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河原者【かわらもの】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

河原者
かわらもの
中世の賎民の呼び名。河原など課税されない土地に住み,牛馬のと畜などを行なって生活していた人々であるが,手工業者なども含まれていた。さらに芸能とするもいて,中世の文化を担っていた。彼らは身分職業居住地などで差別を受けた。江戸時代になると農村に定着させられる者も多かったが,歌舞伎役者などの芸能従事者にも,この呼び名が用いられた。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

かわら‐もの〔かはら‐〕【河原者】
中世、非課税地を求めて河原に住みつき、卑賤視された労働や雑芸能などに従事した人々。
河原乞食(こじき)

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世界大百科事典 第2版

かわらもの【河原者】
江戸時代に,歌舞伎役者や大道芸人・旅芸人などを社会的に卑しめて呼んだ称。河原乞食ともいった。元来,河原者とは,中世に河原に居住した人たちに対して名づけた称である。河川沿岸地帯は,原則として非課税の土地だったので,天災戦乱苛斂誅求などによって荘園を追われたり離れたりした流亡民たちがここに定住し,零細な農耕を営む一方,貴族・寺社の社会から賤業と見なされた雑業に従って生活していた。彼らが従事した業は,皮革生産・鳥獣屠殺・死体埋葬・清掃・細工染色など,実にさまざまの種類にわたっていたが,室町時代末期には作庭にすぐれた才能を持つ河原者が輩出したことが知られている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

河原者
かわらもの

江戸時代における役者をはじめ芝居関係者、大道芸人、旅芸人などの蔑称(べっしょう)。河原乞食(こじき)ともいった。本来は中世に河原に居住した人々の称で、12世紀ごろから天災や戦乱、貧困などによる流亡民のうち、非課税地の河原に逃れた者をよんだのが始まり。零細な農耕や行商、と畜、皮革の加工、染色、清掃、死体埋葬などのほか、散楽(さんがく)の伝統を引く雑芸能を行う者が多かったのが特色である。近世に入ると、彼らの一部は独立した職業として確立したが、大半は厳格な身分制度のもとで四民の下の制外者(にんがいもの)扱いにされ、差別を受けた。しかし、寺社の権力を背景にしていろいろな特権を得て、とくに諸種の芸能の勧進(かんじん)興行は河原で催されることが多かったので、河原者がその支配権を握り、説経、浄瑠璃(じょうるり)、操り、からくりなどに地方の新芸能も加わって、近世の庶民芸能はほとんどが河原で育てられた。京都・四条河原で行われた出雲(いずも)の阿国(おくに)の歌舞伎(かぶき)踊りはもっとも有名。こうした発生の由来から、劇場が河原を離れたのちも、河原者という語が芝居関係者の差別語として用いられ、一般社会から卑しめられる風習が明治になるまで続いた。

[松井俊諭]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

かわら‐もの かはら‥【河原者】
〘名〙
① 中世賤民の一つで、平安期以後、河原に住むことを強制された人々。肉体労働や染色、皮なめし、雑芸能などを業とした。室町時代には、隷属関係をもつ寺社の権力を背景に、さまざまの特権を獲得したものもあった。特殊技能者の集団として多様な活動をしたが、一般に蔑称として用いられた。河原の者。河原。
※建内記‐正長元年(1428)六月一〇日「禁中川原者、穢多事也、参入、於石木事召仕之、為不浄之者然之処」
② 歌舞伎役者などをいやしんで呼んだ語。河原乞食。河原役者。河原歌舞伎子。河原の者。
※狂歌・古今夷曲集(1666)九「よせ太皷日はてれつくと打いづる波の音まで河原もの哉」

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旺文社日本史事典 三訂版

河原者
かわらもの
中世において視された人びと
律令国家が解体し生産従事の賤民は荘園などに所属したが,一部は免税の河原に定住したためにこの名称がある。畜殺・細工・造園などに従事し,善阿弥のような造園の名手も出た。遊芸の者も多く,近世では俳優賤称ともなった。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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