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水痘【すいとう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

水痘
すいとう
varicella; chicken pox
俗に水ぼうそうという。水痘・帯状疱疹ウイルス感染により主として幼小児に起る急性発疹性疾患。初感染後,神経節内に潜伏していたウイルスが,何年も経ってから再活性化したときの病像を帯状疱疹という。感染経路は患者の水疱内液による直接感染,咳,くしゃみによる飛沫感染,または水にかかった妊婦から胎児への経胎盤感染 (先天性水痘) である。伝染力は水疱出現の1日前から水疱が乾燥するまでといわれる。水痘の潜伏期は 10~20日 (平均 14日) で,軽度の発熱 (ときに 40℃以上になることもある) ,食欲不振などを前駆症状として発病する。紅暈,中心臍窩 (陥没) のある小水疱が全身に散在状に生じ,それはやがて膿疱化,壊死性となり,痂皮をつくって治癒する。病変は口腔粘膜,特に軟口蓋から硬口蓋移行部に好発する。頸部,腋窩部,鼠径部,股部などの表在性リンパ節の腫脹を合併する。その大部分は容易に治癒するが,まれに脳炎肺炎,汎発性水痘 (脳,肺,肝,骨髄なども侵される) を併発し,予後不良となる。成人がかかった場合は一般に比較的重症で,入院加療を要することが多い。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

すい‐とう【水痘】
水痘帯状疱疹ウイルスの感染によって起こる、子供の感染症。感染症予防法の5類感染症の一。小児に多い疾患。高熱が出て、全身に小さな水疱(すいほう)ができてかゆい。かさぶたが取れると治り、免疫ができる。風痘。みずぼうそう。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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世界大百科事典 第2版

すいとう【水痘 chicken pox】
俗に水疱瘡(みずぼうそう)とも呼ばれる,幼児,学童に多い伝染病。伝染力がつよく,6月ころに小流行をみることがある。ヘルペスウイルスのなかまである水痘‐帯状疱疹ウイルスvaricella‐zoster virusの感染によりおこる。ウイルスは,唾液の飛沫などによって気道から進入し,ウイルス血症をおこして,皮膚に紅斑,水疱を生ずる。潜伏期は10~21日,平均14日である。1~2日の発熱,不機嫌,食欲不振,全身倦怠感などの前駆症にひき続いて,全身,とくに体幹,顔面頭部,口腔粘膜などに小紅斑を生じ,まもなく小水疱となる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

すいとう【水痘】
ウイルスによる急性の感染症。子供が多くかかり、伝染力が強い。発熱・発疹はつしんし、発疹は水疱となり、やがて黒いかさぶたとなって約二週間で治る。一度かかれば終生免疫となる。水疱瘡みずぼうそう。風痘。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

水痘
すいとう
varicellachickenpox
発熱と全身性の水疱(すいほう)性発疹(ほっしん)を主徴とする伝染力の強いウイルス性の伝染病で、病原体は帯(たい)状疱疹と同一のウイルスvaricella-zoster virus(水痘‐帯状疱疹ウイルス、略称V‐Zウイルス)とされている。小児にしばしばみられ、俗に水疱瘡(みずぼうそう)とよばれたが、これは痘瘡(とうそう)(天然痘)との類似点が多かったことによる。成人期に罹患(りかん)すると水痘肺炎を合併して重症となることが多い。また、同一家族内で小児に水痘、成人に帯状疱疹がみられることもある。伝染は直接または物品を介して接触感染もするが、飛沫(ひまつ)感染することが多い。あらゆる年齢にみられるが、一度かかれば終生免疫が得られるので、とくに2~10歳の幼児に多くみられる。
 潜伏期は普通2週間前後で、前駆症状はほとんどなく、軽い発熱と同時、あるいはすこし遅れて発疹が現れる。顔・胸・腹などに始まり全身に及ぶが、その性状は小さい紅斑(こうはん)が多発し、それが速やかに盛り上がって丘疹となり、半日ほどでアズキ大の円形または卵円形の水疱状となる。内容は水様で、ときに膿(のう)様になることもあるが、出血や皮下出血を伴う病型は重症で、近年各種疾患の治療に副腎(ふくじん)皮質ホルモン剤が使用されるようになって増えてきた。水疱壁は破れやすく二次感染をおこして化膿しやすいが、2~3日で乾燥して黒褐色の痂皮(かひ)(かさぶた)となり、10日前後で脱落して治癒する。かきむしったり化膿させなければ、発疹は瘢痕(はんこん)を残さない。水痘の急性期には相次いで発疹が形成され、同一部位にも紅斑・水疱・痂皮など時期を異にする大小の発疹が混在しているのが特徴である。なお、水疱疹が出そろうころ(発病後約1週間)までは伝染力があるので、通園・通学は禁止する。合併症としては、水疱をかきむしって細菌感染(化膿)をおこすほか、水痘脳炎や水痘肺炎、水痘腎炎などもみられる。
 治療は、合併症がなければ安静を守り対症療法を行う。手をよく洗い、爪(つめ)を切って皮膚をかかないよう注意するほか、かゆみ止めの軟膏(なんこう)を塗ったり、化膿止めに抗生物質の予防内服も行われる。全身的対症療法としては、解熱剤、鎮痛剤、鎮静剤のほか、抗ヒスタミン剤や精神安定剤などが適宜使われる。また重症水痘に対しては、抗ウイルス剤のビダラビンなどが有効とされているが、帯状疱疹回復期血清からつくられるγ‐グロブリンの大量療法も行われ、これはまた、水痘感染機会後72時間以内に筋肉注射をすると発病が阻止されるか、発病しても軽症として経過する。予防には水痘生(なま)ワクチンがあり、免疫獲得率は100%に近く感染防御率もきわめて高いが、今後の実用化が期待されている段階である。なお、副腎皮質ホルモン剤を使用している患者は、とくに水痘感染には十分注意する必要がある。[柳下徳雄]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

すい‐とう【水痘】
〘名〙 水痘ウイルスによって起こる感染症。二~六歳の子どもに多く、罹患すると終生免疫を得る。三八度以上の熱が出て、全身に小さな水疱が多数でき、かゆみが強い。二週間ぐらいで乾燥し、かさぶたがとれて治る。みずぼうそう。みずいも。〔病名彙解(1686)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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六訂版 家庭医学大全科

水痘(みずぼうそう)
すいとう(みずぼうそう)
Chickenpox
(皮膚の病気)

どんな病気か

 小児期によくみられる急性熱性発疹症のひとつで、全身に散らばって分布する小水疱(しょうすいほう)を主体とする発疹が生じる病気です。近年、日本では成人の抗体保有率が低下し、成人でもしばしばみられます。

原因は何か

 水痘・帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルス(VZV)の初感染(免疫のない人に初めて感染すること)によって発症します。感染様式は経気道感染です。

 VZVは、水痘が治っても三叉神経節(さんさしんけいせつ)脊髄後根神経節(せきずいこうこんしんけいせつ)に潜伏し、一生すみつきます。一部(20~30%)では、主に加齢などの要因によりVZVの再活性化が起こり、帯状疱疹が発症します。

症状の現れ方

 VZVの潜伏期間は約14日です。突然の発熱とともに、全身に小紅斑(しょうこうはん)あるいは丘疹(きゅうしん)が散らばって現れ、すぐにその中心部に小水疱が形成されます。皮疹(ひしん)は次第にびらんとなり、痂皮(かひ)(かさぶた)を形成して2~3週間で治ります。

 水痘の合併症としては、皮膚病変部の二次的な細菌感染が最も多くみられます。ほかにまれなものとして肺炎脳炎髄膜炎(ずいまくえん)などが知られています。

検査と診断

 水痘の典型例では多くの場合、その皮膚症状から容易に診断できます。

 非典型例でほかの病気との区別を要する場合や、早期に診断を確定する必要がある場合などには、水疱の底にある細胞を採取して蛍光(けいこう)抗体法を用いてVZV抗原を検出します。

 また、抗体検査を水痘の患者さんに行えば、VZVの初感染であることが確認できます。

治療の方法

 乳幼児期の水痘は軽症である場合が多いので、非ステロイド性解熱鎮痛薬あるいは抗ヒスタミン薬と、安静などによる対症的な治療を行います。年長児あるいは成人などでは、比較的に重症化することが多いので、抗ウイルス薬のアシクロビル(ゾビラックス)あるいはバラサイクロビル(バルトレックス)の内服を行います。

 悪性腫瘍やその他の基礎疾患により免疫状態が低下している場合では、致死的になることがあるので、入院したうえでアシクロビルあるいはビダラビン(アラセナA)の点滴静脈注射が行われる場合があります。水痘に対するアシクロビルの効果については、その有用性を検討した多数の報告があり、十分な根拠があります。

 予防手段としては、水痘ワクチンが使用されます。水痘ワクチンは弱毒化生ワクチンであり、接種により約90%程度の発症阻止効果が報告されています。重い副作用はほとんど発生していません。

病気に気づいたらどうする

 発熱とともに次々と生じてくる小水疱に気づいたら、医療機関(皮膚科、小児科など)を受診します。医療機関では診断を確定するとともに、抗ウイルス薬による治療を行うかどうか決定します。年長児や成人、水痘の重症化につながる基礎疾患をもっている場合などは、なるべく早期に治療を始める必要があります。

 他人への伝搬力が強いので、すべての皮疹がかさぶたになるまで通学通勤はひかえます。家族に水痘にかかったことのない人がいる時には、早急(潜伏期間内)に水痘ワクチンを接種すると発症を阻止できることが多いといわれています。

関連項目

 帯状疱疹

安元 慎一郎

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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水痘(みずぼうそう)
すいとう(みずぼうそう)
Chickenpox
(感染症)

どんな感染症か

 ヒトヘルペスウイルス科に属する水痘­帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルスの初感染によって起こります。全身に水疱(すいほう)が現れ、水疱がすべて痂皮(かひ)(かさぶた)になるまでまわりの人に感染します。感染力は極めて強く、予防には水痘ワクチン、発症した場合の治療にはアシクロビル(ゾビラックス)や塩酸バラシクロビル(バルトレックス)の内服、重症例には注射による投与が行われます。

 ウイルスは通常気道粘膜から侵入し、鼻や咽頭(のど)、リンパ節で増えたのち、4~6日経過すると血液中でウイルスが増えます。その後全身でウイルスが増え、約2週間の潜伏期を経て水痘として発症します。

 水痘が治ったあとはウイルスが知覚神経節に潜伏(せんぷく)感染し、免疫低下時あるいは高齢になってから、帯状疱疹として発症することがあります。

症状の現れ方

 約2週間(10~21日)の潜伏期ののち、丘疹性の水疱が全身に現れます。発疹はかゆみを伴い、紅斑、丘疹(きゅうしん)を経て短時間で水疱となり、かさぶた(痂皮)となります。発疹は頭髪のある部分、次いで体幹、四肢に現れますが、体幹に最も多く出現します。急性期には紅斑、丘疹、水疱、痂皮が混在することが特徴です。

 経過は一般的に軽症ですが、合併症として皮膚の二次性細菌感染、肺炎無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)、脳炎などがあり、免疫が低下している人がかかると命に関わる場合があります。

検査と診断

 通常は特徴的な症状から診断されることがほとんどです。急性期と回復期で血液中のIgG抗体の有意な上昇を確認するか、急性期にIgM抗体を検出することで診断されることもあります。

 水疱内容からのウイルス分離、PCR法による水痘­帯状疱疹ウイルスDNAの検出、水疱擦過物(さっかぶつ)の染色標本で水痘­帯状疱疹ウイルスに対するモノクローナル抗体を用いた蛍光(けいこう)抗体法などでウイルスの存在が確認できます。また、水痘皮内抗原を用いた皮内テストでは、水痘­帯状疱疹ウイルスに対する細胞性免疫の有無を、24~48時間で検査することが可能です。

治療の方法

 通常、フェノール・亜鉛華(あえんか)リニメント(カチリ)などを水疱に塗ります。抗ウイルス薬としてアシクロビルやバラシクロビルがあり、内服で症状を軽くすることができます。細菌の二次感染を起こした場合には抗菌薬の塗布、内服などが行われます。

 予防法は感染源の人との接触をさけることと、水痘ワクチンを接種することです。水痘ワクチンは接種を受けても10~20%程度は水痘の患者さんと接触した場合に発症することがありますが、この場合の水痘は極めて軽症で発疹の数も少なく、非典型的であることが多いようです。2回の接種を受けておけば、より確実に予防できます。

 水痘の患者さんと接触した場合はできるだけ早く、少なくとも72時間以内に水痘ワクチンを緊急接種することで、発症の防止、症状の軽症化が期待できます。

病気に気づいたらどうする

 かかりつけの小児科、成人の場合は内科あるいは皮膚科を受診してください。感染力が極めて強く、すべての発疹がかさぶたとなるまで感染力があるので、学校保健安全法では第二種の感染症に属し、すべての発疹が痂皮化するまで登校・登園停止となっています。

多屋 馨子

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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