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汚・穢【きたな】

精選版 日本国語大辞典

きたな【汚・穢】
[1] (形容詞「きたない」の語幹) きたないこと。感動的表現に用いることが多い。
※名語記(1275)八「不浄なる物をきたなといへる如何」
※浄瑠璃・伽羅先代萩(1785)三「ヤア伯父様其餠食たか。ヱヱきたな。北野を過て柏野や」
[2] 〘語素〙 名詞の上について、そのものがきたないことを表わす。「きたないろ」「きたなぐち」「きたなざいく」など。
※落語・王子の幇間(1889)〈三代目三遊亭円遊〉「汚(キタ)な洋服で夫婦二人前で八十三銭位の洋服を買って」

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きたな・い【汚・穢】
〘形口〙 きたな・し 〘形ク〙
[一] 人、物、場所などが、見た目にけがれているさま。よごれているさま。また、見たり聞いたりして、品がないと感じるさま。
① 清浄、清潔でない。よごれていて、その人や物にふれたり、その場に居たりしたくないさまである。
※書紀(720)神代上「不須也凶目汚穢、此をば伊儺之居梅枳枳多儺枳(いなしこめきキタナキ)と云ふ」
※人情本・閑情末摘花(1839‐41)初「汚(キタ)ない宅へ何の御用かは存ませんが、アノ召物が汚(よご)れます」
② 下品である。野卑である。見ぐるしい、または聞きぐるしい。
※能因本枕(10C終)二九三「あからさまにものへまかりたりし間に、きたなき、侍る所の焼け侍りにしかば」
※十訓抄(1252)七「学問・行をばせで、〈略〉きたなき聞えさへ出で来にけり」
[二] 心、気持、動機などが、自分中心でみにくいさま。
① 反逆したり、人をおとしいれようとするなど、腹黒いさまである。邪悪である。根性がよくない。
※続日本紀‐神護景雲三年(769)五月二九日・宣命「岐多奈(キタナク)悪き奴ともと相結びて謀(はか)りけらく」
※神皇正統記(1339‐43)上「さらば誓約をなして、清きか、きたなきかを知るべし」
② 思い切りが悪い。いさぎよくない。
(イ) 卑怯である。卑劣である。
※平家(13C前)七「きたなしや、返せ返せといふやから」
※社会百面相(1902)〈内田魯庵〉増税「代議士方に賄賂を遣うの買収するのといふ汚ない所為(まね)は」
(ロ) 未練である。思い切りが悪い。
※有明の別(12C後)三「猶いかであすの行啓までと宣はする心きたなし」
(ハ) 欲が深い。しみったれである。
※身のかたみ(室町中頃)「しはくきたなき心にも、はぢをおもへば」
※ある女(1973)〈中村光夫〉七「米子の金に汚い性質は」
(ニ) やたらに続けていてなかなか止めない様子である。
※浄瑠璃・摂津国長柄人柱(1727)三「お蔭で命繋(つな)ぎますと、其肥えたお手できたなう拝み」
きたな‐が・る
〘他ラ五(四)〙
きたな‐げ
〘形動〙
きたな‐さ
〘名〙

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けが・す【汚・穢】
〘他サ五(四)〙
① きたなくする。よごす。醜くする。
※書紀(720)神代下(水戸本訓)「赭(そほに)を以て掌(たなうら)に塗り、面に塗りて其の弟(なせのみこと)に告(まう)して曰く、『吾れ、身を汚(ケカス)こと此の如し』」
※観智院本三宝絵(984)上「血出でて土を穢かす」
② (名誉、神聖さなど)尊ぶべきものを損なう。きずつける。
※大唐三蔵玄奘法師表啓平安初期点(850頃)「軽き天威を触(ケカシ)て、伏して戦(かしこ)まり」
※徒然草(1331頃)一一五「ここにて対面し奉らば、道場をけがし侍るべし」
※基督と其の事業(1902)〈植村正久〉「褻(ケガ)すとは神に対するの犯罪を云ふなり」
③ 女子の貞操をやぶる。
※書紀(720)雄略三年四月(前田本訓)「武彦、皇女を姧(ケカシ)まつりて任身(はらま)しめたり」
④ (相応の才能がなくて位を汚すというへりくだった気持から) 不相応な地位につく。その才能がないのに職につく。
※今昔(1120頃か)二「此の国の奴婢の娘の子也。何でか忝く此の座を穢(けが)すべき」
※平家(13C前)一「其人ならではけがすべき官ならねども」
⑤ (尊いものをまねて損なう気持から) まねをする。ならう。
※方丈記(1212)「すみかはすなはち、浄名居士の跡をけがせりといへども」
⑥ 食物などに口をつける。
※桂宮丙本忠岑集(10C前)「いにしへにくすりけかせるけだものの雲にほえけんここちして」
⑦ 不正に多くとる。
※改正増補和英語林集成(1886)「キンセンヲ kegasu(ケガス)。コメヲ kegasu(ケガス)
[語誌]「けがす」「けがれる」は多く抽象的・精神的な汚れについて言い、具体的・物質的な汚れに関しては「よごす」「よごれる」が用いられる傾向がある。また、古くは「けがる」「けがす」が訓読語をはじめとする文章語的表現に、「よごる」「よごす」が卑俗な日常口頭語的表現に用いられるという、文体上の使い分けも存在したと考えられる。

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けがらい けがらひ【汚・穢】
〘名〙 (動詞「けがらう(汚━)」の連用形の名詞化) けがれていること。人の死や出産・月経などの不浄。喪中。忌服(きぶく)
※蜻蛉(974頃)上「このごろ、ここにわづらはるることありて、えまゐらぬを、昨日なん、たひらかにものせらるめる。けがらひもやいむとてなん」

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けがらわし・い けがらはしい【汚・穢】
〘形口〙 けがらはし 〘形シク〙 (動詞「けがらう(汚━)」の形容詞化)
① けがれている。きたならしい。また、人の死や出産、月経などのために身体が不浄である。
※書紀(720)神代上(水戸本訓)「吾が身(み)の濁穢(ケカラハシキもの)を滌(あら)ひ去(う)てむとのたまひて」
※経信母集(11C中か)「出羽弁・染殿の中将、例のけがらはしきに、里にまかでて有りし」
② いやな感じのするさま。不愉快である。いとわしい。
※延喜式(927)一六「事別きて詔(の)りたまはく、『穢悪(けがらはしキ)(えやみ)の鬼の、処々村々に蔵(かく)り隠(かく)らふるをば』」
※人情本・春色梅児誉美(1832‐33)四「仮にもそんな穢(ケガ)らはしいことを云ておくれでないヨ」
けがらわし‐げ
〘形動〙
けがらわし‐さ
〘名〙

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けがれ【汚・穢】
〘名〙 (動詞「けがれる(汚)」の連用形の名詞化)
① けがれていること。きたないこと。不潔。よごれ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※いさなとり(1891)〈幸田露伴〉一七「横鬢の汚(ケガ)れを厭ふ間もなく」
② 人の死や出産などの不浄。服喪中であること。また、月経中であること。これらの間は神仏に参ることや人と会うことなどを避ける習慣があった。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「な隠し給ひそ。おうなは早うより、さは見奉れど、さも聞えざりつるなり。〈略〉いつよりか御けがれは止み給ひし」
※とはずがたり(14C前)一「祖母にて侍し老い人、むなしくなりぬと申程に、近きけかれも過ぐしてこそなど申て」
③ 悪習にそまること。みにくくなること。不名誉であること。卑劣。名折れ。
※滑稽本・七偏人(1857‐63)二「かやうな鼻持のならぬ女郎が居っては、神免二刀流の武芸のけがれぢゃ」
④ 人のいやがる不浄な仕事に従事すること。また、その人。
※浄瑠璃・孕常盤(1710頃)露のくつわ虫「下使の下部けがれの人歩(にんぷ)したり顔に玉だすき」

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けが・れる【汚・穢】
〘自ラ下一〙 けが・る 〘自ラ下二〙
① よごれる。きたなくなる。不潔になる。
※東大寺諷誦文平安初期点(830頃)「定の水濁り穢(ケカるれ)ば遍知の月現はれ不(ず)
※正法眼蔵(1231‐53)洗面「垢膩にけがれたらんに、洗浣すべし」
② 人の死や出産などにかかわって身体が不浄となる。服喪中である。また、月経となる。
※落窪(10C後)一「おのが君の唯一人おはするに、いみじく思ひて『俄にけがれ侍りぬ』と申して、とまれば」
③ 女子が貞操を破られる。みさおにきずがつく。
※源氏(1001‐14頃)賢木「世に、けがれたりとも、おぼし捨つまじきを頼みにて」
④ 悪習にそまる。みにくくなる。悪くなる。
※拾遺(1005‐07頃か)雑下・五六〇「盗人の立田の山に入りにけり同じかざしの名にやけがれん〈藤原為頼〉」
※義経記(室町中か)四「一方を聞きて相計らはん事は政道のけかるる所也」

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けが・る【汚・穢】
〘自ラ下二〙 ⇒けがれる(汚)

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