貼り薬(貼付(ちょうふ)薬:ホクナリンテープ)なども有効なことがあります。

 難治性の重症喘息には、IgEに対する抗体の注射「ゾレア」が発売されました。

 詳細な治療法については、日本のガイドライン「喘息予防・管理ガイドライン2009」を表9に示します。

病気に気づいたらどうする

 喘息は、ごく軽い症例でも、刺激が強い場合は重症化することがあります。「喘息ではないかな?」と思ったら専門医の診察を受けて、肺機能などの客観的なデータに基づいて、病状を評価してもらう必要があります。その時に、症状に応じた治療を受けるべきです。

 ごく軽い症例でも、短時間作用性のβ2刺激薬吸入剤を携帯していると安心です。また、喘息の症状は改善と悪化を繰り返す特徴があることから、改善しても必ず、薬を携帯しておくことを心がけてください。

興梠 博次

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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気管支喘息
きかんしぜんそく
Bronchial asthma
(アレルギー疾患)

どんな病気か

 発作性の呼吸困難、喘鳴(ぜんめい)(せき)を繰り返す疾患で、慢性的な炎症が気道に起こり、気道の過敏性が亢進することがその原因と考えられています。抗原の吸入、運動、感染、ストレスなどが喘息発作の引き金になります。吸入ステロイド薬(副腎皮質ホルモン)を中心とした長期の抗炎症治療が必要となります。

 空気の通り道の気管や気管支が急につまって息苦しくなり、呼吸のたびにゼーゼー、ヒューヒューという音が聞こえます(喘鳴)。さらに呼吸が苦くなると横になっていられず、座らなければ呼吸ができなくなります(起座(きざ)呼吸)。咳や粘着性の強い吐き出しにくい痰も出ます。

 このような喘息発作は、通常は一時的なもので、気管支拡張薬の吸人などの治療で、または軽いものでは自然におさまります。しかし、重い場合は何日も呼吸困難が続き、苦しい思いをすることもあります。また、発作が突然に起こり、発作と発作の間に症状らしいものがほとんどないことも特徴です。

 喘息症状は、炎症を起こした気道がたばこの煙や冷気などさまざまな刺激に対して過敏に反応し、収縮することで誘発されます。気道の炎症が慢性的に続くと、気道の壁が肥厚して内腔が狭くなります。こうなると、どんな治療をしても気道が拡張しなくなり、喘息が難治化することがわかってきました。

原因は何か

 さまざまな説があり、代表的なものとしてアレルギー説、感染説、自律神経失調説、精神身体要因説などがあります。はっきりした原因は現時点でもわかっていませんが、近年、喘息症状の原因は気道の炎症と考えられるようになりました。

 患者さんの気道の粘膜には、好酸球(こうさんきゅう)、Tリンパ球、肥満細胞を中心とした炎症細胞が集まっており、これらによって気道に炎症が起こっています。気道に慢性の炎症があると、さまざまな刺激に対して気道の筋肉(気管支平滑筋)が過敏に反応して収縮し、呼吸困難、喘鳴、咳などの症状が現れると考えられます。

 気道狭窄(きょうさく)の原因としては、気道の壁のむくみ、気道内の喀痰(かくたん)の存在、気道の壁自体が厚くなることなどがあげられます。

 喘息は、アトピー型と非アトピー型に分類されます。アトピーとは、ダニなどの空気中の環境抗原に対して、アレルギー抗体(免疫グロブリンE(IgE)抗体)を産生する遺伝的な素因です。

 アトピー型では産生されたIgE抗体が肥満細胞上に結合しています。ダニ抗原などの空気中の環境抗原が気道に吸入されると、肥満細胞上でⅠ型のアレルギー反応が起こり、肥満細胞から化学伝達物質が放出されて喘息反応がおこります。

 非アトピー型では、環境抗原以外の原因で喘息が起きます。慢性の気道炎症があることや、気道過敏性が亢進することに関しては、アトピー型と非アトピー型では差がないと考えられています。

 そのほか、喘息を悪化させる要因として、激しい運動、ウイルス感染、飲酒、ストレスがあげられます。激しい運動や飲酒は、肥満細胞から化学伝達物質を放出させやすくします。

 かぜなどのウイルス感染は、感染そのものがアトピー発症の誘因になったり、気道過敏性を亢進させて喘息を悪化させたりします。また、気温の急激な低下、季節の変わりめ、台風接近前、たばこや線香の煙の吸入、満腹状態、女性では月経や妊娠なども喘息発作の誘因になります。一部の患者さんでは、解熱鎮痛薬などの薬剤や食物により喘息が起こることもあります。

 最近は咳のみが慢性的に続く「咳喘息」が増えています。典型的な気管支喘息の前段階ともいわれ、適切な治療をしないと、その一部は典型的喘息に移行するとされます。

多様なアレルゲン

 喘息のアレルゲンは実にさまざまで、主なものに室内でのちりやほこりがあります。ふけ、髪の毛、カビ、衣類や食べ物のくず、ペットの毛や分泌物、植物や昆虫などで、これらを室内塵(しつないじん)またはハウスダストと総称しています。

 なかでもダニによる喘息がとくに多く、生きているダニも、その死骸もアレルゲンとなります。季節によって違いますが、室内塵1gに約1000匹いるといわれ、約40種類が知られていますが、アレルギーの病気では、とくにヒョウヒダニが問題になっています。

 喘息の原因となる花粉は、スギ、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラなど多種類あり、稲やハウス栽培でのイチゴの花粉でも喘息が起こります。日本ではカビが繁殖しやすく、これもアレルゲンになります。カビによる喘息は重症化しやすいので注意が必要です。

 そのほかアレルゲンになるものに、そば粉、小麦粉、動物の飼料、こんにゃく粉、製材所のおがくず、動物の毛あか、ヒヨコの羽毛、蚕の分泌物やまゆ、サナギ、きのこの胞子などがあります。また、枕のそばがらや、もみがら、ふとんの羽毛もアレルゲンになります。

 そのほか食べ物や薬もアレルゲンになります。食物性では、卵、牛乳、チョコレート、ピーナツ、魚介類(イワシ、サバ、タコ、イカ、エビ)や野菜(竹の子、ほうれんそう、山の芋、なす)、そば、香辛料、みかんなどです。

症状の現れ方

 喘息発作は夜間から明け方にかけて起こることが多いようです。初めはのどがつまる感じがあり、やがて喘鳴がおこり、呼吸が苦しくなってきます。呼吸困難がひどくなると、横になっていられなくなり、前かがみに座って呼吸しなければならなくなります。

 呼吸困難がしばらく続いたあと、咳や痰が出ます。咳はいわゆる空咳(からせき)で、呼吸をさらに苦しくさせます。痰は透明で粘りけが強く、なかなか吐き出しにくいものです。

 重い発作の場合は呼吸困難が激しくなり、かなり持続します。さらに重症になると、血液中の酸素が不足するため意識を失い、指先や唇が冷たく紫色になるチアノーゼ状態に陥ります。また脱水状態にもなります。重い喘息発作が24時間以上持続するのを「喘息重積状態」と呼びます。

検査と診断

 発作性の呼吸困難や喘鳴、咳が、とくに夜間から明け方に出現するか否かで珍断されます。気道過敏性や気道可逆性、アトピーの存在、痰のなかの好酸球の存在は、喘息診断の補助になります。また、がんや結核(けっかく)などで気道が狭くなったり、心不全でも喘鳴が聞かれるので、これらの病気がないことを確認します。

 現在は、日本独自の喘息予防管理ガイドラインがつくられていて、喘息の重症度は喘息症状と呼吸機能の両方から判定されます。重症度にもとづき、治療の方法が定められています。

治療の方法

 以前は、気管支平滑筋の収縮をとる気管支拡張薬が治療の主体でした。しかし、喘息が慢性の気道炎症から起こることがわかり、抗炎症作用が強く副作用の少ない吸入ステロイド薬が中心となりました。

 気道狭窄に対しては、発作寛解(かんかい)薬として、今でも気管支拡張薬(β2刺激薬)の吸入薬が有用です。ほかに、従来から使用されている徐放性テオフィリン薬、経口β2刺激薬、抗アレルギー薬も、吸入ステロイド薬を補助する治療薬として用いられます。

 喘息治療の目標は、副作用がない薬と量で喘息症状をなくし、運動を含めた日常生活に支障がないよう呼吸機能を正常に保つことです。急におこる喘息発作を気管支拡張薬で抑えることも大切ですが、さらに重要なのが、ふだんから吸入ステロイド薬を中心とした治療をきちんと行い、炎症を改善して発作を起こさないようにすることです。

 即効性のある吸入β2刺激薬と違い、吸入ステロイド薬は少なくとも数日~1週間以上吸入しないと効果が出ません。発作のない時でも吸入ステロイド薬の治療を続けることが、発作予防につながります。

 また、喘息患者では重症になるほど息苦しさの感覚が鈍くなることが知られています。かなり気管支が狭くなっているのに、自覚症状をあまり感じないのです。

 その場合、自宅で呼吸機能を測定できるピークフローメーターが有用です。毎日測定することで、自覚症状だけではわからない呼吸機能の状態が判断でき、治療の不足や遅れを防ぐことができます。

重症度に応じた薬物治療

 現在では気管支喘息の重症度は、患者さんの自覚症状と呼吸機能から決定されます(表5)。治療はこの重症度を考慮して行われます(表6)。

 たとえば、週に1回未満の喘息症状が現れるごく軽症の患者さんは、吸入β2刺激薬を発作時にのみ使用するだけでよいのですが、週1回以上発作がある場合では、少量の吸入ステロイド薬で治療します。

 さらに慢性的に症状があったり呼吸機能が低下している時は、中~高用量の吸入ステロイド薬を使用します。これらの治療でも喘息がコントロールされない時に、徐放性テオフィリン薬、抗アレルギー薬、長時間作用型吸入または貼布β2刺激薬を使用します。最近では吸入ステロイドと長時間作用型β2刺激薬の合剤も登場し、広く使用されています。

 どの重症度でも発作時にはβ2刺激薬の吸入薬を使いますが、それでも呼吸困難が強く横になれないような時は救急外来を受診し、ステロイド薬と気管支拡張薬の点滴や、血中の酸素濃度が低下している時は酸素の吸入を行います。すぐに発作が治まらない時は入院も必要です。

原因療法

 アレルゲンがわかれば、それを取り除くことが第一です。また、できるかぎりアレルゲンと思われるものを避けることが必要です。しかし、完全なアレルゲン除去は難しく、生活上のさまざまな対策が大切になります。

 また、室内塵のように、どんなに努力しても完全に除去できないアレルゲンについては、原因物質のアレルゲン成分を少量ずつ繰り返し注射して、体を慣らしてしまおうという「アレルゲン免疫療法減感作(げんかんさ)療法)」もあります。ただし、この方法では初めの半年~1年間は最低週1回ずつ、その後2年間ほどは4週間に1回程度の注射を続ける必要があります。少しよくなると中断してしまう人も多く、この場合は初めからやり直さなければなりません。アレルゲン免疫療法は発病後なるべく早く開始するほど効果が高いといわれています。

 最近では「急速減感作療法」といって、1週間の入院で原因アレルゲンを毎日数回注射するという方法もあります。従来のアレルゲン免疫療法よりも有効で、一部のアレルギー専門施設で行われています。

 また、喘息には何らかの精神的な要因も関係しており、心身症としての側面もあります。そこで、心身のリラックスを図る自律訓練法を中心とした各種の精神療法が行われています。とくに小児の場合、健全な成長を促す意味でも、患児本人や患児集団、さらに家族を含めたいろいろな精神療法が試みられています。

経過と予後

 子どもの時に発症した喘息は、しばしば成長に伴い自然に治ります。一方、小児喘息を成人まで持ち越したり、成人になってから新たに発症した喘息は、長期に続くことも知られています。

 成人喘息の人でも外来で適切な治療を受けていれば、発作をなくすことが可能です。吸入ステロイド薬による治療を続けると、喘息による救急外来の受診回数や入院回数、さらに喘息死まで減少することがあきらかになっています。喘息患者の生活の質(QOL)は、吸入ステロイド薬を中心とした適切な抗炎症治療で確実に向上するのです。

日常生活での注意点

 以下、要点だけを記載しておきます。

①ほこりを避ける。

②犬や猫、ハムスターなどのペットを飼うのはやめる。

③室温の変化や換気に注意する。

④市販のかぜ薬に注意する。

 市販のかぜ薬にはアスピリンなどの喘息の原因になる薬が含まれていることがあります。

相良 博典

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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EBM 正しい治療がわかる本

気管支喘息
どんな病気でしょうか?

●おもな症状と経過
 気管支喘息(きかんしぜんそく)は気道に慢性の炎症がおこり、空気の流れが妨げられる病気です。発作性のせき、喘鳴(ぜんめい)(呼吸のたびに「ぜいぜい」という音がでること)や呼吸困難(息苦しさ)などがおもな症状であり、発作がくり返されるのが特徴です。
 発作は昼間より夜半から明け方におこる特徴があり、季節の変わり目、気候の不安定な時期におこりやすいことも昔からよく知られています。発作がおこっていないときでも気管支の粘膜には炎症がおきていて、ちょっとした刺激にも過敏に反応して発作が現れることになります。のどや胸がつまる感じになって、やがて喘鳴がおこり、呼吸が苦しくなり、さらに、激しいせきや痰(たん)がでます。
 このような症状は自然におさまったり、適切な治療をしたりすることで元に戻ります。しかし、長期にわたって発作の続く患者さんでは、炎症とその修復過程がくり返されるうちに気道の壁が厚くなって元に戻りにくくなり、さらに気道の過敏性が増加してしまいます。
 そこでなるべく発作のない状態を保ち、そうした気道の変化を防げれば、ほとんど健康な人と変わらない日常生活を送ることができます。しかし、病状のコントロールがうまくいかず、発作をくり返しながら重症化が進むと、死に至ることもあります。
 専門医の適切な診断とともに、自己管理も喘息の治療に欠かせないものです。喘息の重症度を確認するためにピークフローメーターが使用されます。ピークフローメーターは、思いきり息を吹き込んだ際の値を読み取るもので、簡便な装置のため患者さん自身が症状や病態を把握するためにも使用します。
 気管支喘息の重症度分類は次のようになっています。
 ●ステップ1(軽症間欠型)
  ピークフロー値は予測値の80パーセント以上、朝と晩のピークフロー値の変動は20パーセント未満、喘鳴、せき、呼吸困難は週に1回未満。
 ●ステップ2(軽症持続型)
  ピークフロー値は予測値の80パーセント以上、変動は20~30パーセント、症状は週1回以上であるが毎日ではない、日常生活や睡眠が妨げられることが月に1回以上、夜間症状が月に2回以上。
 ●ステップ3(中等症持続型)
  ピークフロー値は予測値の60以上80パーセント未満、変動は30パーセント以上、慢性的に症状がある。吸入β2刺激薬がほとんど毎日必要。日常生活や睡眠が妨げられることが週1回以上、夜間症状が週1回以上。
 ●ステップ4(重症持続型)
  ピークフロー値は予測値の60パーセント未満、変動は30パーセント以上、治療を行っていてもしばしば増悪(ぞうあく)し、症状が持続し、日常生活が制限され、しばしば夜間症状の増悪などがみられ、経口副腎皮質(ふくじんひしつ)ステロイド薬連用、気管支拡張薬が必要である。
 急性に増悪する発作の重症度分類は以下のようになります。
 ●軽度症状(小発作)
  いつもは軽症あるいは良好にコントロールされている患者さんが、かぜや過労あるいは抗原曝露(こうげんばくろ)などで発作をおこした場合。比較的症状も軽く、日常生活に支障はない。ピークフロー値は予測値の80パーセント以上。
 ●中等度症状(中発作)
  せき、痰、呼吸困難の程度はかなり強くなり、手持ちのβ2刺激薬の吸入では効果はあるが、あまり長続きしない状態になっている。ピークフロー値は予測値の60~80パーセントに低下し、苦しくて横になれない(起座(きざ)呼吸)状態。
 ●高度症状(大発作)
  中等症~重症の患者がかぜや過労をきっかけとして発作状態に至り、それでも十分な治療を受けずにがんばっているうちに大発作に陥ることがある。ピークフロー値は予測値の60パーセント未満。
 ●重篤(じゅうとく)症状・エマージェンシー(重篤発作)
  大発作の患者が治療をおろそかにした場合に出現することが多い。呼吸音は減弱し、呼吸困難感は非常に強く、顔面から冷や汗がしたたり落ち、歩くことも口をきくこともできない状態。ピークフロー値は測定不可能。

●病気の原因や症状がおこってくるしくみ
 気管支喘息は遺伝的な要素と環境的な要素が関係しておこると考えられていますが、明確な原因はいまだに不明です。遺伝的には患者さんが生まれつきアレルギーをおこしやすい体質をもっているために発病すると考えられるアトピー性喘息と、生まれつきの体質とは関係なく発病する非アトピー性喘息とに分けられます。アトピー性喘息は即時型アレルギーという反応が、非アトピー性喘息は遅発型アレルギーという反応が関与しているといわれています。いずれもふつうの人より気道の過敏性が強く、刺激を受けやすくなっています。
 発作をおこす原因となっている抗原(ダニ・カビ・花粉など)との接触のほか、かぜ、過労、ストレス、ペット、天候、運動、たばこの煙、強いにおい、冷気、飲酒、月経などさまざまなものが原因としてあげられます。重症で不安定な状態であれば、なんらかのきっかけで病態が激変し、チアノーゼや意識障害をおこし、喘息死(窒息死)に至る場合もあります。

●病気の特徴
 1960年代には人口の1パーセント前後といわれていた気管支喘息の患者さんの数は2010年代の調査では約3~5パーセントと増加しています。とくに最近の傾向として都市部の子どもとお年寄りに増加傾向がみられています。


よく行われている治療とケアをEBMでチェック

 気管支喘息には、いくつかガイドラインが存在しますが、国際指針となっている「GINA2014」や日本アレルギー学会の「喘息予防・管理ガイドライン」では、これまで同様に、吸入副腎皮質ステロイド薬の重要性が強調され、長期管理薬の中心的な薬として位置付けられています。

■ステップ1(軽症間欠型)
[治療とケア]気道の炎症を抑えて肺機能を維持し、長期的に発作をおこりにくくする
[評価]☆☆☆☆☆
[評価のポイント] 軽症間欠型の患者さんでは、症状の回数などに応じて、低用量の吸入副腎皮質ステロイド薬、テオフィリン徐放剤、またはロイコトリエン受容体拮抗(きっこう)薬を含む抗アレルギー薬を用いるかどうかを検討します。
 軽症喘息の患者さんを対象とした非常に信頼性の高い臨床研究により、吸入副腎皮質ステロイド薬がピークフロー値の改善に有効であることが示されています。
 抗アレルギー薬は、軽症から中等症までの患者さんに対して効果が認められています。6~10週で効果が認められない場合は、ほかの抗アレルギー薬に変更するか、ほかの治療法に変更するよう勧めている臨床研究もあります。ロイコトリエン受容体拮抗薬の有効性はほぼ確立しています。(1)~(17)

■ステップ2(軽症持続型)
[治療とケア]気道の炎症を抑えて肺機能を維持し、長期的に発作をおこりにくくする
[評価]☆☆☆☆☆
[評価のポイント] 軽症持続型の患者さんでは、低用量の吸入副腎皮質ステロイド薬、長時間作用性の気管支拡張薬(テオフィリン徐放剤、β2刺激薬など)、ロイコトリエン受容体拮抗薬を含む抗アレルギー薬のいずれかを単独あるいは併用で、毎日用います。
 軽症持続型の患者さんにおいても、非常に信頼性の高い臨床研究により、吸入副腎皮質ステロイド薬は、ピークフロー値の改善に有効であるとされています。また、長時間作用性の気管支拡張薬(テオフィリン徐放剤)の効果は、吸入副腎皮質ステロイド薬と同等であるかやや劣るとされ、長期的には、吸入副腎皮質ステロイド薬のほうが明らかに有効であるとされています。
 経皮吸収型のβ2刺激薬も軽症から中等症の患者さんに対して、ピークフロー値を改善する効果があると報告されています。(1)~(18)

■ステップ3(中等症持続型)
[治療とケア]気道の炎症を抑えて肺機能を維持し、長期的に発作をおこりにくくする
[評価]☆☆☆☆☆
[評価のポイント] 中等症持続型の患者さんでは、中~高用量の吸入副腎皮質ステロイド薬、長時間作用性の気管支拡張薬(テオフィリン徐放剤、β2刺激薬など)、炎症を抑制する作用のある抗アレルギー薬(ロイコトリエン受容体拮抗薬など)、長時間作用性抗コリン薬を併用で毎日用います。これらの効果は非常に信頼性の高い臨床研究によって確認されています。
 中用量以上の吸入副腎皮質ステロイド薬を使用しているにもかかわらず、喘息症状が安定しない場合、吸入副腎皮質ステロイド薬を倍量にするかわりにテオフィリン徐放剤を併用すると、その効果は同等かテオフィリン徐放剤併用のほうが若干まさるとの報告があります。(1)~(18)(45)

■ステップ4(重症持続型)
[治療とケア]気道の炎症を抑えて肺機能を維持し、長期的に発作をおこりにくくする
[評価]☆☆☆☆☆
[評価のポイント] 重症持続型の患者さんでは、高用量の吸入副腎皮質ステロイド薬、長時間作用性の気管支拡張薬(テオフィリン徐放剤、β2刺激薬など)、長時間作用性抗コリン薬を毎日用います。それでも症状が安定せず、しばしば増悪することがある場合は、経口副腎皮質ステロイド薬を短期で用いたり、通年性吸入アレルゲンに対して陽性かつ血清IgE値が30~1500IU/mlの場合に抗IgE抗体の注射を行うこともあります。さらに、抗アレルギー薬の併用も考慮するなどして、できるだけ症状を抑え、日常生活を続けられるようにします。これらの治療の効果については非常に信頼性の高い臨床研究によって確認されています。(19)~(21)(45)(46)

■ステップ1~4
[治療とケア]発作時には発作治療薬を用いる
[評価]☆☆☆☆☆
[評価のポイント] 軽症~重症いずれの患者さんでも、発作に対しては短時間作用性の気管支拡張薬(吸入β2刺激薬)の頓用で抑えます。ただし、重症の患者さんで状態が不安定で発作がしばしばおこる場合には、短期間だけ経口副腎皮質ステロイド薬を用いることがあります。これらの効果は、非常に信頼性の高い臨床研究によって確認されています。
 吸入β2刺激薬の頓用については、1日3~4回までとし、それ以上必要になる場合は、現在の治療では症状がコントロールできていないと判断し、治療を強化します(ステップ1から2へというようにステップアップする)。一方、少なくとも3カ月以上症状が安定している場合には、治療の段階を下げ(ステップダウン)、薬の使用を軽減することもあります。(1)~(21)

■軽度症状(小発作)
[治療とケア]吸入気管支拡張薬の頓用を追加する
[評価]☆☆☆☆☆
[評価のポイント] 軽度の発作には、短時間作用性の吸入β2刺激薬の頓用を追加します。スペーサーとネブライザー吸入で、ほぼ同等の効果があることが非常に信頼性の高い臨床研究によって確認されています。ただし、軽症間欠型の患者さんに、吸入副腎皮質ステロイド薬を用いないで、β2刺激薬を常用することは、むしろ、気道過敏性や肺機能をさらに悪化させるとされています。テオフィリン薬(アミノフィリン水和物)の点滴の静脈注射でも状態が改善することが示されています。(16)(22)~(24)

■中等度症状(中発作)
[治療とケア]気管支拡張薬の吸入の反復、点滴、皮下注射、副腎皮質ステロイド薬の静脈注射を行う
[評価]☆☆☆☆☆
[評価のポイント] 中発作の患者さんでは、救急外来の受診が必要です。まず、β2刺激薬のネブライザー吸入を行い、1時間程度で症状が改善すれば、帰宅可能です。
 改善しない場合は、β2刺激薬の皮下注射、テオフィリン薬(アミノフィリン水和物)の点滴、副腎皮質ステロイド薬の静脈注射などを行います。これらの治療の効果は非常に信頼性の高い臨床研究によって確認されています。
 2~4時間程度治療しても反応が不十分であったり、反応がなければ入院治療が必要な場合もありえます。(22)~(25)

■高度症状(大発作)
[治療とケア]気管支拡張薬の吸入の反復、点滴、皮下注射、副腎皮質ステロイド薬の静脈注射、酸素の使用を行う
[評価]☆☆☆☆☆
[評価のポイント] 大発作の患者さんでは、救急外来の受診が必要です。β2刺激薬のネブライザー吸入を反復して行い、β2刺激薬の皮下注射、テオフィリン薬(アミノフィリン水和物)の点滴、副腎皮質ステロイド薬の静脈注射などを追加します。これらの治療の効果は非常に信頼性の高い臨床研究によって確認されています。
 通常、1時間程度で改善しなければ入院を考慮します。(23)~(28)(38)

■重篤症状・エマージェンシー(重篤発作)
[治療とケア]ただちに入院し、ICUで大発作の治療を継続する
[評価]☆☆☆☆☆
[評価のポイント] 重篤発作の患者さんでは、呼吸困難も強く、チアノーゼや意識障害をおこしている場合もあります。ただちに入院が必要となります。
 β2刺激薬のネブライザー吸入を反復して行い、β2刺激薬の皮下注射、テオフィリン薬(アミノフィリン水和物)の点滴、副腎皮質ステロイド薬の静脈注射などを行いますが、反応しない、あるいはさらに悪化するような場合は人工呼吸や気道内の吸入や洗浄を行います。また、気管支拡張作用のある麻酔薬(イソフルラン、セボフルラン、エンフルレンなど)を用いる場合もあります。
 これらの治療の効果は非常に信頼性の高い臨床研究によって確認されています。(20)(23)~(28)(38)


よく使われている薬をEBMでチェック

長期管理薬として
[薬用途]吸入副腎皮質ステロイド薬
[薬名]キュバール(ベクロメタゾンプロピオン酸エステル)(4)(7)(29)
[評価]☆☆☆☆☆
[薬名]フルタイド(フルチカゾンプロピオン酸エステル)(4)(29)
[評価]☆☆☆☆☆
[薬名]パルミコート(ブデソニド)(4)(29)(30)
[評価]☆☆☆☆☆
[薬名]オルベスコ(シクレソニド)(4)(29)(30)
[評価]☆☆☆☆☆
[薬名]アズマネックス(モメタゾンフランカルボン酸エステル)(4)(31)
[評価]☆☆☆☆☆

[評価のポイント] 吸入副腎皮質ステロイド薬は局所抗炎症効果にすぐれ、全身的な影響が少ない薬剤で、現在もっとも効果的な喘息治療薬であると考えられています。吸入副腎皮質ステロイド薬中心の薬物療法を適切に行うことで、発作による入院、喘息死の頻度が減少してきています。吸入副腎皮質ステロイド薬は喘息患者さんの気道炎症を改善し、その結果自覚症状、肺機能、気道過敏性を改善させます。とくに早期に用いれば気道リモデリングを改善し、肺機能の低下を防止できる可能性があります。高用量の吸入副腎皮質ステロイド薬を用いた患者さんでは、骨、副腎機能などへの影響が出現する可能性があります。長期に使用する場合には、使用量を最少限にするべきです。目、皮膚などへの影響にも注意する必要があります。これらのことは、非常に信頼性の高い臨床研究によって確認されています。

[薬用途]長時間作用性の気管支拡張薬
[薬名]ユニフィルLA/テオドール/ユニコン(テオフィリン徐放剤)(5)~(7)
[評価]☆☆☆☆
[評価のポイント] 軽症、中等症の患者さんに対する、テオフィリン徐放剤の喘息症状および肺機能の改善効果については信頼性の高い臨床研究によって確認されています。ただし、その効果は吸入副腎皮質ステロイド薬と同等であるか少し劣るとされ、長期的には、明らかに吸入副腎皮質ステロイド薬のほうが有効であると報告されています。中用量以上の吸入副腎皮質ステロイド薬を使用しているにもかかわらず、喘息症状が安定しない場合、吸入副腎皮質ステロイド薬を倍量にするかわりにテオフィリン徐放剤を併用すると、その効果は同等かテオフィリン徐放剤併用のほうが少しまさります。

[薬名]スピロペント(クレンブテロール塩酸塩)(5)~(7)
[評価]☆☆☆☆
[薬名]メプチン(プロカテロール塩酸塩水和物)(17)(22)(23)(33)~(37)
[評価]☆☆☆☆☆
[薬名]ホクナリンテープ(ツロブテロール)(17)(22)(23)(33)~(37)
[評価]☆☆☆☆☆
[薬名]セレベント(サルメテロールキシナホ酸塩)
[評価]☆☆☆☆
[評価のポイント] 長時間作用性のβ2刺激薬には経口薬、貼付薬、吸入薬があり、長時間にわたる気管支拡張効果をもたらし、喘息症状を軽減し、運動や日常生活が維持でき、患者さんの生活の質(QOL)を改善することが信頼性の高い臨床研究によって確認されています。とくに早朝・未明の症状や運動誘発喘息の軽減に有効です。しかし、β2刺激薬は抗炎症作用をもたないため、単独使用は治療としては不適切であり、抗炎症作用をもつ吸入副腎皮質ステロイド薬などの薬剤との併用が非常に有効で適切であることが証明されています。


[薬用途]吸入ステロイド薬/長時間作用性β2刺激薬配合剤
[薬名]アドエア(サルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル)(39)
[評価]☆☆☆☆☆
[薬名]シムビコート(ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物)(40)
[評価]☆☆☆☆☆

[薬名]フルティフォーム(フルチカゾンプロピオン酸エステル・ホルモテロールフマル酸塩水和物)(32)(41)
[評価]☆☆☆☆
[薬名]レルベア(ビランテロールトリフェニル酢酸塩・フルチカゾンフランカルボン酸エステル)(42)(43)
[評価]☆☆☆☆☆
[評価のポイント] 吸入副腎皮質ステロイド薬と長時間作用性β2刺激薬を組み合わせることにより、相乗効果をきたして、個々に吸入するより有効性の高いこと、および、ステロイド薬の減量が可能になることが信頼性の高い臨床研究によって確認されています。現在わが国では、上記4種類の吸入薬配合剤が発売されています。

[薬用途]長時間作用性抗コリン薬
[薬名]スピリーバ(チオトロピウム臭化物水和物)(45)
[評価]☆☆☆☆☆
[評価のポイント] 長期管理薬として吸入副腎皮質ステロイド薬と併用することにより効果が得られることが、非常に信頼性の高い臨床研究によって証明されています。

[薬用途]抗IgE抗体
[薬名]ゾレア(オマリズマブ)(46)(47)
[評価]☆☆☆☆☆
[評価のポイント] 高用量の吸入副腎皮質ステロイド薬でもコントロールが不十分な患者さんに有効であることが、質の高い臨床研究によって証明されています。

[薬用途]抗アレルギー薬
[薬名]シングレア(モンテルカストナトリウム)(44)
[評価]☆☆☆☆☆
[薬名]オノン(プランルカスト水和物)(9)(10)
[評価]☆☆☆☆☆
[薬名]インタール(クロモグリク酸ナトリウム)(8)
[評価]☆☆☆
[薬名]アレジオン(エピナスチン塩酸塩)(8)
[評価]☆☆☆
[薬名]アイピーディ(スプラタストトシル酸塩)(8)
[評価]☆☆☆
[評価のポイント] 抗アレルギー薬は、一般にアトピー性喘息または混合型喘息、軽症および中等症喘息に用いることが適当と考えられています。これらの薬剤は発作治療薬として用いるべきではなく、長期管理薬として用いることが推奨されています。その際、長時間作用性の気管支拡張薬や、吸入副腎皮質ステロイド薬などの抗炎症薬と併用します。効果が現れるまでには4~8週以上を要します。ただし、プランルカスト水和物の有効性は非常に信頼性の高い臨床研究によって確認されています。

[薬用途]抗ヒスタミン薬
[薬名]セレスタミン(ベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩配合剤)
[評価]☆☆
[評価のポイント] 吸入副腎皮質ステロイド薬との併用によりアレルギー症状を効果的に抑制ができることは、専門家の意見と経験によって支持されています。吸入副腎皮質ステロイド薬の用量の削減が目的となります。

発作治療薬として
[薬用途]短時間作用性の気管支拡張薬
[薬名]ベネトリン(サルブタモール硫酸塩)(17)(22)(23)(33)~(37)
[評価]☆☆☆☆☆
[薬名]ネオフィリン(アミノフィリン水和物)(22)~(25)
[評価]☆☆☆☆☆
[評価のポイント] 喘息症状の一時的な増悪には短時間作用性の吸入β2刺激薬の頓用を行います。この効果は非常に信頼性の高い臨床研究によって確認されています。
 発作の重症度によっては(中発作以上)、注射で用いることもあります。

中等度以上の発作治療薬として
[薬用途]副腎皮質ステロイド薬
[薬名]リンデロン(ベタメタゾン)(20)(21)(26)~(28)(38)
[評価]☆☆☆☆☆
[薬名]ソル・コーテフ(ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム)(20)(21)(26)~(28)(38)
[評価]☆☆☆☆☆
[薬名]ソル・メドロール(メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム)(20)(21)(26)~(28)(38)
[評価]☆☆☆☆☆
[評価のポイント] 中等度以上の発作に対する副腎皮質ステロイド薬の静脈注射の有効性は、非常に信頼性の高い臨床研究によって確認されています。


総合的に見て現在もっとも確かな治療法
吸入副腎皮質ステロイド薬が治療の中心
 気管支喘息の治療は、気道の炎症を抑える日常的な予防と発作時の治療の二つに大別されます。従来は気管支を広げる薬(気管支拡張薬)が主体でしたが、最近は吸入副腎皮質ステロイド薬を用いて炎症を抑制し、長期的に発作をおこしにくくすることが治療の主目的となってきました。

うがいをすれば副作用の心配はない
 副腎皮質ステロイド薬は血液に吸収されれば副作用をおこす可能性がありますが、気管支喘息での吸入療法では、うがいをきちんとして口に残った副腎皮質ステロイド薬を洗い流せば、内服薬や注射薬による場合のような心配はいりません。そのほかに、気管支拡張薬(テオフィリン徐放剤、経口β2刺激薬、吸入β2刺激薬、経皮β2刺激薬など)、抗アレルギー薬なども、有効性は十分確立されていると考えられます。
 これらの薬を組み合わせながら、症状の重症度に応じて治療が行われます。

ピークフローメーターの活用
 喘息の重症度を確認するためにはピークフローメーターが使用されます。ピークフローメーターは、思いっきり息を吹き込んだ際の空気の流れる速度を記録する簡便な装置で、患者さん自身が症状や病態を把握するためにも使用します。
 呼吸困難感などの自覚症状は、呼吸機能が40パーセント以上低下しなければ現れてこないこともありますが、ピークフローメーターを用いれば、わずかな呼吸機能の変化を知ることができます。患者さん自身、また家族も喘息発作に慣れてしまっていて、症状を軽く見てしまうこともありますので、ピークフローメーターで得られる客観的なデータに基づいて管理すれば、発作が重症化する前に適切な治療を行うことができます。

自己管理も重要
 とくに吸入β2刺激薬は発作の初期に用いると効果的ですが、発作が強くなってしまうと十分に吸入できずに、吸入回数が増え、副作用が強くでることになってしまいます。呼吸機能の変化から早めに発作を予測することは大切です。
 症状を軽くみて治療を怠ることは発作の重症化を招きかねません。最悪の場合は生命にかかわることもあります。喘息日記をつけるなど毎日の自己管理は重要な治療の一部となります。

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出典:法研「EBM 正しい治療がわかる本」
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