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沓冠【クツカブリ】

デジタル大辞泉

くつ‐かぶり【×冠】
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を各句の初めと終わりに1字ずつ詠み込んだもの。栄花物語に、「合(あ)はせ薫物(たきもの)すこし」を詠み込んだ「ふさかてはゆきききもゐづねてとひなばかへさ」が最初の例として知られている。くつかむり。くつこうぶり。
雑俳の一種。中の7文字を題に出して、それに上5字と下5字とをつけて1句に仕立てるもの。くつかむり。くつこうぶり。

出典:小学館
監修:松村明
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くつ‐かむり【×冠】

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世界大百科事典 第2版

くつかむり【沓冠】

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

精選版 日本国語大辞典

くつ‐かぶり【沓冠】
〘名〙
① 俳諧や和歌の折句(おりく)の一つ。ある語を、各句の初めと終わりに、一音ずつ計十音を詠み込んだもの。「栄花物語」の、「あはせたきものすこし」を詠み込んだ「あふさかもはてはゆききのせきもゐずたづねてとひこきなばかへさじ」が最初の例歌として名高い。沓冠折句。くつかむり。くつこうぶり。
※十訓抄(1252)七「こと御方にはくつかぶりの哥とも御覧じわかざりけるにや」
※俳諧・毛吹草(1638)六「折句の沓冠 するがのふし 透間見する霞や窓の古障子〈長好〉」
② 雑俳の一つ。七文字の題を出して、それに上五字と下五字とを付けて一句を作ること。くつかむり。
③ 謡曲で、シテからワキなどへ謡(うたい)を渡す時、謡のとめと謡い出しの部分を、同じ調子に位を合わせて謡うこと。くつかむり。
※わらんべ草(1660)四「扨一日の能過、きりのはてのひしぎ同前也、是くつかふりとも、くゎんどうくゎんぢくの調子也」
[語誌](1)①の沓冠折句(折句沓冠ともいう)は、「為兼和歌抄」に「寛平より盛りになれり」とあるが、「昌泰元年亭子院女郎花合」後宴にある三首の歌が最も早い例である。ただし、これは折句を二つ詠み込んだもので、本格的な十音詠み込みの例では、「栄花物語」の歌が最初である。
(2)折句の複雑化した形態であり、文字を置く順序もさまざまのものがある。「源順集」の双六盤の歌や碁盤の歌、俳諧の八重襷も沓冠の発展した形式である。なお、「八雲御抄」では、一首の歌の最初と最後に字を置く(つまり「はる」などの二字の語)形式を沓冠と呼び、折句沓冠と区別して用いている。

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くつ‐かむり【沓冠】
〘名〙
※雑俳・柳多留‐七(1772)「よし町のむかい片手にくつかむり」

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くつ‐こうぶり ‥かうぶり【沓冠】
※続千載(1320)雑体・七二一・詞書「いひし日をたがふなよといふことを、くつかうふりにをきてよみてつかはしける いかにまたひとりあかすか忍ぶてふ人はつらしな思ひこりねよ〈藤原兼実〉」

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